PSTファイル(Outlookの個人用フォルダファイル)が破損したり削除された場合、メールや予定表などの大切なデータを失う可能性があります。
本記事では、Outlook標準の修復ツールから、サードパーティの専用ソフトまで、状況に応じたPSTファイルの復元方法を詳しく解説します。重要なデータを取り戻すため、手順に沿って適切な対処を行いましょう。
目次
PSTファイルが削除される主な原因
PSTファイルが削除される主な原因は以下です。
誤操作による削除
ユーザーがOutlookの設定やフォルダ整理中に、誤ってPSTファイルを削除してしまうことがあります。Outlookの再インストール時に不要なファイルと間違えて削除するケースも多く見られます。
ディスクやフォルダのクリーンアップ
ディスククリーンアップや不要ファイルの整理を行った際、PSTファイルが不要なものと誤判断され、意図せず削除されることがあります。
ソフトウェアの不具合やクラッシュ
OutlookやPCのクラッシュにより、PSTファイルが破損、またはエラーで削除されることがあります。特にOutlookが不正に終了した場合、正常に保存されないリスクが高まります。
ウイルスやマルウェア感染
マルウェアやウイルスがPSTファイルを標的にして、データを破壊・削除することがあります。PCのセキュリティ対策が不十分な場合、このようなリスクが高まります。
同期エラーやサーバートラブル
クラウドとの同期エラーやサーバーの不具合により、ローカルに保存されていたPSTファイルが削除されることがあります。
ストレージの物理障害
HDDやSSDの物理的な故障によって、PSTファイルが読み込めなくなる、または消失することがあります。この場合、専門のデータ復旧業者への依頼が必要です。
自動アーカイブ設定の影響
Outlookの自動アーカイブ機能により、ユーザーの知らないうちに古いPSTファイルが移動される、または削除されることがあります。アーカイブ設定を見直すことが重要です。
PSTファイルの復元方法
PSTファイルの復元方法は以下です。
SCANPST.EXEを使用する
Outlookには、SCANPST.EXEという組み込みの修復ツールが付属しています。このツールは、PSTファイルの一般的な破損をスキャンし、自動的に修復を行います。
- Outlookを完全に終了します。
- OutlookのインストールディレクトリからSCANPST.EXEを探します。
- SCANPST.EXEを実行し、破損したPSTファイルを選択します。
- 「開始」をクリックしてスキャンを実行します。
- 問題が見つかった場合は、「修復」をクリックして修復を行います。
注意: SCANPST.EXEは一般的なエラーに対応しますが、深刻な破損には効果がない場合もあります。
サードパーティのPST修復ツールを利用する
Stellar PST Recoveryなどのサードパーティ製の専用ツールを使用することで、削除されたデータや深刻な破損に対応できます。これらのツールは複数のOutlookバージョンに対応しており、高度な修復機能を持ちますが、多くが有料です。
- 専用ソフトをダウンロードし、インストールします。
- ソフトを起動し、修復対象のPSTファイルを選択します。
- 「スキャン」をクリックして復元可能なデータを検索します。
- 復元したいデータを選択し、保存先を指定して復元を実行します。
ファイル修復専門ソフトを使う
iMyFone UltraRepairなどの総合ファイル修復ソフトを使用すると、PSTファイル以外の多様なファイル形式も同時に修復できます。これらのソフトでは、複数のPSTファイルを一括で修復することも可能です。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。