Windows10で「突然SDカードが認識しなくなった」「読み込まない」「反応しない」といったトラブルは珍しくありません。この場合、SDカードが破損している可能性があります。
このような状態で通電を続けると、データにアクセスできなくなり、最悪の場合、データが二度と確認できなくなることもあります。しかし、いくつかの対処法を試すことで、データが復元できる場合があります。
本記事では、Windows10でSDカードが認識しない・読み込まない原因や対処法について詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
目次
Windows10でSDカードを認識しない原因
SDカードがWindows10で読み込まれない時の主な原因は以下の4つが考えられます。
単純な接続の問題や規格の非互換性であれば、自分で解決できる可能性がありますが、物理的な損傷の場合は、専門家の支援やデータ復旧サービスが必要になる場合があります。
PCと互換性がない
SDカードには容量に応じたさまざまな規格があります。デバイスがSDやSDHCなどの下位規格のみをサポートしている場合、SDXCなどの上位規格のカードは認識されません。SDカードを使用する前に、必ずデバイスが対応している規格を確認してください。
SDカードの種類と寿命
SDカードには、主に以下の種類があります。
- SDカード: 最も一般的なタイプのSDカードです。
- SDHCカード: SDカードよりも大容量のデータを保存できます。
- SDXCカード: SDHCカードよりもさらに大容量のデータを保存できます。
- microSDカード: SDカードよりも小型のカードです。
- microSDHCカード: microSDカードよりも大容量のデータを保存できます。
- microSDXCカード: microSDHCカードよりもさらに大容量のデータを保存できます。
これらの種類は、それぞれカードのサイズや形状、最大容量などが異なります。
正しく使用し、適切な管理を行うことで、長期間にわたって信頼性の高いデータ保存が可能ですが、大容量データを保存できるSDカードほど寿命が短く、頻繁にデータの書き換えを行うと書き換え回数の上限を迎え、データが認識できなくなります。データを安全に取りだす場合、適切な手段でデータ復元作業を行うことが重要です。
たとえば、データ復旧業者に依頼することで、専門的な技術と設備を使用してデータを回復することが可能です。データが認識できなくなった場合は、自力での対処を避け、専門家に相談することをおすすめします。
接続不良
SDカードが汚れていたり、正しく挿入されていなかったりすると、カードとデバイスのスロットがうまく接触しないことがあります。また、USBポートとの接続が緩んでいたり、ケーブルが損傷していたりする場合も、SDカードリーダーで認識されないことがあります。接点を清掃し、すべてがしっかりと差し込まれていることを確認してください。
論理的な損傷(論理障害)
SDカードに保存されたデータが破損すると論理障害が発生することがあります。これは、データ転送中にカードを誤って取り外したり、カードを不適切にフォーマットしたりすることで、ファイルシステムやデータ構造が破損し、データにアクセスできなくなる状態です。
論理障害のあるSDカードで作業を続けると、破損していないデータが上書きされてしまい、復旧がさらに困難になる可能性があります。論理障害が発生してしまった場合は、慌てずデータ復旧の専門家に相談することをおすすめします。
物理的な損傷(物理障害)
Windows10でSDカードが認識しない・読み取れないエラーを修正する方法
Windows10でSDカードが認識しない・パソコンが読み込まないときの対処法は、次の通りです。
上記の解決方法は、あくまでも一般的なものです。問題解決に自信がない場合や、これら手順を試しても正しく認識されない場合は、ハードウェアの問題が考えられます。無理に自分で解決しようとせず、問題が解決しない場合は、専門家に相談することをおすすめします。
Windows10以外のデバイスでSDカードを認識するか確認する
まずはSDカードが濡れたり、ほこりっぽかったり、曲がっていないか確認してください。次に他のデバイスで認識されれば、SDカードリーダーまたは接続しているデバイスに問題がある可能性があります。
SDカードの側面にある書き込み保護をオフにする
書き込み保護が有効になっていると、ファイルを開いたり、編集したりできません。書き込み保護スイッチがロック状態の場合は、解除してください。その後、SDカードにアクセスできるか確認しましょう。
- SDカードを取り出します。
- SDカードの側面にある小さなスイッチを確認します。
- スイッチを「ロック解除」位置にスライドさせます。
デバイスを再起動する
デバイスの再起動は、多くの場合、SDカードの読み取りエラーを解決する簡単な方法です。まず、携帯電話またはコンピューターからSDカードリーダーを取り外します。デバイスを再起動してから、カードリーダーを再接続し、読み取れるかどうか確認しましょう。
SDカードをフォーマットする
Windows10でSDカードが認識されない場合、ファイルシステムに問題があるかもしれません。この場合、フォーマットを行うことで問題が解決することがあります。ただし、フォーマットを行うとすべてのデータが消去されるため、事前にバックアップを取ってください。
各メディアごとのフォーマット手順は次の通りです。
- SDカードをPCに接続します。
- 「このPC」を開き、SDカードドライブを右クリックして「フォーマット」を選択します。
- ファイルシステムボックスでNTFS、FAT32、exFATから適切なものを選び、「スタート」をクリックします。
ドライバーを更新する
SDカードリーダーのドライバーが古かったり破損していたりする場合、SDカードが認識されないことがあります。
Windowsのデバイスマネージャーを開き、SDカードリーダーのドライバーを更新または再インストールしてみてください。
Windows10の場合のドライバー更新手順は次の通りです。
- 「スタート」メニューを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。
- SDカードリーダーを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
- 「自動的にドライバーソフトウェアを検索」を選び、更新を実行します。
これらの対処法を試してもSDカードが認識されない場合は、SDカード自体の故障が考えられます。この場合は、専門のデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーでは、より正確な初期診断と見積を無料で受けていただくことが可能です。自力で診断するのが不安な方はぜひご相談ください。
SD カードに新しいドライブ文字を割り当てる
ドライブ文字(ドライブレター)とは、コンピュータのストレージデバイス(例えばSDカードやUSBドライブ)を識別するためのアルファベットです。通常、Cドライブはシステムドライブ、Dドライブは次のストレージデバイスとして認識されます。
ドライブ文字の割り当て手順は次の通りです。
- SDカードをPCに接続します。
- Windowsキー + Rキーを押して「実行」ダイアログを開きます。
- 「compmgmt.msc」と入力してEnterキーを押します。
- 「ディスクの管理」を選択し、SDカードドライブを右クリックして「ドライブ文字とパスの変更」を選択します。
- 新しいドライブ文字を割り当て、「OK」をクリックします。
Windowsの「チェックディスク」を使用して、ファイルシステムを修復
Windows10では、「チェックディスク」(chkdsk)ユーティリティを使用してSDカードのファイルシステムを修復できます。
コマンドプロンプトを開き、「chkdsk [SDカードのドライブ文字]: /f」と入力して実行します。
- 「Windowsマーク」を右クリック→「スタートメニュー」→検索窓を開く
- 「cmb」と入力→検索結果から「コマンドプロンプト」を右クリック
- 「管理者として実行」を選択→コマンドプロンプト画面を開く
- コマンドプロンプト画面上に「chkdsk [SDカードのドライブ文字]: /f」と入力
- しばらく待つ
以上の手順で修復が完了します。
もし、上記の手段でSDカードのエラーや認識不良が解決しない場合、SDカード自体、または使用しているパソコンに深刻な障害が発生している可能性があります。特に前者の場合、一般的な復旧ソフトでは解決が難しく、操作によりデータ上書きや障害の進行を招くリスクがあります。
このような状況に直面した場合は、専門的な設備と高度な復旧ノウハウを持つデータ復旧業者に相談することをお勧めします。プロのデータ復旧業者であれば、短時間で安全にデータを復旧できる可能性があります。一度、専門業者に問い合わせてみましょう。
データが必要な場合は、データ復旧の専門業者に相談する
ここまでで紹介した対処法で解決できない場合・少しでも物理的な障害が疑われる場合はこれ以上の作業は行わず、プロの復旧業者へ相談しましょう。
自力で対処できない障害が発生している際に誤った操作を行い通電することでSDカードに負荷がかかり、復旧業者での復旧も難しくなることもあります。また、物理的な障害が発生している場合は、専門の設備でエンジニアが手作業で復旧作業を行う必要があります。データ復旧業者での作業は動画を参考にしてください。
安全にデータを復旧したい・ご自分での復旧に不安がある場合はプロのデータ復旧業者へ相談しましょう。デジタルデータリカバリーは機器のご郵送も、お持ち込みでのデータ復旧も対応可能です。24時間365日ご相談を受け付けています。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。