MSIマザーボードのBIOSが起動しないと、パソコンが全く動作せず、重要なデータにアクセスできない状態になることがあります。
このような状況で、焦る気持ちは理解できますが、適切な対処法を試すことで、問題が解決できる場合があります。
この記事では、BIOSが起動しない原因を探りながら、実際に試すべき対処法を詳しく説明します。
目次
MSIのBIOSが起動しない原因
MSIのBIOSが起動しない原因は以下です。
メモリモジュールや拡張カードの接続不良
MSIマザーボードでBIOSが起動しない原因の一つに、メモリモジュールやグラフィックカード、その他の拡張カードの接触不良が挙げられます。これらの部品が適切に取り付けられていない場合、BIOSのPOST(Power-On Self-Test)が通過せず、起動が停止してしまいます。
CMOS設定の不具合
CMOSにはBIOSの設定が保存されていますが、設定が壊れたり不正確な値が設定されるとBIOSが正しく起動しないことがあります。特に、電源を切った際にバッテリーが消耗している場合や、ジャンパー設定がリセットされた際にこの問題が発生することがあります。
BIOSの設定ミスや破損
BIOS設定自体が誤っている、または何らかの原因で破損していることも、BIOSが起動しない原因の一つです。特にオーバークロック設定やUEFI設定のミスが原因になる場合があります。
起動デバイスの選択エラー
BIOSが正しい起動デバイスを選択していないと、起動が停止することがあります。HDDやSSDが正しく認識されていない、あるいは優先順位が間違っているとBIOSがOSを見つけられず、結果として起動しないケースがあります。
高速スタートアップの問題
高速スタートアップ機能は、Windowsでシステムの起動を速くするために設計されていますが、一部のハードウェアとの相性問題でBIOSが起動しない原因になることがあります。
ハードウェアの故障
物理的損傷の場合、復元は困難です。自力での復元が難しい場合は、データ復旧業者に相談することが最善の方法です。専門業者であれば、物理障害や深刻な論理障害に対しても対応できるため、重要なデータを安全に復元できる可能性が高まります。
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MSIのBIOSが起動しない時の対処法
上記の原因に対して、具体的な対処法を順番に試していくことで問題解決を目指します。それぞれの対処法を、詳細に解説していきます。
メモリモジュールや拡張カードの再確認
BIOSが起動しない場合、まず最初にメモリやグラフィックカードの接続を確認することをお勧めします。これらのパーツが緩んでいたり、正しく差し込まれていない場合、BIOSが正常に機能しないことがあります。
- パソコンの電源を完全に切り、電源ケーブルを抜く。
- メモリモジュールやグラフィックカードを取り外す。
- 接点部分を柔らかい布で拭き、再度しっかりと差し込む。
- 電源ケーブルを再度接続し、電源を入れてBIOSが起動するか確認する。
CMOSリセットを実行する
BIOS設定のリセットは、CMOSをクリアすることで可能です。CMOSクリアによって、BIOSの誤った設定を工場出荷時の状態に戻すことができます。
- パソコンの電源を切り、ケースを開ける。
- マザーボード上にあるCMOSクリアジャンパーを探す。
- ジャンパーを移動させ、数秒待ってから元の位置に戻す。
- 再度電源を入れ、BIOSが起動するか確認する。
BIOSの再フラッシュを行う
BIOSが破損している場合、再フラッシュが必要です。MSIのマザーボードにはBIOSフラッシュボタンが搭載されていることが多く、これを利用して新しいBIOSをインストールすることが可能です。
- 公式MSIサイトから最新のBIOSファイルをダウンロードし、USBメモリに保存。
- USBメモリをマザーボードに接続し、フラッシュボタンを押す。
- フラッシュが完了するまで待ち、BIOSを再起動する。
起動デバイスを確認する
BIOS設定内で、正しい起動デバイスが選択されているか確認することも重要です。誤ったデバイスが選択されている場合、BIOSはOSを認識できずに起動しません。
- BIOSにアクセスし、「Boot」タブを選択。
- リストから正しいHDDまたはSSDが選ばれているか確認する。
- 必要に応じて優先順位を変更し、保存して再起動する。
高速スタートアップを無効にする
Windowsの高速スタートアップ機能は、時にBIOSの動作に影響を与えることがあります。この機能を無効にして、問題が解消されるか確認しましょう。
- Windowsを起動し、「コントロールパネル」から「電源オプション」を選択。
- 「電源ボタンの動作を選択する」をクリック。
- 「高速スタートアップを無効にする」にチェックを入れ、変更を保存する。
ハードウェアの故障を検出する
最後に、ハードウェアの故障を確認することも重要です。特に、電源ランプが点灯せず、ファンも回らない場合は、マザーボードや電源ユニットの故障が疑われます。このような場合は、自力での修理は難しく、データ消失のリスクが高いため、専門のデータ復旧業者に相談することを強くお勧めします。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。