iPadの「電源が入らない」「起動しない」場合、誤った対応を行うと、データだけでなく機器自体が完全に破損する恐れがあります。

自身でデータを復旧させることが可能な場合もありますが、多くはiPadの初期化を伴います。加えて初期化しても、異常が発生した箇所によっては電源の問題が解決しない場合もあります。

この記事では、iPadが起動しない原因や、適切な復旧方法をご紹介します。iPadのデータを初期化せずにデータ復旧する方法も掲載していますので、参考にしてください。

筐体不良・画面の故障

iPadは持ち運びに適したメディアである以上、落として画面がクモの巣のように大破することがあります。パソコンなら別モニターに接続することで、デスクトップ画面にまで到達することが出来ますが、この方法はタブレット端末では困難です。

この場合、メーカーや修理業者に修復を依頼することになりますが、原則としてデータは失われてしまいます。

iPadに保存されているデータが必要な場合は、まずデータ復旧の専門業者まで相談されることをおすすめします。

電源ボタンの不具合や故障

iPadの電源ボタンが接触不良や故障を起こしていると、電源をつけることができません。

データの要不要に応じて、Appleサポートやデータ復旧業者に相談しましょう。

充電不備

充電ケーブルが断線している、または差込口が汚損している場合、正常に充電できず、起動しないことがあります。新しい充電ケーブルで充電しなおしましょう。

また経年劣化によりバッテリ―の充電が早く減ってしまう可能性もあります。充電後に起動したら、アプリや画面の明るさなどの設定を見直しましょう。

システムの不具合・アップデート失敗

機器自体に物理的な破損が起きていないにもかかわらず、起動に支障がある場合は、システム上のエラーやOSアップデートの失敗が起きていることが考えられます。

システムエラーが原因であれば、自力で状態を復旧できることがあります。しかし、経年劣化などを含む物理的な障害が起きていた場合、対処方法を誤るとデータが消えてしまうことがありますので、注意しましょう。

iPad・スマートフォンのデータ復旧はこちら

iPadがSDカードを認識しない時はこちら

ストレージの破損

iPadの保存データはメモリーカードにあります。しかし「物をぶつけた」「水に落としてしまった」などの物理的な衝撃や、経年劣化などが原因でストレージは破損してしまいます。

すると「電源が入らない」「データが突然消える」「頻繁にフリーズする」などの症状が発生します。

物理的な衝撃や水没・経年劣化からの復旧には高度な専門知識と復旧用ツールが必要なため、個人で修復することは非常に困難です。

加えて、素人では症状から異常の原因を見分けることも困難です。専門の復旧ツールを保有しているデータ復旧業者なら原因を特定し、データを取り出すことが可能です。

個人での復旧は機器の初期化や状態悪化のリスクがありますので、iPadのデータが必要な場合はデータ復旧業者に相談しましょう。

タブレットの電源が入らない場合はこちら

「iPadの電源が入らない」と一口に言っても、下記の状態によって対処法が異なります。ご自身のiPadの症状に応じて確認しましょう。

症状①：画面がつかない場合

画面になにも映らず、電源ボタンを押しても起動しない場合は以下の方法を試してみましょう。

iPadを充電する

まずはiPadの充電をおこないましょう。ただし、充電ケーブルが断線していることもあるので、予備のケーブルで充電することもおすすめします。この際、ケーブルの差し込み口にゴミやホコリがないかも確認しておきましょう。

iTunesに接続する

iPadの電源ボタンが故障している場合、iTunesに接続させると立ち上がる場合があります。

以上の方法を試してもiPadの電源が入らない場合は、機器に深刻な異常が発生している可能性が高いです。内部のデータが必要なら、メーカー・修理業者に依頼する前にデータ復旧業者に相談して、データを取り出してもらいましょう。

症状②：「iPadは使用できません iTunesに接続」とエラーが出る場合

起動はするものの、「iPadは使用できません iTunesに接続」とエラーが出る場合は、以下の方法でiPadを復元しましょう。ただし初期化を伴うため、バックアップなどがない場合は専門業者に依頼するほうが、安全にiPadを復旧することが可能です。

iTunesに接続して、iPadを復元する

この方法は、バックアップを取ってから、iPadを復元する方法です。

手順は次のとおりです。

リカバリーモードでiPadを初期化する

リカバリーモードとは下記の場合、電源ボタンの操作を介して、OSのアップデートや初期化が行える機能のことです。

・パスワードが分からない
・タッチパネルが使えない
・リンゴループする

iPadをリカバリーモードにする手順は、次の通りです。

 

iCloudでiPadをリセット後、復元する

これはiCloudでiPadを初期化した後、復元を行うという手段です。
ただし、下記の条件に沿わない場合は、実行できません。

・本体側で「iPadを探す」がオンになっている
・iTuneでバックアップがある
・iPadが物理的に破損している

この対処法は次の手順で行います。

もしお手持ちのiPadに大切なデータが保存されている場合は、初期化を行わずデータ復旧業者までご相談ください。iPadから安全にデータを抽出します。

症状③：リンゴループが起きている場合

OSが不具合を起こすと、リンゴループが発生することがあります。前に説明したとおり、リカバリーモードでiPadを初期化、もしくはアップデートすることで対処できることがありますが、それでも対処できない場合は、セーフモードで起動しましょう。

セーフモードで起動する

以下にセーフモードで起動する手順です。

セーフモードで起動後、もう一度電源ボタンを長押しし、右へスワイプするとセーフモードを解除できます。

セーフモードを繰り返し実行するとiPadに負荷がかかります。負荷は抱えている障害を悪化させるため、セーフモードは一度に留めましょう。

セーフモードで起動できなければ、専門知識を持つデータ復旧業者へ相談しましょう。