データを誤って上書きした場合でも焦らず冷静に対処することが重要です。上書きされたデータでも迅速かつ適切な対応が、データ復元の成否を分けます。
この記事では、上書きしたデータの復元方法を詳しく解説します。新しいデータの保存やシステムのシャットダウンなどは避け、上書きのリスクを最小限に抑えておきましょう。
復元パターン①:同じファイル内での上書きは「バージョン履歴」を利用する
WordやExcelで誤ってデータを上書きした場合、バージョン履歴を利用することで元のデータを復元できる可能性があります。ただしバージョン履歴を利用するには、自動保存の設定を有効にして作業中の編集履歴が自動的に保存される必要があることに留意しましょう。
Wordの場合
Wordのデータ復元の場合、以下に具体的な手順を示します。
- ファイルを開く: 上書きしてしまったWordファイルを開きます。
- バージョン履歴を確認: メニューから「ファイル」を選択し
- 「情報」をクリックします。次に「バージョン履歴」を選択します。
- 復元したいバージョンを選択: 表示されたバージョンの中から復元したい日時のものを選び、「復元」をクリックします。
Excelの場合
Excelのデータ復元の場合、以下に具体的な手順を示します。
- ファイルを開く: 上書きしてしまったExcelファイルを開きます。
- バージョン履歴を確認: メニューから「ファイル」を選択し
- 「情報」をクリックします。次に「バージョン履歴」を選択します。
- 復元したいバージョンを選択: 表示されたバージョンの中から復元したいものを選び、「復元」をクリックします。
Adobeデータの場合
Adobeデータの場合には自動保存機能があり、一定間隔でファイルコピーを保存します。例えばAcrobatデータの場合、通常は以下のディレクトリに保存されています。
- Windows:
C:\Users$$ユーザー名]\AppData\Roaming\Adobe\Acrobat$$バージョン]\AutoSave
- Mac:
~/Library/Application Support/Adobe/Acrobat/[バージョン]/AutoSave
上記から自動保存ファイルを開き、必要なデータを復元しましょう。
ただし上記の解決方法は、あくまでも一般的なものです。これら手順を試しても正しく認識されない場合は無理に自分で解決しようとせず、専門家に相談することをおすすめします。
復元パターン②:異なるファイル内で上書きは「OSのバックアップ機能」を利用する
異なるファイル内で上書きしてしまった場合、MS製品のバージョン履歴は利用できません。ここではまずOSのバックアップ機能を利用する復元方法をご紹介いたします。
Windows10で外付けHDDのデータが消えた場合の対処法はこちら
Windows10/11の場合
Windows 10/11では、誤ってファイルを上書きした場合、「ファイル履歴」機能を使って復元できることがあります。
この機能はファイルのバックアップを自動保存するため、失う前のバージョンを簡単に復元することが可能です。ただし、あらかじめ機能がオンにされていないと履歴は保存されないので注意してください。
- デスクトップ画面左下のスタートボタンから「設定」を開く
- 「設定」内の「更新とセキュリティ」を開く
- 「更新とセキュリティ」で開いたウインドウから「バックアップ」を開き、表示されたファイル履歴の操作画面から「その他のオプション」をクリックする
- 「その他のオプション」で開いたバックアップオプションから一番下にある「現在のバックアップからファイルを復元」をクリックする
- ファイルの履歴が表示されたら復旧したいファイルを選択し下の緑色の復元ボタンでファイルを復元する
Windows 8の場合
Windows8では「以前のバージョンを復元」機能から復元を行うことができます。
- スタートメニューの検索欄から復元したいファイルを検索する
- ファイルが見つかったらそのファイルを右クリックする
- ②の右クリックで表示された「以前のバージョンの復元」をクリックしする
- 「以前のバージョン」の欄を確認し、復元したいファイルをクリックして復元を行う
Windows 7の場合
Windows 7の場合も8と同様に「以前のバージョンを復元」機能から復元をします。
- スタートメニューを開いて現在ログイン中のユーザー名をクリックする
- ログイン中のユーザーが使用しているフォルダ、ファイルの一覧が表示されたら復元したいファイルが入っているフォルダを開く
- フォルダから復元したいファイルを探し右クリックする
- ③の右クリックで表示された「以前のバージョンの復元」をクリックする
- 過去履歴から遡りたい時期を選択し「開く」ボタンをクリックする
【Mac】Time Machineで上書きされたデータを復元する
TimeMachineとは、Mac独自のバックアップ作成機能です。Time Machineで上書きされたデータを復元する方法は以下の通りです。
- 「アプリケーション」フォルダの「ユーティリティ」から移行アシスタントを開く
- 情報の転送方法を確認する画面で、「Mac、Time Machine バックアップ、または起動ディスクから」を選択し、「続ける」をクリック
- Time Machine バックアップを選択し「続ける」をクリック
- リストからバックアップを選択して「続ける」をクリック
- 転送する情報を選択し、「続ける」をクリックすると、データが復元される
【Mac】オートセーブ機能を利用する
Macでは、ファイルが自動的に上書き保存されるオートセーブ機能が搭載されています。
データのコピーはMacに保存されるため、適切な操作を行えば復元できる可能性があります。
オートセーブ機能で上書きされたデータを復元する手順は以下の通りです。
- Macで上書きしたファイルやソフトを開く
- アップルメニューのファイルタブから「バージョンを戻す」にカーソルを合わせ、「すべてのバージョンをブラウズ」をクリック
- タイムラインのチェックマークをクリックし、上書きされたデータを探す
- 復元したいデータのバージョンと内容を確認して、「復元」をクリック
- 復元したいファイルを保存する場所を指定して保存する
復元パターン③:上記の方法を試しても復元出来なかった場合
上記の方法を試しても復元出来なかった場合、下記2パターンの復元方法があります。状況に応じて最適な復元方法を選択してください。
- データ復元ソフト
- データ復旧業者に依頼する
データ復元ソフト
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
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初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
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よくある質問
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弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。