SASとは、Serial Attached SCSIの略語で、ハードディスク間のデータ転送に使用される技術です。SASはインターフェイスのことを指し、ハードディスクドライブの説明によく使われます。
SAS HDDが認識されない場合、いくつかの原因が考えられます。適切なSASコントローラがない、RAID設定が影響している、ドライバが不足している、ケーブルや電源に問題があるなど、さまざまな要因が認識トラブルの原因となります。
このままでは、データにアクセスできなかったり、システムが正常に動作しなかったりする可能性があります。
本記事では、SAS HDDが認識しない場合の原因と具体的な対処法を詳しく解説します。
目次
SAS HDDが認識しない主な症状
SAS HDDが認識しない際の主な症状は次の通りです。
- BIOSやOS上でHDDが表示されない
- RAID設定を解除してもHDDが検出されない
- 「デバイスマネージャー」でSASコントローラが認識されていない
- HDDから異音がする、または回転しない
同じ症状でも、原因はさまざまです。適切な対処法を実行しないと、状況が悪化し、最悪2度と解決できなくなる可能性があります。
正常に使用できない原因は、見た目や使用感だけでは判断できないため、自己判断では原因を見誤るケースが多いです。そのため正確な原因を把握し、適切な対応をするには専門業者の診断が必要です。
当社では相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。ぜひ気軽にご相談ください。
SAS HDDが認識しない主な原因
SAS HDDが認識しない場合、以下のような原因が考えられます。
SASコントローラの問題
SAS HDDは通常のSATAポートでは認識されず、専用のSASコントローラが必要です。適切なSAS対応のRAIDカードまたはHBAカードが搭載されているか確認しましょう。
RAIDの設定が影響している
以前RAIDアレイの一部として使用されていたHDDは、単独では認識されないことがあります。RAID設定を解除することで認識される場合があります。
ドライバの問題
SASコントローラのドライバがインストールされていない、または古い場合、OSでHDDが認識されないことがあります。最新のドライバをインストールすることで解決する可能性があります。
物理的な接続の不具合
SAS HDDは専用のSASケーブルと電源が必要です。接続不良があると、HDDが認識されないため、ケーブルや電源の状態を確認しましょう。
HDDの物理的な故障
HDDから異音がする、または回転しない場合、物理的な故障の可能性があります。この場合、データ復旧業者に相談することをおすすめします。
SAS HDDが認識しない場合の対処法
SAS HDDが認識しない場合、以下の方法で解決できる可能性があります。
SASコントローラの確認
適切なSASコントローラが搭載されているか確認し、必要に応じてSAS対応のRAIDカードやHBAカードを追加してください。
RAID設定を解除する
RAID設定を解除することで、認識されない問題が解決する可能性があります。
- PCを再起動し、BIOS画面に入る。
- Ctrl + Cキーを押し、「LSI Corporation Configuration Utility」を開く。
- RAID Propertiesを開き、既存のボリュームを削除する。
- RAIDを解除し、設定を保存して再起動する。
ドライバを更新・インストールする
SASコントローラのドライバが古い、または適切にインストールされていない場合、SAS HDDが認識されないことがあります。最新のドライバに更新することで解決する可能性があります。
- 「デバイスマネージャー」を開く。(Windowsキー + X を押して「デバイスマネージャー」を選択)
- 「ストレージ コントローラー」または「SAS コントローラー」の項目を展開する。
- 「SAS コントローラー」(例:LSI SAS Controller)を右クリックし、「ドライバーの更新」を選択する。
- 「ドライバーを自動的に検索」を選択し、最新のドライバがある場合はインストールする。
- ドライバの更新が完了したら、PCを再起動する。
- PC起動後、「ディスクの管理」を開き、SAS HDDが認識されているか確認する。
※最新ドライバが見つからない場合は、SASコントローラの製造元の公式サイトからドライバをダウンロードし、手動でインストールしてください。
ケーブルと電源をチェックする
SAS HDDの接続には専用のSASケーブルと安定した電源供給が必要です。接続を確認し、ケーブルを交換してみてください。
HDDの異常をチェックする
HDDが物理的に故障している場合、SASコントローラが認識してもディスクが表示されないことがあります。以下の方法でHDDの異常をチェックしましょう。
- HDDを耳に近づけて異音(カチカチ音やジー音)がしないか確認する。
- HDDを別のSAS対応のPCやRAIDカードに接続し、認識されるか確認する。
- 「デバイスマネージャー」や「ディスクの管理」でHDDが表示されるか確認する。
- 専用のHDD診断ツール(例:MegaRAID Storage Manager、HDDメーカー提供の診断ツール)を使用し、S.M.A.R.T.情報をチェックする。
- 「代替処理済みセクタ数」や「異常なセクタ数」が多い場合は、HDDの寿命が近づいている可能性がある。
- 異音がする、どのPCでも認識しない場合は、HDDの物理故障が疑われるため、専門のデータ復旧業者に相談する。
HDDが物理的に故障している場合、通電を繰り返すと状態が悪化し、データが取り出せなくなる可能性があります。重要なデータがある場合は、すぐにデータ復旧専門業者へ相談することをおすすめします。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
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よくある質問
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。