RAID構成のディスクに「CHKDSK」を実行すると、データが破損したりRAIDアレイが崩壊したりする危険があります。RAIDは複数のディスクを連携させて運用する仕組みのため、単独のディスク向けに設計されたCHKDSKは適用できません。
本記事では、RAIDディスクにCHKDSKを実行すると何が起こるのか、そのリスクを解説するとともに、安全にRAIDを修復するための推奨手順を詳しく紹介します。
データを守るための適切な対応方法を学び、トラブルを未然に防ぎましょう。
目次
RAIDディスクにCHKDSKを実行すると危険な理由
RAID構成のディスクに対して「CHKDSK」を実行することは、データ破損やRAIDアレイの損傷につながるリスクがあります。
データの破損
CHKDSKは、RAID構成を認識せず、RAID特有のデータパターンをエラーと誤認する可能性があります。その結果、不要な修復処理を試み、データが破損してしまうことがあります。
RAIDアレイの損傷
CHKDSKがRAIDメタデータやストライプ構成に干渉し、RAIDの正常な動作を阻害する場合があります。これにより、RAIDアレイ全体が壊れ、復旧が困難になる可能性があります。
パフォーマンスの低下
RAIDアレイの容量が大きいほど、CHKDSKの実行には長時間がかかります。その間、システムのパフォーマンスが著しく低下し、業務に影響を与えることがあります。
ディスクへの負荷
CHKDSKはディスクに対して集中的なアクセスを行うため、特に古いHDDでは寿命を縮める原因になります。RAIDを構成するHDDの負荷が高まり、最悪の場合、HDDが故障することもあります。
特に重要なデータが含まれている場合は、データ復旧の専門家に相談することが最も安全で確実な方法です。データ復旧業者では、機器に発生している症状をもとにエンジニアが正確な初期診断を行い、故障原因を特定することが可能です。プロが対応するため、データ復旧に失敗するリスクを抑えることができます。
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RAIDディスクの安全な修復方法
CHKDSKの代わりに、以下の方法でRAIDディスクを安全に修復することが推奨されます。
RAID管理ツールを使用する
RAIDコントローラーには、専用の管理ツールが用意されていることが多く、これを使用して安全にディスクをチェックできます。
- RAIDコントローラーのメーカーサイトから管理ツールをダウンロードし、インストールする。
- ツールを起動し、RAIDアレイのステータスを確認する。
- 提供されている診断機能を実行し、エラーがある場合はガイドに従って修復を行う。
整合性チェックを実行する
RAID BIOSや管理ソフトウェアの「Consistency Check（整合性チェック）」機能を利用し、RAIDアレイ全体の状態を確認できます。
- RAID管理ツールを開き、「整合性チェック」または「Consistency Check」のオプションを探す。
- 該当するRAIDアレイを選択し、整合性チェックを開始する。
- 修復が必要なエラーが検出された場合、ツールの指示に従って修正を行う。
RAID専用のデータ復旧ソフトを利用する
RAIDに対応したデータ復旧ソフト（例: R-Studio、UFS Explorer）を使用することで、安全にデータを取り戻せる可能性があります。
- R-StudioやUFS Explorerをインストールする。
- ソフトを起動し、RAIDアレイをスキャンする。
- 検出されたデータを別のストレージに復元する。
ただし、故障原因がわからないままソフトを使用することで、HDDに負荷がかかる恐れもあるため、確実にデータを取り出したい場合、もしくは障害の程度が分からない場合は、復元ソフトは使用せず「データ復旧の専門家」に相談することをおすすめします。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
