日常の様々な場面で使用されているUSBメモリ。非常に便利な記憶媒体ですが、寿命があるということは意外と知られていません。
実はUSBメモリの寿命は平均で3年程度と言われています。
USBメモリの寿命が近づくと、「一部の保存データが破損する」「保存したデータ自体が消える」といった症状が発生します。
そして寿命を迎えた瞬間に前触れなくデータが完全に消えてしまいます。
この記事では、USBメモリが寿命を迎えたときに起こる症状や、その復旧方法ついて詳しく解説していきます。
目次
USBメモリに寿命がある理由
USBメモリには「フラッシュメモリ」と呼ばれる記憶装置が使われていて、電気を流してデータを消したり書き換えたりできます。
このフラッシュメモリの中には、データを保存するための「NAND型フラッシュメモリ」が使われており、いくつかの層で構成されています。データの書き込みを繰り返すことで、この構造が少しずつ劣化し、やがてデータを正しく保存できなくなることがあります。これがUSBメモリの「寿命」と呼ばれるものです。
大事なデータを失わないためには、こまめにバックアップを取ることが重要です。もしUSBメモリのデータが消えてしまった場合、自分で復旧を試みるのは難しいことが多いため、専門のデータ復旧業者に依頼することをお勧めします。
USBメモリの種類
USBメモリは一般的に寿命が約3年とされていますが、「書き込み可能回数」によって寿命が左右され、USBメモリの種類によって異なります。USBメモリの種類は以下の3つです。
USBメモリ使用中にデータ障害が頻発する場合の対処法はこちら
SLC(シングルレベルセル)
SLCとは、シングルレベルセル(Single Level Cell)の略称です。
USBメモリの中で最も寿命が長い分値段も高くなりますが、耐久性に優れ、書き込み可能回数は約10万回です。膨大なデータの読み書きに向いているため仕事などで使用する場合に適しています。
注意点として、SLCのUSBメモリが出回っていることは少なく、仮にSLCのUSBメモリが安い価格で販売されている場合には偽物の可能性もあります。
MLC(マルチレベルセル)
MLCとは、マルチレベルセル(Multi Level Cell)の略称です。
SLCに比べて寿命は短いですが比較的安価という特徴があります。書き込み可能回数は約1万回と、一般的な使用には十分耐えられます。ビジネス用途としてもライトな使用であれば適しています。
TLC(トリプルレベルセル)
TLCとは、トリプルレベルセル(Triple Level Cell)の略称です。
3種類の中で最も寿命が短く価格も最も安いことが特徴で、一般的な市販の価格が安いUSBメモリはTLCであることが多いです。
書き込み可能回数は約500~1,000回です。膨大なデータを読み書きする作業やビジネスにはあまり向いていないため注意しましょう。
USBメモリが寿命を迎えたときに起こること
実際にUSBメモリが寿命を迎えてしまうと何が起こるのでしょうか。
USBメモリが寿命を迎えてしまうと、以下の不具合が生じることがあります。
保存されているデータの破損
まず寿命を迎えたときに起こる症状が、保存されているデータの破損です。
USBメモリに保存したデータを開いたときに下記の症状がみられる場合は、USBメモリが寿命を迎えている・もしくは寿命が近づいている可能性が考えられます。
- データが文字化けする
- データのレイアウトが崩れる
- 入力したはずのデータが消える
- 画像データの一部が読み込めない
- 画像データの全体が乱れている
- 音声データを再生しても途中で止まってしまう
「読めなくなった文書や、映らなくなった写真を修復したい…」という方は、まずはデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
USBメモリのデータやファイル名が文字化けしている方はこちら
データの書き込み・読み込みができなくなる
また、上記のようなデータ破損の他に、データの書き込みや読み込みができなくなってしまうケースもあります。
- 書き込みをしても保存されない
- 書き込み自体はできるが、保存されたデータが破損している
- 保存したデータを読み込めない
- 保存したはずのデータが消えている
以上の症状が発生した際も一人で悩まずに、データ復旧業者に相談し、異常の原因を調べてもらいましょう。
寿命を迎えていなくても、USBメモリは長期間通電せずに放置しているとデータが消失してしまう可能性があります。大切なデータをUSBメモリに保存しているなら、定期的に通電してデータを書き換えるようにしておきましょう。
もしUSBメモリに保存しているデータが消えてしまったという方は、データ復旧業者へ相談することをおすすめします。
寿命を迎えたUSBメモリのデータを復旧する方法
USBメモリが寿命を迎えてしまい、データが見れなくなってしまった時の対処法を紹介します。前兆なくデータを消失してしまうことは、存外起きうるのでぜひ参考にしてください。
データ復旧業者に依頼する
寿命を迎えたUSBメモリのデータを復旧する最も安全な方法は、データ復旧専門業者に依頼することです。フラッシュメモリの劣化によりデータが失われたり破損した場合、不用意に自分で復旧を試みるとさらに状況が悪化することがあります。
専門業者は高度な技術と設備を使用して、安全かつ効果的にデータを復旧することができます。大切なデータを守るためにも、迅速に専門家に相談することをお勧めします。
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USBメモリを長く安全に使うためには
ここまでUSBメモリの種類や寿命を迎えたときに起こる症状について詳しく解説してきました。
ここでは簡単なUSBメモリを長く安全に使うためのポイントを紹介します。
- USBメモリを接続したままパソコンなどを使用しない
- 使用頻度を減らす
- 正しい手順で取り外す
- 適切な環境で保管する
上記のポイントを徹底すれば寿命が劇的に延びるといった類のものではありませんが、すぐに壊れてしまうことは極力防ぐことが出来ます。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。