Windowsの機能「以前のバージョンの復元」を使おうとした際に、「利用可能な以前のバージョンはありません」というエラーメッセージが表示されることがあります。
この記事では、データ復旧の専門家として、このエラーの原因と具体的な対処法について詳しく解説します。エラーの原因を把握し、適切な対策を講じることで、データ消失のリスクを軽減しましょう。
目次
「利用可能な以前のバージョンはありません」とは
Windowsの「以前のバージョンの復元」機能は、ファイルやフォルダーの過去のバージョンを復元するための機能です。
この機能を使用する際に「利用可能な以前のバージョンはありません」というエラーメッセージが表示される場合、ファイルの以前のバージョンを復元するには、まず「ファイル履歴」機能が有効になっている必要があります。
これが無効の場合、以前のバージョンが保存されていないため、復元できません。ただし、有効になっている状態でこのようなエラーが表示される場合、ストレージデバイスにハードウェアの問題がある可能性があります。
ハードウェアの故障や物理障害によるデータ消失の場合、自力での復元は非常に困難です。このような状況では、データ復旧の専門業者に依頼することを強くおすすめします。
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「利用可能な以前のバージョンはありません」の原因
「利用可能な以前のバージョンはありません」の原因は主に次の通りです。
システム保護機能が無効になっている
「システムの保護」機能が無効だと、復元ポイントが作成されないため、以前のバージョンを復元できません。この機能がオフになっている場合、エラーが発生します。
復元ポイントが作成されていない
システムの復元ポイントは、定期的に作成されるべきですが、何らかの理由で作成されていない場合もあります。この場合、復元可能なバージョンがないため、エラーが表示されます。
ファイル履歴機能が無効になっている
Windowsのファイル履歴機能が無効化されている場合、ファイルの過去のバージョンが保存されません。ファイル履歴は、データ保護の一環として有効にしておくべき機能です。
対象ファイルがバックアップされていない
バックアップ設定が正しく行われていない場合、ファイルの以前のバージョンを復元することはできません。自動バックアップが機能しているか確認する必要があります。
システムファイルの破損やハードウェアの問題
システムファイルが破損しているか、ハードディスクに不良セクタ(読み込み不良領域)が発生している場合、このエラーが発生することがあります。
特に物理障害(不良セクタ)が疑われる場合、すぐにデータ復旧業者に相談することが重要です。データ復旧業者は、以下のような対応を行います。
- クリーンルームと呼ばれる特殊な環境での作業
- 損傷したHDDやSSDを分解し、損傷箇所を特定
- 専用の機器や高度な技術を駆使してデータを救出
クリーンルームは、ほこりや静電気を完全に排除した環境で、データ復旧を安全に行います。物理障害や重度の論理障害が疑われる場合、迅速にプロに相談することが重要です。
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「利用可能な以前のバージョンはありません」エラーの対処法
このエラーに直面した場合、下記の対処法を試してください。各対処法は具体的な手順に基づき、初心者でも実践できるよう詳しく説明します。
システム保護機能を有効にする【事前対応】
システム保護機能が無効になっていると、復元ポイントが作成されず、ファイルの以前のバージョンが保存されません。この機能を有効にする手順は次の通りです。
- 「コントロールパネル」を開き、「システム」を選択します。
- 「システムの保護」タブをクリックし、対象ドライブを選択します。
- 「構成」をクリックし、「システムの保護を有効にする」にチェックを入れます。
復元ポイントを手動で作成する【事前対応】
重要な変更を行う前であれば、手動で復元ポイントを作成しておくことで、エラーが発生した際にシステムを以前の状態に戻せます。
- 「システムの保護」タブを開きます。
- 「作成」をクリックし、復元ポイントに名前を付けます。
- 「作成」ボタンをクリックし、完了するまで待ちます。
ファイル履歴を有効化する【事前対応】
ファイル履歴機能を有効にしていない場合、ファイルの以前のバージョンを保存することはできません。以下の手順で、ファイル履歴を有効化し、バックアップを開始しましょう。
- 「設定」を開き、「更新とセキュリティ」を選択します。
- 「バックアップ」タブをクリックし、「ファイル履歴でファイルをバックアップする」を選択します。
- バックアップ先を設定し、定期的にバックアップが実行されるようにします。
クリーンブートでソフトウェアの干渉を確認する
他のソフトウェアがシステムの保護機能やバックアップに干渉している場合、クリーンブートを行うことで問題の原因を特定できます。
- 「msconfig」を実行します。
- 「サービス」タブで「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェックを入れ、残りのサービスを無効化します。
- 「スタートアップ」タブでスタートアップ項目を無効化し、PCを再起動します。
データ復旧ソフトを使う
システム保護やファイル履歴が機能していない場合、データ復旧ソフトを使用して、削除されたファイルや過去のバージョンを復元することができます。
データ復旧ソフトを使う手順は次の通りです。
- データ復旧ソフトの選択とインストール
- まず、信頼性の高いデータ復旧ソフトを選び、公式ウェブサイトからソフトをダウンロードし、インストールします。(インストール時は、復元したいドライブとは別の場所にインストールすることをお勧めします)
- インストールが完了したら、データ復旧ソフトを起動します。通常、メイン画面が表示されます。
- 復元したいファイルがあるドライブ(HDDやSSDなど)を選択します。ドライブを選択したら、「スキャン」ボタンをクリックしてスキャンを開始します。
- スキャンが完了すると、復元可能なファイルのリストが表示されます。ファイル名やファイルの種類でフィルタリングし、目的のファイルを見つけます。
- 多くのデータ復旧ソフトには、スキャン結果からファイルをプレビューする機能があります。これを使って、必要なファイルが本当に復元可能かどうか確認します。
復元するファイルの選択 - 必要なファイルを選択します。複数のファイルを一度に選択することもできます。
- 選択したファイルを保存する場所を指定します。この時、元の場所と異なるドライブを選ぶことで、復元プロセス中のデータ上書きを避けることができます。
- 最後に「復元」ボタンをクリックして、選択したファイルを指定した場所に復元します。復元プロセスが完了するまで待ちます。
- 復元が完了したら、指定した保存先に移動して、ファイルが正しく復元されているか確認します。
確実にデータ復旧を行う場合、データ復旧業者に依頼する
ハードディスクやSSDに物理的な障害が発生している場合、一般的な対処法ではデータを復元できません。この場合、データ復旧業者に依頼することを強く推奨します。
専門業者に依頼することで、物理障害のあるストレージデバイスからデータを安全に回収できる可能性があります。
ただし、ご自身の機器がデータ復旧可能かどうか、費用はどれくらいかかるのか、復旧にどれほどの時間が必要かなどの情報は、直接データ復旧業者に相談しないと分かりません。データ復旧を検討している場合は、一度相談してみることをおすすめします。
特にディスクに傷が入る「スクラッチ障害」が発生したHDDからデータを復旧できる会社は、世界でも限られています。一般的なデータ復旧会社では、ディスクに傷があると復旧不可能と判断されることが多いですが、デジタルデータリカバリーでは、長年の研究と多数の成功事例をもとに、傷のあるHDDからのデータ復旧に対応しています。
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また弊社では安心してサービスを利用できるよう初期診断を無料で提供し、電話受付は365日24時間対応しています。データトラブルにお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
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よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。