パソコンの操作中に「ディレクトリ名が無効です」とエラーメッセージが表示された場合、ファイルのディレクトリや名前にシステム上使用不可な文字を使用している、あるいはパソコンや外部デバイスとして使われる、内蔵外付けHDD/SSDが劣化や破損している深刻なケースも考えられます。
本記事では、「ディレクトリ名が無効です」というエラーの意味や原因に加え、さまざまな対処法について解説します。
目次
「ディレクトリ名が無効です」の意味とは
ディレクトリとはコンピューター上のファイルやデータを格納できる入れ物を指します。
「ディレクトリ名が無効です」とエラーメッセージが表示されるのは、主に特定のディレクトリ(フォルダ)の名前やパスが無効な形式であることを示しています
これは、ファイル名やフォルダ名の文字数制限に違反した場合などすぐに修正可能なものから、データを保存する記憶媒体の破損など深刻なものまで原因は様々です。
「ディレクトリ名が無効です」と表示される原因
「ディレクトリ名が無効です」と表示される主な原因を一覧にすると以下の通りです。
- デバイス同士の接触不良
- デバイス本体の故障
- 使用できない文字や記号、予約語(システムで特別な意味を持つ単語)がファイル名やフォルダ名に含まれている
- ファイル名やフォルダ名がシステムの文字数制限を超えている
- ファイル名やフォルダ名にスペースが不適切に使われている
- ウイルスやマルウェアの影響
- ファイルパスとして無効な文字列が含まれている
- パソコンのファイルシステムが破損した
- HDD/SSDにバッドセクタが発生した
- PCなどの内蔵HDDやSSDのファームウェアにエラーやバグが発生した
PCがブルースクリーン(青い画面)になった時の原因と対処法は、下記の記事でも詳しく解説しています。
原因について補足すると、バッドセクタとは物理的な破損によってHDD/SSDのデータを格納する領域内のデータにアクセスできなくなる現象です。
またファームウェアとはパソコンなどの電子機器の回路や装置などの基本的な部品を制御する重要なソフトウェアの一種です。ファームウェアが破損すると最悪の場合、起動できずデータを取り出すことが困難になります。
「ディレクトリ名が無効です」と表示される原因のうち機器同士の接触不良や、不適切なファイル・フォルダ名が原因であれば、機器の再接続やシステムに適したファイル名を付けることで解決できることがあります。
しかし、パソコンや外付けの記憶媒体のバッドセクタやファームウェア破損が原因の場合、内蔵・外付けの記憶媒体が物理的に破損しているため、専門的な復旧作業用のツールとデータの破損箇所の特定を膨大なデータの中から行う必要があります。
「ディレクトリ名が無効です」エラーを解消してデータを復旧させたい場合は、データ復旧に関する高度な技術力を持ったデータ復旧業者に相談しましょう。
「ディレクトリ名が無効です」とエラーが表示された場合の対処法
「ディレクトリ名が無効です」とエラーが表示された場合、軽度のシステムエラーが原因であれば、パソコンの機能を使用して自力でエラーを解消することができます。
「ディレクトリ名が無効です」とエラーが表示された場合、以下の対処法を試してみましょう。
パソコンを再起動する
パソコンを操作していて異音や不良セクタが発見されていない場合、パソコンを再起動してみましょう。ただし再起動には負荷がかかるため、「スタートメニュー」から電源ボタンをクリックして「再起動」するか、「Ctrl+Alt+ Delete」を同時押しして「画面右下の電源ボタン」から再起動する方法があります。
ドライバーの再インストールを行う
「ディレクトリ名が無効です」と表示される場合、デバイスのドライバーが古いか壊れている可能性があるため、ドライバーの再インストールを行いましょう。
ドライバーの再インストールを行う方法は以下の通りです。
- スタートメニューから「デバイスマネージャ」と検索し、該当するアプリを開く
- デバイスマネージャで、マークが表示されているドライバーを再インストールする必要のあるデバイスを探す
- 問題のあるデバイスを右クリックし、メニューから「アンインストール」または「削除」を選択
- ドライバーがアンインストールされたら、デバイスマネージャーの「デバイス」をクリックし、メニューから「ドライバーソフトウェアの更新」を選択
- 「コンピューターを自動的に検索」または「コンピューター上の利用可能なドライバーを参照」を選択
- 適切なドライバーを発見したらインストールを行う
Windowsを最新版にアップデートする
WindowsOSを最新版にアップデートすることで、バグの修正や最新のシステムとの互換性が向上するため、「ディレクトリ名が無効です」とエラーが発生する確率も減少します。
Windowsを最新版にアップデートする方法は以下の通りです。
- パソコンのタスクバー左下の「スタート」ボタンを押す
- スタートメニューから「設定」アイコンをクリックする
- 設定から「更新とセキュリティ」を選択する
- 左側のメニューにある「Windows Update」をクリックする
- 「アップデートの確認」ボタンをクリックすると、利用可能なアップデートが表示される
- ダウンロードボタンをクリックしてWindowsが最新版にアップデートされるのを待つ
アップデート完了後はパソコンの再起動を求められることがあるので、再起動しましょう。
https://www.ino-inc.com/data_check/pc/doesnotstoprestart.php
Tempフォルダを作成する
Temp フォルダとは一時的なファイルやデータを保存するためのディレクトリ、またはフォルダを指します。
Tempフォルダを作成し、一時ファイルの保存場所として指定することで、エラーを回避できる場合があります。
Tempフォルダの作成方法は以下の通りです。
- 「Windowsキー」 と「Rキー」を同時押しして「実行」ダイアログボックスを開く
- ダイアログボックスに「%temp%」と入力し、「OK」をクリックするとTempフォルダが作成される
- Tempフォルダが開かれたら、新しい一時フォルダを作成するために、右クリックして「新規」を選択
- 「フォルダ」をクリックすると新しいフォルダが作成されるため、名前を設定する
ドライブ文字を変更する
複数のデバイスでドライブ文字が競合している場合も「ディレクトリ名が無効です」と表示されます。この場合は各デバイスのドライブ文字を手動で変更するとエラーが解消されます。
- スタートメニューから「コントロールパネル」を検索
- コントロールパネルを開いたら「システムとセキュリティ」をクリックる
- 「管理ツール」→「コンピューターの管理」の順でクリックする
- 画面左側にある「ディスクの管理」をクリックするとデバイスの一覧が表示される
- 一覧から競合しているデバイスを探して右クリックする
- 「ドライブ文字とパスの変更」を選択し、新しいドライブ文字に変更する
- 新しいドライブ文字を選択したら「OK」を押して設定を適用させる
ただし無暗にドライブ文字を変更すると、システムが不安定になることがあります。自力で「ディレクトリ名が無効です」エラーを解消しようとして状況が悪化した場合は、データ復旧業者に相談すると、機器から保存データを取り出せる場合があります。
ユーザーアカウント制御を無効に設定する
「ディレクトリ名が無効です」と表示された際にユーザーアカウント制御を無効に設定することで、エラーを解消することができることがあります。
ただしセキュリティ面が弱くなるといったデメリットもあるため注意が必要です。
パソコンでユーザーアカウント制御を無効に設定する方法は以下の通りです。
- デスクトップ画面左下の検索欄に「UAC」と打ち込み、検索する
- 検索結果に「ユーザーアカウント制御設定の変更」を選択
- 「ユーザーアカウント制御の設定が」表示されたら、スライダーを一番下の(通知しない)までスライドする
- 「OK」ボタンを押して、変更を保存する
コマンドプロンプトの初期フォルダを変更する
パソコンのエラーを自動修復できるコマンドプロンプトの操作中においても「ディレクトリ名が無効です」とエラーが表示されることがあります。
- スタートメニューの検索欄に「cmd」と入力し、「ファイルの場所を開く」をクリックする
- Windowsシステムツールが表示されたら「コマンドプロンプト」を右クリックする
- 「プロパティ」を選択すると、ショートカットタブの画面に移動する
- 「作業フォルダー」欄の値を「%WINDIR%」に変更して「適用」をクリックし、変更を保存する
USB/CD/DVDでディレクトリ名が無効ですと表示された場合の対処法
前章では主にパソコンの内蔵HDD/SSDや外付けHDD/SSDの使用を想定した対処法を紹介しましたが、本章ではUSBメモリ・CD/DVDといった機器の使用中に「ディレクトリ名が無効です」と表示された場合の対処法を紹介します。
パソコンと外付け機器の再接続を試す
外付け機器を使用している場合、正しく接続されているか確認しましょう。接続が甘い場合や、間違った場所に接続している場合があります。
外付け機器を別のパソコンに接続する
外付け機器を別のパソコンに接続してみることで、外付け機器にエラーの原因があるのか、パソコン側に原因があるのか調べることができます。
エクスプローラーからデバイスを直接開く
デバイスのドライブ文字やパスが変更された場合、ショートカットからデバイスを起動させる際に「ディレクトリ名が無効です」エラーが表示される場合があります。
このような場合、デスクトップ画面下の「エクスプローラ」(黄色いファイルのアイコン)からデバイスを開くとエラーが解消できる場合があります。
CD/DVDドライブを再度有効に設定する
CD/DVDドライブが無効になっている場合、エラーが発生することがあります。コントロールパネルからドライブを有効に設定し、再度試してみてください。
- スタートメニューから「デバイスマネージャー」を検索して開く
- 「DVD/CD-ROM ドライブ」または「ディスク ドライブ」を展開する
- DVD/CD-ROM ドライブを右クリックしてメニューを開く
- ドライブが無効になっている場合、「有効にする」を選択する
デバイスドライバーをアンインストールする
エラーメッセージ「ディレクトリ名が無効です」が表示されている場合、デバイスのドライバーや関連設定が破損した可能性があります。
デバイスのアンインストールを行うと、破損したドライバーの設定情報や、一時ファイルがクリーンアップされるため、ドライバーの問題を解決できることがあります。
デバイスドライバーをアンインストールする方法は以下の通りです。
- スタートメニューから「デバイスマネージャ」を検索
- デバイスマネージャウィンドウで、問題があるデバイスを探し、展開する
- 問題のデバイスを右クリックしてメニューを開く
- コンテキストメニューから「アンインストール」または「ドライバーソフトウェアをアンインストール」を選択する
- 確認ダイアログボックスが表示された場合、アンインストールを確認するために「はい」をクリックする
- デバイスが正常にアンインストールされると、デバイスマネージャウィンドウからそのデバイスが削除される
- アンインストールが完了したら、デバイスを再度接続します。Windowsは再認識し、必要に応じて新しいドライバーをインストール
デバイスをアンインストールしてもパソコンに保存されたファイルなどは消去されません。ただし記載した対処法を全て試しても「ディレクトリ名が無効です」と表示される場合は、パソコンやUSBメモリ、CD/DVDが物理的に破損したか、データ上書きの進行など複雑なシステムエラーが発生している可能性が高いです。
その場合、パソコンの修復ツールや市販のデータ復旧ソフトではかえって状態が悪化しかねないため、復旧用の設備環境や高度な技術力を持ったエンジニアが在籍しているデータ復旧業者まで相談しましょう。
「ディレクトリ名が無効です」エラーを自力で解決できない場合の対処法
「ディレクトリ名が無効です」エラーを自力で解決できない場合、
市販の復旧ソフトを使用する
データ復旧ソフトの中には消えたデータを復旧するだけでなく、「ディレクトリ名が無効です」をはじめとするエラーの原因となっているシステムエラーを修復できるものもあります。
しかし、市販の復旧ソフトで修復可能な障害の範囲は、誤削除や破損が軽度のデータファイルの復旧にとどまります。
「ディレクトリ名が無効です」といったエラーメッセージが発生する原因の中には、経年劣化や強い衝撃などによって物理的に記憶媒体(HDD/SSDなど)が破損してしまうことも含まれます。
物理障害と呼ばれる記憶媒体の破損によって見れなくなったデータは、復旧ソフトで復旧ができません。
メーカー修理に出すとデバイスの保存データは消えてしまうため、より専門的な技術で復旧作業を行うデータ復旧業者に相談する必要があります。
データ復旧業者に相談する
パソコンの中に失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復旧業者では、復元ソフトでは対応できない物理障害や、重度の論理障害からのデータ復元・復旧が可能です。
これまで紹介してきた自力で可能な対処方法は、ごく「軽度のシステムエラー」しか対応できず、データの上書きなどの「中高度のシステムエラー」あるいは経年劣化を含むパソコンの内蔵HDD/SSDの破損による障害には対応できませんでした。
データ復旧業者では、パソコンに発生している症状を元に、エンジニアによる正確な初期診断を行い、故障原因の特定が可能です。プロが対応するため、データ復旧に失敗するリスクを抑えることができます。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで、無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
はじめてのデータ復旧業者は【技術力の高さ】で選ぶ
データトラブルの際、一番頼りになるのがデータ復旧業者です。しかし、初めてデータ復旧業者に依頼するとなると、どこに依頼したらいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
データ復旧業者を選ぶときの最大のポイントは、【技術力の高さ】です。
データ復旧は手術と同様、何度もできるものではありません。失敗してもやり直しがきくものではなく、繰り返すたびに復旧率が下がっていくので、最初の対応が復旧率を握るカギとなります。もし絶対に取り戻したい大切なデータがあれば、確かな技術力を持つ業者に依頼すべきでしょう。
技術力が高いデータ復旧業者を選ぶ3つのポイント
全国100社以上あるといわれるデータ復旧業者の中で技術力が高く、信頼できる業者を選ぶ3つのポイントを解説します。おさえておくべきポイントはこちらです。
- POINT:1 復旧実績や復旧率が数字で明記されている
- POINT:2 他社で復旧できなかった機器からも復旧実績がある
- POINT:3 復旧ラボを公開し、自社内に復旧設備を揃えている
POINT:1 復旧実績や復旧率が数字で明記されている
復旧実績や復旧率は、多くの場合、公式Webサイトで確認できます。特に実績が誰が見ても客観的に判断できる「数字」で明記されている企業は、信頼性が高いと言えます。
データ復旧業者の中には、明確な根拠数字を記載していないケースもあります。そのような業者は技術力を有していない可能性があるため、信頼できる業者とは言い難いです。
「国内最高レベル」など、曖昧な言葉のみで具体的な復旧実績について公開していない業者もあるため、過去の実績についてしっかり確認するようにしましょう。
POINT:2 他社で復旧できなかった機器からも復旧実績がある
「メーカーや他のデータ復旧業者で復旧できなかった機器から復旧実績がある業者」は技術力が高いと言えます。官公庁、国立大学法人、上場企業の復旧件数が多い業者も、信頼がおけます。
データ復旧は、機器の種類や障害の程度によって難易度が異なります。業者によって対応できる障害レベルにも差があるため、技術力の低い業者に依頼すると、復旧に失敗するリスクがあります。
他社で復旧できなかった機器でも復旧実績のある業者は、高難度の障害に対応している、技術レベルの高い業者と言えます。
POINT:3 復旧ラボを公開し、自社内に復旧設備を揃えている
データ復旧の業者の中には、自社で復旧作業を行なわず外注したり、自社内に専用設備を持たない業者も存在します。
そのような業者に依頼してしまうと、誤った処置が行われ、大切なデータを失う可能性があります。
復旧ラボを公開し、見学を受け付けている業者であれば、自社内できちんと復旧作業を行なっていることがわかるので安心です。
国内で復旧ラボを構えている業者は限られています。Webサイトの情報だけではわからないことも多く、実態を知るには直接ラボの様子を確認するのが一番安心です。
データ復旧は「デジタルデータリカバリー」にお任せください
当社はデータ復旧専門業者 14年連続データ復旧国内売上No.1(※)として多くのお客様に選ばれ続けています。そして技術力が高く、信頼できる業者を選ぶ3つのポイントをすべて満たしており、自信を持ってデータ復旧の作業をさせていただきます。
※データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと
※第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(集計期間:2007年~2020年)
- POINT:1 復旧実績や復旧率を数字で公開しています
- POINT:2 他社で復旧不可からも多数復旧に成功しています
- POINT:3 復旧ラボをすべて公開・自社内設備で復旧しています
POINT:1 復旧実績や復旧率を数字で公開しています
当社はデータ復旧国内トップクラスの実績を誇っており、復旧率最高値 95.2%(※1)の技術力をもって、あらゆるメディアからのデータ復旧に対応しています。また、官公庁や国立大学法人・上場企業を含めた、日本中のお客様のデータの復旧に対応しており、累計41万件以上のご相談実績(※2)があります。
しかし残念ながら、データ復旧業者の中には技術力が低いにも関わらず、「我々は高い技術力を持っています」など、明確な数字を出さずに曖昧な表現をしている復旧業者が多数あります。そのような復旧業者は、実績が少なかったり、社内に専用設備を持っていない可能性が高いため、注意しましょう。
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※1:2018年2月実績 復旧率=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数 (2017年12月~2024年6月の各月復旧率の最高値)
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どこが壊れているか?
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500GB以上 | 10,000円〜 |
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。