RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のディスクを使用してデータの冗長性を確保し、故障時のデータ保護を図る技術です。しかし、RAID構成によってはデータ消失のリスクがあり、完全なデータ保護を保証するものではありません。この記事では、RAID構成ごとの故障率やリスクについて、初心者でも分かりやすく解説します。
目次
RAID構成ごとの故障率とデータ消失のリスク
RAIDの故障率は構成方法や使用するディスクの数、システムの運用状況によって異なります。以下に、代表的なRAID構成の故障率の目安とデータ消失のリスクをまとめます。
RAID 0の故障率とリスク
RAID 0はストライピング方式で、データを複数のディスクに分散して保存する構成です。高速なデータ転送が可能ですが、冗長性がなく、一台でも故障すると全データが失われるため、故障率が高いです。
- 故障率:使用ディスク数に比例して高くなる(例:2台構成で単体ディスクの約2倍)。
- データ消失リスク:1台のドライブが故障すると全データが失われます。
- バックアップが必須。
RAID 1の故障率とリスク
RAID 1はミラーリング方式で、同じデータを複数のディスクに複製して保存します。一台のドライブが故障しても他のドライブにデータが残るため、データ保護性が高い構成です。
- 故障率:単体ディスクと同程度。
- データ消失リスク:2台同時故障に弱いが、1台の故障ではデータは失われません。
- バックアップ併用でリスク低減。
RAID 5の故障率とリスク
RAID 5はストライピングとパリティ情報を利用し、最低3台のディスクが必要な構成です。1台のディスクが故障してもパリティデータで復元が可能ですが、2台以上が同時に故障するとデータ消失のリスクがあります。
- 故障率:ディスク1台が故障しても復旧可能だが、2台故障でデータ消失。
- データ消失リスク:再構築中に別のディスクが故障すると全データが消失。
- バックアップ必須。
RAID 6の故障率とリスク
RAID 6はRAID 5をさらに強化し、2台のドライブ故障に耐えられる構成です。RAID 5よりも高い耐障害性を持ちますが、コストとパフォーマンスの面でやや劣ります。
- 故障率:2台までの故障には対応可。
- データ消失リスク:3台以上の故障でデータが失われます。
- バックアップ推奨。
RAID構成には、冗長性の有無や耐障害性に応じて、異なる故障リスクがあります。
- RAID 0はストライピング方式で高速ですが、一台の故障で全データが失われる高リスク構成です。
- RAID 1はミラーリング方式で、1台の故障には強いものの、2台同時故障の可能性があります。
- RAID 5はパリティを使い1台故障まで対応でき、RAID 6は2台まで対応可能ですが、再構築時に別のドライブが故障するとデータ消失のリスクが発生します。
これらの特性を踏まえ、万が一のデータ消失に備えたバックアップと、迅速な復旧が可能なデータ復旧業者の導入をおすすめします。
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RAIDシステムでデータ消失が発生するリスク要因
RAIDシステムには冗長性が備わっているため、一定のデータ保護が可能です。しかし、以下のような要因によってデータ消失のリスクが高まることがあります。
冗長性を超える障害
RAID 5やRAID 6のような構成でも、冗長性を超える複数ドライブの同時故障は避けられないリスクです。特にRAID再構築中のドライブ故障が起こると、データが完全に失われる可能性があります。
RAIDコントローラーの故障
RAID構成を管理するRAIDコントローラーが故障すると、システム全体が動作不能になる可能性があります。コントローラーの冗長化や予備コントローラーの準備が有効です。
メンテナンス不足
RAIDシステムの定期的なメンテナンスや健康チェックを怠ると、ドライブやRAIDコントローラーの異常が見逃され、突然のデータ消失につながるリスクが高まります。
温度管理の不足
HDDやSSDは熱に弱く、過熱が原因で故障率が上がることがあります。適切な温度管理と冷却装置の設置が、故障率の低減に効果的です。
自力で解決できない場合は「データ復旧専門業者」に相談・依頼する
NASやサーバー(特にRAID構成機器)で物理的な障害や高度な論理障害が発生した場合、下記の理由から自力での対応が難しいとされています。
- RAIDの構造が非常に複雑
- 物理障害には専用の設備や専門技術が必要
- 論理障害が起こった場合でも、市販のソフトでは対応できないことが多い
また、誤った操作や処置を行うと、復旧できたはずのデータを完全に失うリスクもあるため、専門のデータ復旧業者への依頼が推奨されます。
業者選びのポイントは以下の通りです。
- 豊富な実績と高い復旧率: 実績豊富な業者は安心感があります。
- 最新の復旧設備を保有: クリーンルームなど最新設備を持つ業者が信頼できます。
- セキュリティへの配慮: ISO認証を取得し、安全を保証している業者を選びましょう。
- 透明性のある料金体系: 無料診断や成果報酬型の業者は安心です。
- 全RAIDレベルに対応: RAID0からRAID6まで対応できる技術力を持つ業者が重要です。
市販のソフトでは回復できない物理障害は、むやみに操作せず、専門業者への早急な相談を推奨します。
当社は累積46万件超のご相談実績(期間:2011年1月1日~)を持ち、RAID全レベルに対応可能な専門エンジニアが迅速にサポートいたします。他社で診断不可のNASやサーバの復旧実績も多数あり、トラブル状況をお知らせいただければ、安全にデータを取り出すお手伝いをさせていただきます。
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よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。