PCが突然ブラックアウトすると、どう対処すればよいか悩んでしまうものです。
この記事では、PCがブラックアウトする原因と基本的な対処法を紹介します。また、場合によってはデータ消失のリスクも考えられるため、安全に対応するためのポイントとして、データ復旧業者に依頼すべき状況についても触れています。
目次
PCのブラックアウトによくある症状と原因
PCのブラックアウトとは、その名の通り「パソコンを起動したら画面が真っ黒のまま動かない」「作業中に突然画面が真っ暗になる」といった現象を指します。
症状を確認し、原因を把握することが、適切な対処法を見つけるための重要なステップとなります。まずは、ご使用のPCでどのような症状が起きているのか、原因を探ってみましょう。
パソコンが故障したときの全般的な原因と対処法を解説した記事はこちら
PCのブラックアウトでよく見られる症状には、以下の4つがあります。
黒い画面にカーソルだけ表示される
起動時や操作中に黒い画面になり、マウスカーソルのみが表示されている状態です。
この場合、以下のような原因が考えられます。
- OSバージョンアップの処理に時間がかかっている
- 外部接続機器や、内蔵・外部接続のソフトウェア(デバイスドライバ)の不具合
- セキュリティソフトの不具合
黒い画面に白い文字が表示される
パソコンの起動中に、メーカーのロゴが表示された直後にブラックアウトし、白い文字が表示される状態です。
この場合は、OSのシステムや周辺機器に問題がある可能性が高いです。
以下のような場合には、ご自身で対処できる可能性があります。
- 日本語が表示され、選択肢に「前回正常起動時の構成」「Windowsを通常起動する」がある
- キーボードの「F1」を押すように指示される
- チェックディスクやシステムスキャンが起動する
表示されるメッセージは様々で、中にはデータの消失リスクを伴うものも存在します。症状がよく分からないまま不用意な操作を加えると悪化の要因にもなりかねないので失いたくないデータがある場合はデータ復旧業者に依頼することをおすすめします。
起動時にブラックアウトしてそのまま
起動する際にパソコンがブラックアウトしてからそのまま立ち上がらない状態です。
この場合に考えられる原因には、以下のようなものがあります。直ぐに強制終了するのではなく、PCとモニターの状況を確認してみましょう。
- モニターに問題がある…電源・入力信号が間違っている、前回終了時にモニターの電源を切ったままになっている、電源プラグが抜けている、モニターが故障して電源が入らない
- 立ち上げプロセスが中断されている…画面はブラックアウトしているものの、マウスカーソルは表示されている場合には、OSの立ち上げのプロセスが中断されている可能性がある
OSのマーク中にブラックアウトした
コンピュータを起動した後、オペレーティングシステム(OS)のロゴが一瞬表示されるものの、直後に画面がブラックアウトしたり、システムが「フリーズ」したり、「ループ」状態に陥ったりする場合、OSの起動プロセスに不具合が生じていると考えられます。
この状態は、OSのソフトウェア側だけでなく、ハードウェア側に問題が生じている可能性があります。
Windows10/11のパソコンがフリーズ・固まる・応答なしになる時の原因と対処法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
【注意】ハードウェア障害の「原因特定」は難しい
PCがブラックアウトした際の対処方法
PCがブラックアウトした際の対処方法をご紹介します。
再起動・周辺機器の取り外し・放電を試す
まず、最も簡単な対処法としてPCを再起動します。その際、外付けハードディスクやUSBメモリなど、すべての周辺機器を取り外してください。また、電源を一度切ってから放電を行うために、バッテリーや電源ケーブルを外し、数分待機してから再度電源を入れます。これにより一時的なシステムエラーを解消できることがあります。
BIOSの設定を変える
再起動しても問題が解決しない場合、BIOSの設定に問題がある可能性があります。PCの起動時に指定のキー(メーカーにより異なります)を押してBIOS画面にアクセスし、デフォルト設定にリセットすることを試してください。注意点として、設定変更がデータ消失につながる可能性があるため、変更に不安がある場合は専門業者に相談するのが安全です。BIOSの設定を変える手順は以下の通りです。
- PCの電源を入れ、メーカー指定のキー(例:F2, Del, Escなど)を押してBIOS画面に入る
- BIOSメニューで「デフォルトにリセット」または「最適化設定を読み込む」を選択
- 変更を保存してBIOSを終了し、PCを再起動
セーフモードでの起動を試す
ブラックアウトが続く場合、セーフモードでの起動を試してみましょう。セーフモードでは、最小限のドライバーと設定でシステムを起動するため、問題を特定しやすくなります。手順は以下の通りです。
- 電源を入れ直し、Windowsのロゴが表示される前にF8キーを連打する
- 「詳細ブートオプション」メニューから「セーフモード」を選択
- セーフモードで起動し、正常に動作するか確認
OSの問題を修復する
PCが起動しない場合は、OS自体に問題が生じている可能性も考えられます。この場合、Windowsの修復機能を使用してシステムファイルの修復を行います。修復作業中にデータが上書きされたり消失したりするリスクがあるため、大切なデータがある場合は専門業者に相談することをおすすめします。手順は以下の通りです。
- Windowsのインストールメディア(USBまたはDVD)を挿入してPCを再起動
- 起動時に「Windowsの修復オプション」を選択
- 「スタートアップ修復」または「システムの復元」を選び、指示に従って修復を進める
タスクマネージャーを開く
PCが真っ黒な画面を表示しているものの、電源が入っている場合は、タスクマネージャーを開いて動作中のプログラムを確認します。手順は以下の通りです。
- Ctrl + Shift + Escキーを同時に押してタスクマネージャーを起動
- 実行中のプログラムやプロセスを確認し、応答しないプログラムを終了
スタートアップ修復を行う
システムの起動に問題がある場合は、Windowsのスタートアップ修復を試すことで、ブラックアウトの原因を特定し、自動的に修復を行うことが可能です。修復中にシステムやデータに変更が加えられる可能性があるため、操作に不安がある場合はデータ復旧専門業者に依頼することを検討してください。手順は以下の通りです。
- PCを再起動し、起動時にF8キーを連打して「詳細ブートオプション」メニューに入る
- 「修復オプション」を選び、スタートアップ修復を実行
専門業者に相談する
これまでご紹介してきた対処方法を試してもPCのブラックアウトが解消しない場合には、メーカーやデータ復旧業者に相談しましょう。
メーカーとデータ復旧業者、どちらに相談するかは、「PC自体の回復」と「データを取り戻す事」のどちらを優先するかによって決めましょう。
メーカーに修理を依頼する
PC自体の回復を優先する場合には、PCを購入したメーカーに相談しましょう。
保証期間であれば無料で修理できる可能性がある為、保証書を確認しましょう。
しかし、メーカーに修理を依頼すると、中に保存していたデータは消失してしまいます。このことを踏まえたうえで、メーカーへの修理依頼を検討しましょう。
データが必要な場合は、データ復旧の専門業者に相談する
PCの中に失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復旧業者では、復元ソフトでは対応できない物理障害や、重度の論理障害からのデータ復元・復旧が可能です。
これまでの対処方法は、ごく「軽度の論理障害」しか対応できず、「中高度の論理障害」あるいは「経年劣化を含む物理障害」には対応できませんでした。
官公庁、国立大学法人、上場企業
多くのお客様にご利用いただきました
※ 掲載の許可を得た法人様の一部を紹介させていただいております。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。