TPM(Trusted Platform Module)は、Windowsのセキュリティ機能を強化するためのハードウェアモジュールです。しかし、TPMエラーが発生すると、Windowsのセキュリティ機能が適切に動作しない可能性があります。この記事では、TPMエラーの原因と具体的な対処法について詳しく解説します。
目次
TPMエラーの原因
TPMエラーが発生する原因はいくつかあります。以下に主な原因を挙げます。
TPMが無効化されている
TPMは通常、BIOSまたはUEFIの設定で有効になっていますが、手動で無効化されている場合や、システムアップデート後に設定がリセットされることがあります。TPMが無効のままだと、Windowsのセキュリティ機能(BitLockerやWindows Helloなど)が正常に動作しません。
特に企業向けのPCやカスタムビルドのPCでは、TPMがデフォルトで無効化されているケースもあります。そのため、BIOSまたはUEFIの設定を確認し、TPMを有効にすることが重要です。
TPMドライバーの問題
TPMは専用のドライバーによって管理されていますが、ドライバーが古かったり破損していたりすると、正常に動作しないことがあります。特に以下のケースでは、TPMエラーが発生する可能性があります。
- Windowsのアップデート後にTPMドライバーが互換性の問題を起こす
- TPMドライバーが正しくインストールされていない
- システムがTPMモジュールを正しく認識できていない
この場合、ドライバーの更新または再インストールを行うことで問題が解決する可能性があります。
BIOSの設定や互換性の問題
TPMはBIOSまたはUEFIの設定に依存しており、以下のような問題があるとエラーが発生することがあります。
- BIOSのバージョンが古く、最新のTPM仕様に対応していない
- TPMの設定が誤っている(例:「Discrete TPM」ではなく「Firmware TPM」に設定すべき場合)
- TPMを無効化する設定(例:「TPM State」が「Disabled」になっている)
特にWindows 11では、TPM 2.0が必須要件となっているため、古いBIOSのままだと互換性の問題が発生することがあります。そのため、BIOSの設定を見直し、必要に応じてアップデートを行うことが重要です。
システムファイルの破損
Windowsのシステムファイルが破損すると、TPMが正しく認識されなくなることがあります。システムファイルの破損は、以下の原因で発生する可能性があります。
- 不完全なWindowsアップデート
- マルウェア感染
- ディスクエラーや不良セクタ
- 誤ったレジストリ設定の変更
この場合、Windowsのシステム修復ツールを使用して破損したファイルを修復することで、TPMエラーを解決できることがあります。
ハードウェアの故障
TPMはマザーボードに統合されたハードウェアモジュールであるため、物理的な故障が発生するとTPMエラーが発生することがあります。以下のようなケースでは、TPMのハードウェア故障が疑われます。
- TPMがデバイスマネージャーやBIOSで認識されていない
- PCの落下や物理的なダメージを受けた後にエラーが発生した
- TPMを有効化しても認識されない
このような場合、マザーボードの交換が必要になる可能性があります。保証期間内であれば、PCメーカーのサポートに問い合わせることをおすすめします。
TPMエラーの対処法
TPMエラーが発生した場合、以下の方法を試してみてください。
TPMの有効化
TPMが無効になっている場合、BIOSまたはUEFIの設定で有効にする必要があります。
- PCを再起動し、BIOSまたはUEFIに入る(通常はF2、F10、Delキーを押す)。
- 「セキュリティ」または「Trusted Computing」セクションを開く。
- TPMのオプションを「有効(Enable)」に設定する。
- 設定を保存し、PCを再起動する。
TPMドライバーの更新
TPMのドライバーが古い場合、更新することでエラーが解決する可能性があります。
- Windowsの検索バーで「デバイスマネージャー」と入力し、開く。
- 「セキュリティデバイス」を展開する。
- 「Trusted Platform Module」を右クリックし、「ドライバーの更新」を選択する。
- 「自動的にドライバーを検索」を選択し、最新のドライバーをインストールする。
TPMのクリア
TPMのクリアを行うと、一部の問題が解決することがあります。
- 「Windowsセキュリティ」を開く。
- 「デバイスのセキュリティ」→「セキュリティプロセッサの詳細」をクリック。
- 「セキュリティプロセッサのトラブルシューティング」→「TPMのクリア」を選択。
システムファイルの修復
Windowsのシステムファイルが破損している場合、修復を試みることができます。
- 「スタートメニュー」を右クリックし、「Windowsターミナル(管理者)」を選択。
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押す。
sfc /scannow
BIOSの更新
PCのBIOSが古いとTPMが正常に動作しないことがあります。
- PCメーカーの公式サイトにアクセスし、最新のBIOSをダウンロードする。
- ダウンロードしたファイルを解凍し、メーカーの指示に従ってインストールを行う。
- BIOSの更新後、PCを再起動する。
ここまで試してもエラーが解決しない場合、ストレージデバイスが物理的に故障している可能性が高く、個人での対応は極めて困難です。無理に操作を続けると、データの上書きや完全消失など、取り返しのつかない事態に陥ることもあります。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
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HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。