パソコンを起動すると『No boot filename received』というエラーが表示され、OSが立ち上がらない…。このエラーは、ネットワークブート(PXE起動)の設定ミスやHDDの故障など、さまざまな原因で発生します。
誤った対処をすると、データが消失したり、復旧が困難になったりする可能性があります。この記事では、『No boot filename received』エラーの主な原因と、安全な解決策について詳しく解説します。
目次
「No boot filename received」エラーの主な原因
「No boot filename received」エラーの主な原因は次の通りです。
ネットワークブート設定の優先
BIOS/UEFIの設定でPXEブートが最優先になっていると、ネットワークブートが試行されます。しかし、PXEブート用の適切な環境(DHCPサーバー、PXEブートファイル)が構築されていない場合、エラーが発生します。
また、HDDやSSDが認識されない場合も、ネットワークブートに切り替わり、このエラーが表示されることがあります。
DHCPサーバーの設定ミス
ネットワークブートを利用している環境では、DHCPサーバーの設定が適切でないとPXEブートが失敗し、「No boot filename received」エラーが発生します。
特に、以下のような設定ミスがあると、PXEクライアントが適切なブートファイルを取得できません。
- オプション067(Bootfile Name)が未設定または誤設定 – PXEブート時にOSのロードに必要な「pxelinux.0」や「wdsnbp.com」などのブートファイルが指定されていない。
- オプション066(Next Server)の誤り – PXEクライアントに適切なブートサーバーのIPアドレスが提供されていない。
OS起動ファイルの破損
HDDやSSDが正常に動作していても、WindowsやLinuxのブートローダーが破損していると、PXEブートに切り替わり、このエラーが発生することがあります。
特に、以下のようなケースでは、ブートローダーが破損しやすくなります。
- Windowsのアップデート中に電源が切れた
- ディスクに不良セクタが発生している
- ウイルス感染によってブート関連ファイルが削除された
ストレージデバイスの物理的故障
HDDやSSDが故障すると、システムが起動可能なデバイスを検出できず、自動的にPXEブートを試行することがあります。その結果、「No boot filename received」エラーが発生します。また、SATAケーブルの接触不良や断線も、ストレージが認識されなくなる原因となります。
物理障害が疑われる場合は専門業者へ
HDDやSSDが故障している場合、自力での修復は難しくなります。特に、異音がする、ディスクが回転しない、BIOSで認識されない場合は、無理に操作を続けるとデータの損失につながるため、専門業者による診断が必要です。
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「No boot filename received」エラーが発生し、ストレージの異常が疑われる場合は、初期診断を受けることで、最適な対応策を見つけることができます。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
「No boot filename received」エラーの対処法
BIOS/UEFIのブート順序を変更する
まず、BIOS/UEFIの設定を開き、ネットワークブートが最優先になっていないかを確認します。
- PCを再起動し、F2またはDelキーを押してBIOS/UEFIに入る。
- 「Boot」または「Startup」メニューを開く。
- ブート順序(Boot Order)を確認し、HDD/SSDを最優先に設定する。
- 「PXE Boot」または「Network Boot」を無効にする(必要に応じて)。
- 設定を保存(F10キー)して再起動する。
ストレージの接続を確認する
HDDやSSDが正しく接続されているかを確認し、必要に応じてSATAケーブルの再接続や交換を行います。
Windowsのブートローダーを修復する
Windows環境の場合、ブートローダーが破損している可能性があるため、以下のコマンドを実行して修復を試みます。
- WindowsインストールメディアでPCを起動する。
- 「コンピューターを修復する」→「トラブルシューティング」→「コマンドプロンプト」を開く。
- 以下のコマンドを順に実行する。
bootrec /fixmbr bootrec /fixboot bootrec /scanos bootrec /rebuildbcd
DHCPサーバーの設定を確認する
ネットワークブートを利用する環境では、DHCPサーバーの設定を適切に構成する必要があります。特に、オプション066と067の設定を見直し、PXEクライアントが適切なブートファイルを取得できるようにします。
PXEブートを利用するには、DHCPサーバーでオプション066(Boot Server Host Name)と067(Bootfile Name)を適切に設定する必要があります。
- DHCPサーバーマネージャーを開き、[IPv4] → [スコープオプション] を選択
- オプション066にPXEサーバーのIPアドレスを入力
- オプション067に適切なブートファイルを指定(例: boot\x64\wdsnbp.com)
- /etc/dhcp/dhcpd.confを編集
- next-server に PXEサーバーのIPアドレスを設定
- filename に適切なブートファイルを指定(例: pxelinux.0)
設定後、DHCPサーバーを再起動し、PXEクライアントが正しくブートできるか確認してください。
ハードウェア診断を実施する
ストレージの物理障害が疑われる場合は、以下のツールを使用して診断を行います。
診断ツール | 用途 |
---|---|
CrystalDiskInfo | HDD/SSDのS.M.A.R.T.情報を確認 |
MemTest86+ | メモリの異常をチェック |
マルチメータ | SATAケーブルの導通チェック |
ハードウェア診断の実施方法
ストレージの物理障害が疑われる場合、以下のツールを使用して診断を行います。
- 公式サイト(CrystalDiskInfo)からソフトをダウンロード
- ソフトを起動し、対象のHDD/SSDを選択
- 「健康状態」や「注意」マーク、エラー数をチェック
- 公式サイト(MemTest86+)からISOファイルをダウンロード
- USBメモリに書き込み、PCをUSBブート
- テストを実行し、エラーがないか確認
- マルチメータを導通モード(Ω測定)に設定
- SATAケーブルの各ピンを測定し、断線がないか確認
- 断線がある場合は、新しいSATAケーブルに交換
診断結果によっては、早急にストレージの交換やデータ復旧の専門業者への相談を検討してください。ここでHDDやSSDが故障している場合、自力での修復は難しくなります。
特に、異音がする、ディスクが回転しない、BIOSで認識されない場合は、無理に操作を続けるとデータの損失につながるため、専門業者に依頼するのが最善の方法です。
デジタルデータリカバリーなら、HDD/SSDの物理障害や論理障害のデータ復旧に対応。
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自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
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また、データ復旧業者の最後の砦と言われる所以として、「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」の実績を信頼いただいています。他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーの復旧技術であれば復旧できたという事例も多数ございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
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来社受付:9:30~21:00
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。