パソコンの性能を向上させるためのHDDからSSDに換装・交換する方法はご存じでしょうか。この記事では、換装・交換する手順について詳しく解説します。
さらに、換装や交換に失敗した場合の復旧方法についても紹介しますので、安心して作業を進められます。初心者の方でも簡単に実践できる内容となっておりますので、ぜひご参考にしてください。
目次
HDD / SSDを換装するメリット
SSDはHDDに比べて読み書き速度が速く、OSやアプリケーションの起動時間が短縮され、パフォーマンスが向上します。機械的な可動部品がないため衝撃に強く、動作音がなく静かです。また、消費電力が少なく省電力で、軽量化も図れます。
さらに、最近では大容量モデルも増えており、容量の問題も解決されつつあります。ハードディスクが不調な場合や起動速度を改善したい場合、SSDへの換装は特に有効です。
HDDからSSDに換装する手順
HDDからSSDに換装する手順は次の通りです。
①データのバックアップ
クローン作成やOSのインストール中に予期しないエラーが発生することがあります。このような場合、データが破損したり失われたりするリスクがあります。バックアップがあれば、最悪の事態でもデータを復元できます。まず、重要なデータを外部ドライブやクラウドにバックアップしておきましょう。
②クローン作成
クローンとは、ハードディスク(HDD)の内容を別のドライブ(SSDなど)に完全に複製することを指します。これにより、新しいドライブに対して元のHDDと同じデータ、OS、アプリケーション、設定などがそのまま移行されます。クローン作成は、システムを一から再構築することなく、簡単にドライブの交換やアップグレードを行う手段です。
次に下記手順でクローンを作成します。
- SSDを接続: 外付けHDDケースやSATA-USBアダプターを使って、新しいSSDをパソコンに接続します。
- クローン作成ソフトをインストール: クローン作成ソフトをダウンロードしてインストールします。
- HDDのクローンを作成: クローン作成ソフトを使って、HDDのデータをSSDにクローンします。
③パソコンの分解とHDDの取り外し
次にパソコンの分解とHDDの取り外しを行いましょう。HDDは通常、ネジで固定されているので、適切なドライバーを使用して慎重に取り外してください。この作業は、静電気に注意しながら行うと安全です。
- 電源をオフ: パソコンをシャットダウンし、電源ケーブルを抜きます。
- バッテリーを取り外す(ラップトップの場合): 取り外し可能な場合は、バッテリーを取り外します。
- パソコンを開ける: 適切なドライバーを使ってパソコンの裏蓋を開けます。
- HDDを取り外す: HDDを固定しているネジを外し、慎重に取り出します。
④SSDの取り付け
- 電源を切り、電源ケーブルを抜く。
- パソコンケースを開く。
- HDDは通常、金属製のケースに入った状態で、SATAケーブルと電源ケーブルで接続されています。HDDを固定しているネジを外し、SATAケーブルと電源ケーブルを抜きます。
- 代わりにSSDを固定ネジで固定し、SATAケーブルと電源ケーブルをSSDに接続しましょう。
- パソコンケースを閉じ、電源ケーブルを繋ぎ、電源を入れます。
- ここでOSやデータを移行する。クローン作成ソフトを使用して、HDDのデータをSSDにコピーします。
- 電源を切り、電源ケーブルを抜きます。
- バッテリーを取り外します。(取り外せる機種のみ)
- HDD/SSD収納ベイを開きます。ノートPCによって方法は異なりますが、通常は裏面のネジを外すことで開くことができます。
- HDDを固定しているネジを外し、SATAケーブルを抜きます。
- SSDを固定ネジで固定し、SATAケーブルを接続します。
- HDD/SSD収納ベイを閉じ、バッテリーを取り付けます。(取り外した場合)
- 電源ケーブルを繋ぎ、電源を入れます。
- デスクトップPCの場合と同様に、あらかじめクローン作成ソフトを使用してデータ移行するか、新しいOSをインストールします。
⑤起動ディスクの変更
パソコンを再組み立てし、電源を入れます。次に、BIOSまたはUEFI設定に入り、起動ディスクを新しいSSDに変更します。これにより、パソコンはSSDから起動するようになります。設定を保存して再起動すると、SSDへの換装が完了です。すべてが正常に動作することを確認してください。
- PCの電源を入れるか、再起動します。
- PCの起動時にBIOSセットアップに入るための「F2」あるいは「F10」キーを押します。一般的には以下のキーを使用しますが、PCのモデルによって異なる場合があります。メーカーのロゴが表示されている間、該当するキーを数回押してBIOSセットアップに入ります。
- BIOSメニューに入ったら、キーボードの矢印キーを使用して「Boot」タブに移動します。BIOSのインターフェースによっては、メニュー項目の位置が異なる場合があります。
- 「Boot」タブの中に「Boot Device Priority(起動デバイスの優先順位)」や「Boot Option Priority(起動オプションの優先順位)」といった項目があります。
- ここで、SSDを最初の起動デバイスに設定します。通常、矢印キーでSSDを選択し、F5やF6キーを使ってデバイスの順序を変更します。
- 起動デバイスの順序を変更したら、設定を保存してBIOSセットアップを終了します。一般的には、F10キーを押して変更を保存し、確認プロンプトで「Yes」または「Enter」を押します。
- BIOSから抜けると、PCは新しい設定で再起動します。
データ破損が起きる例
HDDからSSDへの換装は、パソコンのパフォーマンスを向上させる有効な手段ですが、データ破損のリスクも伴います。以下では、主なリスクについて説明します。
大量データコピー時のエラー
大量のデータを一度にコピーする際にエラーが発生することがあります。特に、クローン作成やバックアップ作業中に、システムが負荷に耐えられずエラーが発生すると、一部のファイルが正しくコピーされない可能性があります。
このようなエラーは、データの不完全な転送や破損の原因となり、特定のファイルが開けなくなる、またはシステム全体の動作が不安定になることがあります。
コピー&ペーストでの移行
コピー&ペーストを使って手動でデータを移行する際にも、データ破損が発生することがあります。特に、大量のファイルや大きなファイルを移動する場合、一部のファイルが正しくコピーされないことがあります。
また、コピー中に操作が中断されたり、電源が切れたりすると、データが不完全な状態で保存されることになり、破損のリスクが高まります。
HDDからSSDに換装・交換が失敗したときの復旧方法
SSDへの換装や交換が失敗し、データが消失した場合には、以下の方法でデータを復旧することができます。状況に応じて適切な方法を選択してください。
データ復旧・復元ソフトを使用する
データ復元ソフトを使用することで、消失したデータを自力で復旧することが可能です。市販されている多くのデータ復元ソフトウェアは、HDDやSSDから削除されたファイルをスキャンし、復元する機能を備えています。
ソフトウェアの使用方法は比較的簡単で、インストール後に指示に従ってスキャンと復元を行うだけです。しかし、データ復元ソフトには対応できる幅が限られており、特定のデータ形式や重度の破損には対応できないことがあります。また、復元されたデータが文字化けしてしまう、または一部のファイルが正しく開けないなど、復旧が不完全な場合もあります。重要なデータが保存されている場合はデータ復元専門業者に依頼することをおすすめします。
データ復旧・復元専門業者に依頼する
失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復元業者では、復元ソフトでは対応できない重度の論理障害からのデータ復元・復旧が可能です。
データ復元ソフトでは、文書のみのファイルや音声のみのファイルなどの少量かつ簡単なデータにしか対応できず、動画や写真などの重いデータには対応できませんでした。
データ復旧業者では、データの破損個所・原因を正確に特定し最適な復旧方法で復旧することが出来ます。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。