外付けHDDが突然「RAW」状態になると、ファイルシステムが認識されなくなり、データにアクセスできなくなることがあります。
この記事では、コマンドプロンプトを使用したRAW HDDの具体的な復旧手順を解説します。重要なデータを失わないために慎重な操作が必要です。
必要に応じて、専門業者への相談も検討してください。
目次
外付けHDDがRAW状態になる原因
外付けHDDが突然RAW状態になる原因には、ファイルシステムの破損、物理的な故障、不正な取り外しなど、さまざまな要因が関係しています。
これらの原因を理解することで、事前の対策や適切な復旧方法を講じることができます。
ファイルシステムの破損
ファイルシステムが破損することが、RAW状態の最も一般的な原因です。突然のシャットダウン、電源断、あるいは不適切な操作が原因で、HDDの内部のファイル構造が崩れ、システムがファイルシステムを認識できなくなることがあります。
不正な取り外しや突然の電源断
HDDを「安全な取り外し」オプションを使用せずに抜いたり、使用中に電源が突然落ちた場合、RAW状態に陥ることがあります。HDDの使用中に電力供給が途絶えると、書き込み処理が中断され、ファイルシステムが不安定になります。
HDDの物理的な故障
物理的な損傷がある場合も、HDDがRAW状態になることがあります。HDDのディスク面に傷がついたり、内部コンポーネントが損傷すると、ファイルシステムが認識できなくなります。この場合、自力での復旧は困難で、専門のデータ復旧業者に相談する必要があります。
弊社では安心してサービスを利用できるよう初期診断を無料で提供するなど、サポート体制を整えており、電話受付も365日24時間対応しているため、いつでも困ったときにご連絡いただけます。データトラブルにお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
USBケーブルやポートの不良
USBケーブルの断線やポートの不良も、HDDが正常に認識されず、RAW状態として表示される原因になります。HDD自体に問題がなくても、接続の不具合が原因で誤認識されることがあるため、まずは別のケーブルやポートで試すことを推奨します。
ウイルス感染
HDDがウイルスに感染している場合、ファイルシステムを破壊され、RAW状態になることがあります。特に、HDDのブートセクタやマスターブートレコード(MBR)が破壊されると、ファイルシステムが認識されなくなります。
互換性のないファイルシステムの使用
HDDがNTFS、FAT32などのWindows用ファイルシステムでフォーマットされている場合、MacやLinuxなど他のOSが認識できずにRAW状態と表示されることがあります。
異なるOS間で使用する際は、ExFATやFAT32など、互換性のあるファイルシステムに変更することが望ましいです。
HDDがRAW状態になった場合の復旧方法
以下の手順でRAW状態のHDDを復旧します。CHKDSKコマンドで修復を試し、それが失敗した場合はDiskPartを使ったフォーマットを行います。
なお、RAW状態のHDDを扱う際は、以下の点に注意してください。
- 事前にデータのバックアップを取ることを忘れない。
- CHKDSKやDiskPartを実行する際、慎重に操作する。
- 物理的な損傷が疑われる場合は、専門のデータ復旧業者に相談することを推奨します。
CHKDSKコマンドによる修復
CHKDSKは、ディスクのエラーを修復し、RAW状態から元のファイルシステムに戻すための基本的なツールです。データがそのまま残っている場合、このコマンドで復旧できる可能性があります。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
- 以下のコマンド「chkdsk X: /f /r /x」を実行します(
X:
は対象のHDDのドライブレターに置き換えてください)。 - 修復が完了するまで待ちます。
オプションの意味
- /f:ファイルシステムのエラーを修復
- /r:不良セクタを検出し、読み取り可能なデータを回復
- /x:必要に応じてボリュームを強制的にマウント解除
CHKDSKで解決しない場合は、DiskPartを使った再フォーマットを試します。
DiskPartを使った再フォーマット
DiskPartは、RAW状態や破損したHDDを再フォーマットするための有効なツールです。CHKDSKが失敗した場合、DiskPartでディスクを初期化し、再フォーマットすることで問題を解消できます。
ただし、この手順はディスク内のすべてのデータを消去するため、慎重に行ってください。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く。
- 「Windowsキー + R」を押し、「cmd」と入力し、Ctrl + Shift + Enterで管理者権限のコマンドプロンプトを開きます。
- DiskPartを起動します。
- システムに接続されているディスクの一覧を表示します。
- 対象のHDDを選択します。(例:対象のディスクが「ディスク 1」の場合)
- HDDのすべてのパーティションとデータを削除します。
- 新しいプライマリパーティションを作成します。
- HDDをNTFS形式でクイックフォーマットします。
- ドライブレターを割り当てます。
- DiskPartを終了します。
これでHDDが新しいファイルシステムとして認識されるようになります。
TestDiskによるパーティション復旧
TestDiskは、パーティションの復元に特化したオープンソースツールで、RAW状態でも元の状態に戻せる可能性があります。
- コマンドプロンプトでコマンド「testdisk /log」を実行します。
- 対象HDDを選択し、表示される指示に従って作業を進めます。
- 復旧プロセスが完了するまで待ちます。
ddrescueでの物理障害からの復旧
GNU ddrescueは、物理的に損傷したディスクからデータを救出するためのオープンソースツールです。
ddrescueが有効なケースは次の通りです。
- HDDが物理的に損傷しているが、一部のセクタは読み取れる場合
- ディスクに不良セクタが発生している場合
- 読み込みが不安定なディスクから、断続的にデータを取得したい場合
- 失敗したクローン作業を再試行し、途中から再開できる場合
HDDやSSD、USBメモリなど、破損したディスクのデータを可能な限り読み取って、イメージファイルとして保存することができます。このツールは、読み取り不能なセクタが存在する場合でも、その周囲のデータを飛ばして、保存可能な部分を救出するのが特徴です。
- 以下のコマンドを実行します。
「ddrescue -d -r3 /dev/sdX /dev/sdY rescued.img rescued.log」 /dev/sdX
は元のHDD、/dev/sdY
は復旧先のディスクを指定します。- イメージ作成が完了したら、データを復旧します。
ddrescueは、物理的に損傷したHDDからデータを救出するための非常に有効なツールです。再試行や部分的な救出が可能であり、エラーに強いため、不安定なディスクからのデータ抽出に優れています。
ただし、使用には慎重な計画と知識が必要です。重度の物理障害がある場合は、専門業者への相談をおすすめします。
確実にデータ復旧を行う/自力で対応できない場合、データ復旧業者に依頼する
HDDが物理的に故障している場合、自力での修復は困難です。データ復旧業者に依頼することを強くお勧めします。物理障害によるHDDの故障は、専門の技術を持つ業者でなければ復旧が難しいため、早急に対応する必要があります。
データが重要な場合は、すぐにデータ復旧の専門業者にご相談ください。
例えば当社は、46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月1日~)を持ち、経験豊富な専門アドバイザーが対応しています。手術室レベルの清潔なクリーンルームや7,000台以上のHDDドナーを活用し、迅速かつ確実なデータ復旧を行います。
ただし、ご自身の機器がデータ復旧可能かどうか、費用はどれくらいかかるのか、復旧にどれほどの時間が必要かなどの情報は、直接データ復旧業者に相談しないと分かりません。データ復旧を検討している場合は、一度相談してみることをおすすめします。
特にディスクに傷が入る「スクラッチ障害」が発生したHDDからデータを復旧できる会社は、世界でも限られています。一般的なデータ復旧会社では、ディスクに傷があると復旧不可能と判断されることが多いですが、デジタルデータリカバリーでは、長年の研究と多数の成功事例をもとに、傷のあるHDDからのデータ復旧に対応しています。
「HDDの表面に傷が入っているため復旧できません」と言われても諦めないでください。当社はこのような難しい障害にも対応可能であり、東京都からも重度物理障害を起こしたHDDからの復旧技術が高く評価され、「HDD復旧技術の向上によって顕著な経営革新を果たした」として、経営革新優秀賞を受賞しています。
また弊社では安心してサービスを利用できるよう初期診断を無料で提供し、電話受付は365日24時間対応しています。データトラブルにお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
官公庁、国立大学法人、上場企業
多くのお客様にご利用いただきました
※ 掲載の許可を得た法人様の一部を紹介させていただいております。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。