富士通製PRIMERGYサーバーは、その高い信頼性とパフォーマンスにより、企業や組織のITインフラの中核を担っています。これらのサーバーに搭載されている保守ランプは、サーバーの状態や発生している問題を示す重要な指標となります。

本記事ではランプの点灯や点滅パターンを理解し、サーバーに異常が発生している時の正しい対処法について解説します。

PRIMERGYサーバーの保守ランプが点滅する理由

PRIMERGYサーバーにおける保守ランプ（サービスインジケーター）が点滅している場合、システムエラーやサーバーの故障などが検知されたことを表しています。

保守ランプの意味は以下の通りです。

保守ランプの状態	意味及び発生している異常
消灯	サーバーが正常に動作しています
橙ランプ点灯	サーバーの故障の恐れがあります
橙ランプ点滅	サーバーの故障を検出しました

サーバーが正常に稼働していれば保守ランプは消灯されますが、ランプが点滅していた場合はサーバーに何かしらの異常が発生している可能性があります。

まずはエラーメッセージや発生している症状を確認しましょう。

PRIMERGYサーバーの保守ランプが点滅した時の症状

PRIMERGYサーバーの保守ランプが点滅している時、サーバーの稼働中に以下の症状が発生することがあります。

• データアクセスの遅延
• サーバーの稼働停止
• サーバーの起動不良
• システムのクラッシュ
• 保存データの消失

PRIMERGYサーバーで遭遇する可能性のある問題の中でも、HDD/SSDの障害は特に厄介です。この障害は主に二つの形態に分かれます。一つは論理障害で、これは停電や不意のシステム強制終了などが原因で起こります。もう一つは物理障害と呼ばれ、経年劣化や強い衝撃、水没などでHDD/SSDが物理的に破損することによって発生します。

これらの障害の対処には、専門的なデータ解析作業やHDD/SSDの直接的な修復が必須です。しかし、これらの作業は高度な技術知識と特別なツールを要求されるため、自力で修理することは困難です。またメーカー修理に出すとサーバーの初期化や部品交換によってデータが失われてしまいます。

したがってデータが必要であればデータ復旧の専門家に相談するのが最善の選択です。復旧専用のツールと技術を用いて貴重なデータを安全に回復し、サーバーエラーを修復することが可能です。

＞PRIMERGYサーバーからデータを取り出したい方はこちら

PRIMERGYサーバーの保守ランプが点滅した際の注意点

PRIMERGYサーバーの保守ランプが点滅した時、ハードウェアが故障している確率が高く、誤った操作によって更に状態を悪化させてしまうこともあります。

再起動を繰り返さない

再起動の際には、サーバーのHDD/SSDでデータの読み書きが行われます。もしサーバーのストレージに故障がある場合、読み書きの処理が不安定になりがちです。その結果、再起動することでデータが失われたり、故障している部分がさらに悪化することがあります。

サーバーをフォーマット/初期化しない

サーバーのフォーマットや初期化はシステムエラーに対して一定の効果があります。しかし、故障の原因がHDD/SSDの物理的な破損であれば、フォーマット/初期化しても効果はなく、サーバーの状態によっては全データが失われてしまいます。

故障の原因を正確に判断するには、専門的なツールや知識を必要とするため、すぐにフォーマットや初期化することは推奨できません。

復旧ソフトを使用しない

サーバーに対応しているデータ復旧ソフトは、保守ランプが点滅している時に使用しても効果がないことがあります。

サーバー対応の復旧ソフトは誤削除や軽微なシステムエラーには有効ですが、HDD/SSDの破損やRAID崩壊のような重度の障害に対しては効果を発揮できません。

データ復旧ソフトをかけて失敗することを繰り返すと、データが上書きされてしまい、アクセスできなくなったデータが完全に消去されます。目視だけでは障害の程度を判別するのは危険です。サーバーのデータはプロのエンジニアが在籍するデータ復旧会社に診断してもらいましょう。

個人で修理しない

PRIMERGYサーバーの保守ランプが点滅している時に、自己判断で修理するのは避けましょう。保証期間中であればメーカー保証が切れるおそれがあります。

また、保守期間が過ぎてしまった場合も個人での修理はおすすめできません。サーバーの修理は非常に難解で、失敗するとRAID崩壊やデータにアクセスできなくなります。

サーバーはHDD/SSDを入れ替えただけでも障害の原因となります。必ず専門のデータ復旧会社に相談しましょう。

保守ランプが点滅したPRIMERGYサーバーの復旧方法

PRIMERGYサーバーの保守ランプが点滅しても、RAID崩壊や新たなシステムエラーのリスクがあるため自力で修理することはおすすめできません。復旧が必要な範囲を特定して、専門家に相談することをおすすめします。

なお保守ランプのエラーを解除する方法については富士通のPRIMEFLEX for HA Database 利用ガイドに掲載されています。

NAS・サーバーのデータ復旧・復元方法はこちら
サーバー保守が切れたときのリスクと対処法の詳しい解説はこちら

富士通に修理を依頼する

富士通のPRIMERGYサーバーのデータは不要で、起動を優先したい場合は、メーカーの富士通に修理を依頼しましょう。保証期間中であれば無償で修理を受けられます。

ただし、富士通に修理を依頼するとデータを保存しているHDD/SSDが交換されてしまい、筐体が初期化されることもあります。サーバーに保存されたデータが必要であれば、データ復旧サービスを利用して、データを取り出してもらう必要があります。

データ復旧会社に相談する

PRIMERGYサーバーからデータを取り出したい場合や、サーバーが故障した場合は富士通のデータ復旧サービスか民間のデータ復旧会社に相談しましょう。

富士通と民間のデータ復旧サービスの違いは以下の通りです。

富士通のデータ復旧サービスの場合

• 正規の部品が使用される
• 配送時に機器の梱包が不要
• 論理障害・物理障害に対応
• 営業時間が決まっている
• 診断料金が有料
• 料金の支払いは現金のみ

民間のデータ復旧会社の場合

• 初期診断から見積もりまで無料のところがある
• 富士通で復旧できない障害を復旧できることがある
• 富士通でサポート終了した機器の復旧も可能
• 料金の支払い方法を選べる
• 24時間365日営業しているところもある

民間のデータ復旧会社の場合、データ復旧が主なサービスのため、復旧技術に関しては富士通以上の知見を有しています。中にはメーカーで復旧できない極めて重度の障害の復旧に成功した実績がある企業もあるため、サーバーのデータに重要な情報がある場合は民間のデータ復旧会社に相談することをおすすめします。

なお国内にはデータ復旧会社が100社以上存在しますが、24時間利用可能なサービスと高度なデータ復旧技術の両方を兼ね備えた会社は一握りです。

特にフォーマットを繰り返したサーバー、RAID崩壊、複数ディスクが物理的に破損したサーバーなど保守ランプが点滅する症状は、一握りの復旧会社しか対応できません。

サービス面と技術面の両方を兼ね備えたデータ復旧会社がデジタルデータリカバリーです。

PRIMERGYサーバーの保守ランプが点滅したらデジタルデータリカバリーまで相談

デジタルデータリカバリーでは、13,263件以上のサーバー機器の相談実績を元に、症状を電子カルテ化することで、他社では復旧が難しい症状のサーバーのデータ復旧に成功させております。

NAS・サーバーは、特殊なファイルシステムやRAID構成を採用しているため、データ復旧は一般的な外付けHDDと違って難易度が高いとされていますが、当社ではサーバー復旧専門のエンジニアが初期診断から復旧作業までチーム体制で行うことで、復旧の成功率を高めています。

また常時7,000台以上のドナーHDDや300以上の復旧ツールを保有しているため、復旧作業にかかる時間も短縮することが可能です。

必ず機密保持誓約書を締結してから診断を開始しておりますので、大企業や官公庁からも多数相談やご依頼を頂いております。法人様であればオンサイト復旧も可能です。24時間無料相談を受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。