PCを初期化してしまった後でも、データ復元が可能な場合があります。ただし、初期化の方法やその後のPC使用状況によっては、復元が困難になることもあります。

本記事では、PCを初期化した後にデータを復元する方法と、成功率を上げるための注意点について詳しく解説します。また、なぜデータ復元が可能なのかについても分かりやすく説明します。

PC初期化後でもデータ復元が可能な理由

PCの初期化後にデータ復元が可能なのは、削除されたデータがすぐに完全に消去されるわけではないためです。

HDDの場合

HDD（ハードディスクドライブ）では、ファイルが削除されても、実際にはデータそのものはディスク上に残っています。初期化や削除を行った場合、オペレーティングシステム（OS）はその領域を「空き領域」としてマークするだけで、実際のデータはしばらくの間ディスク上に保持されます。そのため、適切なデータ復元ソフトや専門業者の技術を使えば、削除されたデータを取り戻せる可能性が高いのです。

SSDの場合

SSD（ソリッドステートドライブ）では、HDDとは異なる仕組みでデータが管理されています。特に、「TRIM（トリム）」機能が有効になっている場合、削除されたデータがすぐに上書きされてしまうため、復元が困難になります。

しかし、以下のような場合はSSDでもデータ復旧が可能です。

• TRIM機能が無効になっていた場合
• 初期化後に新しいデータを書き込んでいない場合
• 専門のデータ復旧業者が専用のツールを使用する場合

※内、完全復旧57.8%。復旧件数割合＝データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績

PC初期化後のデータ復元方法

PCを初期化してしまった後でも、データを復元する方法はいくつかあります。

システム復元を使用する

Windowsの「システム復元」機能を使えば、PCの状態を過去の復元ポイントまで戻せます。ただし、システム設定やインストール済みプログラムを復元するだけで、個別のファイルは復元されない点に注意が必要です。

ファイル履歴機能を利用する

Windowsの「ファイル履歴」機能を有効にしていた場合、過去に保存されたデータを復元できます。ただし、事前にバックアップが有効になっていることが前提です。

データ復元ソフトを使う

初期化後でも、データが完全に上書きされていない場合は、データ復元ソフトを使うことで一部のデータを復元できる可能性があります。専用の復元ソフトを使用することで、削除されたデータの痕跡をスキャンし、復旧可能なファイルを抽出できます。

復元ソフトを使用する場合、復元データの保存先は必ず元のドライブとは別の場所に指定してください。同じドライブに保存すると、他のデータが上書きされてしまい、復旧できなくなる可能性があります。

専門のデータ復旧業者に相談する

上記の方法でデータが復元できなかった場合、専門のデータ復旧業者に相談するのが最も確実な方法です。特に、SSDの初期化や完全フォーマットを行った場合は、復元ソフトでは対応できないことが多いため、専門業者の技術が必要になります。

当社ではデータ復旧の無料診断を行っています。パソコンのトラブルでお困りの方は、お気軽にご相談ください。