HDD(ハードディスク)は長期間使用していると劣化し、突然の故障によって重要なデータが失われるリスクがあります。本記事では、HDDの寿命を診断するための方法と、異常が見つかった際の具体的な対処法を紹介します。
HDDが故障する兆候に気づき、適切な対応を行うことで、データの消失を防ぐことができます。この記事を参考に、日常的なHDDの健康管理を行いましょう。
目次
HDDの寿命を診断する方法
HDDの寿命を把握するために、まずは以下の2つの方法を試してみましょう。
CrystalDiskInfoでHDDの健康状態を診断する方法
CrystalDiskInfoは、HDDやSSDの寿命、健康状態、温度などを簡単に確認できる無料の診断ツールです。
このツールを使うことで、HDDの異常を早期に発見し、データの損失を防ぐことができます。以下の手順に従って診断を行いましょう。
- CrystalDiskInfoのダウンロードとインストール
公式サイト(https://crystalmark.info/)から最新版のCrystalDiskInfoをダウンロードし、PCにインストールします。インストール時には、付属ソフトのインストールオプションが表示されることがあるため、不要なものはチェックを外しましょう。 - ソフトを起動してHDDの健康状態を確認
インストールが完了したらCrystalDiskInfoを起動します。 - 起動後、接続されているHDDやSSDのリストが表示され、その横に健康状態や温度がリアルタイムで表示されます。
- 健康状態の色でHDDの状態を判断
– 青色(正常):HDDは問題なく動作しています。引き続き安心して使用できます。
– 黄色(注意):不良セクタが見つかった場合などに表示されます。早めにバックアップを取り、HDDの交換を検討してください。
– 赤色(異常):重大なエラーが発生していることを示します。データが失われる前に、直ちにバックアップを行いましょう。
異常兆候を目視確認する
S.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis, and Reporting Technology)のデータを確認することで、HDDの寿命や健康状態の兆候を早期に把握できます。以下の項目に特に注意しましょう。
代替処理済みセクタ数
不良セクタが予備セクタに置き換えられた回数を示します。この数値が増加している場合、HDDの寿命が近づいている兆候です。早急なバックアップと交換の検討が必要です。
現在保留中のセクタ数
不良の疑いがあるセクタの数を示します。このエラーが解消されない場合、データ損失のリスクが高まります。保留中のセクタが増えたときは注意が必要です。
回復不能セクタ数
読み取りが不可能な不良セクタの数を表します。この数値が増加すると、HDDの一部が完全に破損している可能性があるため、交換が推奨されます。
代替処理待ちセクタ数(オフライン診断結果)
診断ツールによって検出された回復不能なセクタの数です。多く検出される場合、HDDが正常に動作していない可能性が高いため、速やかなバックアップと交換を行うことが推奨されます。
通電時間
HDDが通電して動作している累積時間です。一般的に20,000〜30,000時間を超えると寿命が近づいていると考えられます。定期的に状態を確認し、異常があれば交換を検討してください。
スタート/ストップ回数・ロード/アンロードサイクル
HDDが起動・停止する回数や、ヘッドがプラッタ上で動く回数を指します。頻繁に使用されるとHDDが摩耗しやすくなり、故障のリスクが高まります。
温度
HDDの温度が50°Cを超えると、内部部品にダメージを与える可能性があり、故障リスクが増加します。HDDが高温になっている場合は、冷却対策を行いましょう。
これらの項目を定期的に確認し、異常が見られた場合は速やかにバックアップを取り、HDDの交換を検討してください。HDDの異常を早期に発見することで、重要なデータの損失を未然に防ぐことができます。
これらの項目に異常が見られた際は、すぐにバックアップを取り、HDDの交換を検討することが重要です。また、CrystalDiskInfoで異常が見つからなくても、物理的な損傷や突然の故障が起こり得るため、5年以上使っているHDDは交換を検討してもよいでしょう。
異常が見つかった場合の対処法
HDDに異常が見つかった場合、以下の対処法を試してください。
データのバックアップを取る
まず最優先で行うべきは、重要なデータのバックアップです。外付けHDDやクラウドにデータを保存しましょう。
HDDの交換を検討する
「黄色」や「赤色」の状態が表示された場合、HDDの交換が必要です。新しいHDDへの交換後、バックアップしたデータを復元することでスムーズに移行できます。
データ復旧業者に相談する
HDDに物理的な損傷が生じ、データが正常に移行できない場合、自己対応ではデータを取り出せないことがあります。こうした状況で無理に使用を続けると、状況を悪化させるリスクが高まるため、適切な対処が必要です。
自力での対応がリスクとなるケース
以下のような状況では、自力での対応はさらなる損傷やデータ消失につながる恐れがあります。すぐにデータ復旧の専門業者への相談を検討してください。
- 異音や焦げ臭い匂いがする
ハードディスク内部の部品が摩耗したり、ショートが発生している可能性があります。電源を切り、使用を中止してください。 - HDDが認識されない
ケーブルの問題やUSBポートの不具合ではない場合、内部で物理的な損傷が発生している可能性があります。この場合も専門業者に相談が必要です。 - CrystalDiskInfoで「異常」が表示された
S.M.A.R.T.データで重大なエラーが検出された場合、HDDの交換と専門的なデータ復旧を検討することをおすすめします。
専門業者に相談する重要性
HDDに物理的な異常が見られた場合、無理に使用を続けず、早急に専門業者に相談することが重要です。専門業者は専用の設備と技術を使用し、安全にデータを取り出せる可能性があります。
データ復旧業者の選び方
データ復旧業者を選ぶ際は、以下の点を確認することが重要です:
- 実績のある業者であるか
- 無料診断や見積もりが可能か
- 復旧料金が明確であるか
- データ取り扱いのセキュリティ対策がしっかりしているか
HDDの損傷を早期に発見し、適切に対応することで、大切なデータを失うリスクを最小限に抑えることができます。自己判断での無理な操作を避け、必要な場合は専門業者の力を借りることが成功への鍵です。
確実にデータ復旧を行う/自力で対応できない場合、データ復旧業者に依頼する
HDDが物理的に故障している場合、自力での修復は困難です。データ復旧業者に依頼することを強くお勧めします。物理障害によるHDDの故障は、専門の技術を持つ業者でなければ復旧が難しいため、早急に対応する必要があります。
データが重要な場合は、すぐにデータ復旧の専門業者にご相談ください。
デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が46万件以上の相談経験(算出期間:2011年1月1日~)をもとに「初期診断」を行い、障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
ただし、ご自身の機器がデータ復旧可能かどうか、費用はどれくらいかかるのか、復旧にどれほどの時間が必要かなどの情報は、直接データ復旧業者に相談しないと分かりません。データ復旧を検討している場合は、一度相談してみることをおすすめします。
特にディスクに傷が入る「スクラッチ障害」が発生したHDDからデータを復旧できる会社は、世界でも限られています。一般的なデータ復旧会社では、ディスクに傷があると復旧不可能と判断されることが多いですが、デジタルデータリカバリーでは、長年の研究と多数の成功事例をもとに、傷のあるHDDからのデータ復旧に対応しています。
「HDDの表面に傷が入っているため復旧できません」と言われても諦めないでください。当社はこのような難しい障害にも対応可能であり、東京都からも重度物理障害を起こしたHDDからの復旧技術が高く評価され、「HDD復旧技術の向上によって顕著な経営革新を果たした」として、経営革新優秀賞を受賞しています。
また弊社では安心してサービスを利用できるよう初期診断を無料で提供し、電話受付は365日24時間対応しています。データトラブルにお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
官公庁、国立大学法人、上場企業
多くのお客様にご利用いただきました
※ 掲載の許可を得た法人様の一部を紹介させていただいております。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。