HDD（ハードディスクドライブ）は、データを保存・読み書きするための重要な記憶装置ですが、その仕組みや内部構造を詳しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか？

本記事では、HDDの基本構造と動作原理をわかりやすく解説します。プラッタや磁気ヘッド、アクチュエータなどの役割を知ることで、HDDのデータ保存の流れが理解でき、適切な管理やトラブル時の対処にも役立ちます。

HDDの仕組みを知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。

外付けHDDと内蔵HDD

HDDは、データ保存に欠かせない記憶媒体ですが、大きく「内蔵HDD」と「外付けHDD」の2種類に分けられます。PCやサーバーに搭載される内部HDDと、USBなどで接続する外付けHDDでは、普及率や用途に違いがあります。本記事では、それぞれの普及状況と特徴について簡潔に解説します。

内蔵HDDと外付けHDDの普及率

内蔵HDDはPCやサーバーに標準搭載され、企業やデータセンター向けの需要が高く、市場全体の出荷台数が多いです。取り外しには工具や分解作業が必要で、特にノートPCや一体型PCでは難易度が高く、誤った取り扱いが故障の原因になります。デスクトップPCでは比較的容易ですが、ケーブルの取り外しやマウントの解除が必要です。

一方、外付けHDDは個人向けのバックアップやデータ保存用途で普及し、ノートPCやゲーム機、録画機器などで広く利用されています。簡単に接続・取り外しができ、増設も手軽な点が特徴です。

まとめると、業務用途では内蔵HDD、個人用途では外付けHDDの利用が多く、クラウドストレージの普及により個人向け市場も拡大しています。

HDD故障時、内部で何が起きるのか

HDD故障時、正常に動作せず、異音が発生することがあります。

たとえば、後述するプラッタ（ディスク）が故障すると、読み書きができなくなり、HDDが認識されなくなることがあります。原因としては磁性層の劣化が挙げられます。

特にヘッドクラッシュ（読み書きするヘッドがプラッタに接触し、磁性面を傷付けてしまう現象）が起こると、データが物理的に破損する危険性が高まります。

無理に操作を続けるのは危険：専門家に相談すべき状況とは

特に次の症状がみられた場合は要注意です。

• HDDが認識されない
• 異音（カチカチ・ジー・ガリガリなど）がする
• データにアクセスできない

これらの異常が発生した際に無理な操作を続けると、内部の磁気ヘッドやプラッタが損傷し、復旧率が大幅に低下するケースもあります。

また、認識しないHDDに対して、市販の復旧ソフトを試すことで、誤った書き込みが行われ、データの上書きが発生するリスクも考えられます。

大切なデータを守るためには、適切な診断と対処が不可欠です。その点、当社では、HDDの障害状態を正確に分析し、最適な復旧方法をご提案しています。

デジタルデータリカバリーは、46万件以上の相談実績（期間：2011年1月以降）を誇り、一部復旧を含む復旧件数割合91.5%（内、完全復旧57.8%。復旧件数割合＝データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績）という高い成果を達成しています。

初期診断とお見積りは無料。24時間365日対応で、緊急時にもすぐにご相談いただけます。データの消失を防ぐためにも、異変を感じたら早めの診断が重要です。

 

HDDの基本構造

HDD内部は磁気ヘッドやプラッタなどの精密部品で構成されており、ホコリや異物の影響を受けやすいため、専用のケースで密閉されています。

この構造により、HDDは安定した動作を維持し、長期間のデータ保存が可能となります。

HDDの基本構造は次の通りです。

プラッタ（磁気ディスク）

プラッタは、HDD内でデータを記録する円盤状の部品です。HDDには通常、複数枚のプラッタが搭載されており、それぞれの表裏両面にデータを記録できます。プラッタはスピンドルモータによって高速回転し、磁気ヘッドが目的の位置に移動してデータを読み取ります。

スピンドルモータ

スピンドルモータは、HDD内でプラッタを回転させるためのモーターです。プラッタはこのモータによって毎分5,400～15,000回転します。高速な回転ほどデータアクセスが速くなり、安定した回転を維持することで、データの読み書きエラーを防ぎます。

磁気ヘッド

磁気ヘッドは、HDD内でデータを読み書きする部品です。プラッタの表面にある磁気の向きを変えることでデータを記録し、同じ仕組みで情報を読み取ります。

HDDが動作すると、磁気ヘッドはプラッタ上を浮遊しながらデータを記録・読み取りを行います。ヘッドが正確な位置に移動することで、必要なデータに素早くアクセスできます。

アクチュエータ

アクチュエータは、HDD（ハードディスクドライブ）内で磁気ヘッドを動かす装置です。ヘッドを正確な位置に移動させることで、データを読み書きできるようにします。

アクチュエータは電磁力を利用して高速で動作し、必要なデータの場所へヘッドを移動させます。これにより、HDDは効率よくデータを読み取ることができます。

コントローラチップ

コントローラチップは、HDD全体を制御する部品です。データの管理やエラー処理を行い、HDDが正常に動作するように調整します。

HDDの取り扱いと注意点

HDDは精密機器であり、取り扱いに注意が必要です。以下の点を守ることで、故障のリスクを減らせます。

安全なデータ復旧のために

HDDパーツの故障はHDD全体の動作に関わるため、自力での修復は困難です。当社では、クリーンルーム（クラス100）を完備し、専門技術でHDDの復旧を行っています。

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