削除されたメールを復旧・復元する方法は、状況によって異なります。ゴミ箱から誤って削除した場合、期間内であれば、ユーザー自身でゴミ箱から復元できます。しかし、復旧を試みる前に、デバイスの使用を最小限に抑え、データの上書きを防ぐことが大切です。
迅速な対応が復旧の可能性を高めるため、メールデータの消失に気づいたら、すぐに適切な方法で復旧を試みることが重要です。
この記事では「ゴミ箱から誤って削除した」場合から「ローカル保存したメールが消えた」場合の復元方法など解説します。
目次
削除したメールは取り戻せるのか?
削除されたメールは通常、ゴミ箱やアーカイブフォルダに一定期間保存されます。期間内であれば簡単に復元できますが、完全削除されたメールの復元は難しいです。
重要なデータが含まれている場合、データを確実に取り戻すには、データ復元の専門家に相談するのが最も安全かつ確実な復元方法です。
デジタルデータリカバリーでは、経験豊富なエンジニアと、累計41万件以上のご相談実績(*期間:2011年1月1日以降)から算出されたデータをもとに、他社様でデータ復旧不可能とされた機器でも、経験豊富なエンジニアが、高い精度での復旧を実現しています。
まずは復旧専門のアドバイザーへご相談ください。相談から初期診断・お見積りまで365日24時間体制で無料でご案内しています。
①ウェブメールサービスを利用していてゴミ箱から誤って削除した場合
例えば、Gmailなどのウェブメールサービスでは、削除されたメールは一時的にゴミ箱に保存されます。通常、削除後30日間はゴミ箱にメールが残るため、この期間内であればユーザー自身で簡単に復元することが可能です。
ここからは下記サービスの復元手順をご紹介します。
ただし、メールを削除してからゴミ箱を空にすると、メールは完全に削除され、復元できなくなります。メールを削除した直後であれば、すぐに復元するようにしてください。
Gmailの復元手順
Gmailを誤って削除した場合、以下の手順でメールを復元することができます。
- Gmailにログインします。
- 左側のメニューから「もっと見る」→「ゴミ箱」をクリックします。
- 復元したいメールの横にあるチェックボックスをオンにします。
- 上部の「移動」ボタン(矢印付フォルダのアイコン)をクリックします。
- スクロールバーが出てくるので、復元したいメールの移動先を選択します。
- 「移動」をクリックします。
管理コンソールから Gmail のデータを復元する方法
メールは削除から30日後、ゴミ箱から完全に削除され、復元できなくなりますが、ゴミ箱から削除後も25日間は「管理コンソール」でメールを復元することができます。
以下は、Google管理コンソールからGmailデータを復元する手順の箇条書きです。
- admin.google.comにアクセスして管理者アカウントでログインします。
- メニューアイコンをクリックし、”ディレクトリ”を選択します。
- “ユーザー”を選択します。
- ユーザーリストから目的のユーザーを探します。
- 対象のユーザーにカーソルを合わせ、”その他のオプション”をクリックします。
- “データを復元”を選択します。このオプションは、ユーザーアカウントページの左側にある”その他”アイコンからも選択できます。
- 復元するデータの対象期間を選択します(過去25日以内)。
- 復元するデータの種類(Gmail)を選択します。
- “復元”をクリックします。
Vault からデータを取得する
Google Vaultを使用している場合には、経過日数が25日を超えてからであってもデータを復元できる可能性があります。ただし、保持ルールまたは記録保持(リティゲーション ホールド)の対象となっているデータ以外は復元することができません。
また、Gmail アカウントに直接データを復元することはできないため、データをメールで復元したい場合には業者に相談するのが一番です。
Yahoo!メールの復元手順
Yahooメールを削除した直後であれば、次の手順で復元することができます。
- Yahooメールのウェブサイトにアクセスし、ログインします。
- 左側のメニューから「ゴミ箱」をクリックします。
- 復元したいメールにチェックを入れます。
- 「移動」ボタンをクリックし、受信箱を選択します。
- 「移動」ボタンをクリックします。
これで、削除したメールが受信箱に復元されます。なお、Yahooメールを誤って完全に削除した場合、Yahooヘルプページから復元リクエストを送信することができます。ただし、リクエストを送っても、必ずしも復元できるわけではないことにご留意してください。
Microsoft Exchangeの復元手順
Microsoft Exchangeは、マイクロソフトが開発したグループウェア/電子メール製品であり、メール・予定表・連絡先・ファイル共有・チャットなどの機能を提供しています。
誤ってMicrosoft Exchangeメールを削除した場合、以下の手順で復元できます。
- Exchange Admin Centerにログインします。
- [受信者] タブをクリックします。
- 削除されたメールが含まれているメールボックスを選択します。
- [削除済みアイテム] タブをクリックします。
- 復元するメールを選択します。
- [復元] をクリックします。
Outlookで削除されたメールを回復する
Outlookをメールクライアントとして使用している場合、削除されたアイテムを「削除済みアイテム」フォルダまたは「回復可能なアイテム」フォルダから回復できます。
>消えてしまったOutlookのメールを復旧・復元する方法はこちら
auメールの復元手順
バックアップを取っていなくても、auの「Webメール」を利用すれば、過去30日間のauメールを閲覧できます。なお、メールサーバーの上限容量は200MBしかないため、それを超えるとメールが古い順から削除されます。
auの「Webメール」からメールを復元する手順は次のとおりです。
- auのWebメールログインページにアクセスし、「ログイン」をクリック
- auIDとパスワードを入力し、ログインする(auIDがない場合は利用登録
- ログイン後、過去30日間のauメールを閲覧できます
iPhoneのキャリアメールの復元
iPhoneのキャリアメールの削除したデータの復元をしたい場合には、iPhoneの機能でデータを復元することが可能な場合があります。以下の3つの方法で、データが保存されている場合には復元することができます。
iTunesバックアップから復元
削除してしまったデータがiTunesの機能の一つのバックアップに保存されている場合には、データ復元できる可能性があります。
ただし、この方法はすべてのデータがバックアップ時点に戻ります。バックアップ時点以降のデータは削除されるので、事前に別途バックアップを取ってから試すようにしましょう。
- PCでiTunesを開く(スマホのメールデータの場合はPCにUSBケーブルで接続する)
- デバイスアイコンをクリックして、「バックアップを復元」をクリックする
iCloud同期から復元
iCloudの同期データから削除したデータを復元することができます。事前にiCloudと同期している必要があります。
- iCloudにアクセスして「Apple ID」と「パスワード」を入力する
- 「メール」から「ゴミ箱」を選択し、削除したデータを確認する
- 復元したいデータがあれば選択し、上部のフォルダアイコンをクリックする
- 復元先を選択しデータが復元される
PhoneRescue for iOSを利用して復元
メールだけをiPhoneに復元したい場合には、iOSデバイス用のデータ復元ソフト「PhoneRescue for iOS」を利用してデータを復元できる可能性があります。
- iPhoneをパソコンに接続して「PhoneRescue for iOS」を起動
- ホームから「iOSデバイスからリカバリー」をクリック
- 復元したいデータを選択して「OK」をクリック
- 復元可能なデータが表示される
- 復元したいデータを選択し、右下の「スマホへ」&「パソコンへ」をクリック
ただし、無料版ではデータ復元が不可能です。また、有料版ソフトでもメールデータを復元するのは難易度が高く、試すことで状態が悪化する可能性があります。データ復元ソフトの使用は控えてデータ復旧業者へ相談しましょう。
②ローカル保存したメールが消えた場合:メールクライアントのバックアップを利用する
Outlookなどのメールクライアントを使用している場合、ローカルに保存したメールデータが消えてしまうことがあります。この場合、事前にバックアップを取っていれば、pstファイル(Outlookデータファイル)から復元することが可能です。
- Outlookを開く:Outlookを起動します。
- ファイルメニューを選択:左上の「ファイル」タブをクリックします。
- Outlookデータファイルを開く:「開く」→「Outlookデータファイル」を選択します。
- バックアップファイルを指定:バックアップとして保存していたpstファイルを選択して開きます。
- メールを復元:開かれたデータファイルから目的のメールを選択し、適切なフォルダに移動します。
③バックアップがない場合:データ復元ソフトを使ってメールを復元する
確実にデータ復旧を行う場合はデータ復旧の専門家まで相談する
データ復旧のプロはファイル構造を解析し、バイナリデータを修復して復元します。データ消失のリスクを最小限に抑え、確実にデータを取り出すためにも、自己診断や修復を試みず、速やかに専門家に相談することが重要です。
私たちデジタルデータリカバリーでは破損したファイル構造を解析し、バイナリデータを修復して復元します。これにより、復元ソフトで対応できない物理障害や重度の論理障害からデータを復元でき、正確な初期診断で故障原因の特定が可能です
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、当社では経験豊富な技術者が41万件以上の相談経験(算出期間:2011年1月1日~)をもとに「初期診断」を行い、障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
機器別エンジニアによる、無料の初期診断も行っていますので、お気軽にご相談ください。365日24時間体制で電話受付を行っており、今後の対応方法を無料でご案内いたします。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。