Seagate製のHDD「ST3000DM001」は高い普及率を誇る一方で、ヘッド故障によるデータ障害の報告も少なくありません。
とくに「Head1(第2読み取りヘッド)」の異常が原因でデータの一部または全体が読み取れなくなるケースが多数発生しています。
本記事では、このような状況で考えられる故障原因と、物理・論理の両面から見た適切な対処法を専門的な視点で詳しく解説します。
目次
Head1 故障が引き起こす主な原因
ヘッドユニットの損傷は非常に繊細なトラブルであり、原因を誤認した対応はデータ損失を招くおそれがあります。以下では、主な原因を分類して解説します。
ヘッドクラッシュ
HDD内部のヘッドが何らかの要因でプラッタ表面に接触し、物理的な損傷を与える現象です。クリック音(クリッキング)が連続して聞こえる場合、多くはこのヘッドクラッシュが原因であることが疑われます。
一度でもこの状態に陥ると、自己修復は困難で、さらなる動作はデータの完全消失を招く可能性があります。
ファームウェアの破損
HDD内部に組み込まれた制御プログラム(ファームウェア)が破損していると、ヘッド動作に異常が生じ、正常にデータを読み取ることができなくなる場合があります。更新や誤ったファームウェアの適用が原因になることもあり、極めて繊細な問題です。
プラッタの劣化
HDDのデータは、磁性体で覆われた円盤状の部品「プラッタ」に記録されています。
このプラッタは非常に繊細な構造をしており、経年劣化や高温環境での長時間使用、あるいは落下や衝撃などによって磁気信号の精度が低下することがあります。
磁気信号が劣化すると、プラッタ上の特定の領域が読み取りづらくなり、ヘッドが一部のトラックを正しく認識できなくなる場合があります。
その結果、ファイルの一部が開けなくなったり、OSが読み込みエラーを起こしたりするなど、データアクセスそのものが不能になるリスクが高まります。
物理的な劣化が関係する場合、自力での復旧は難しい?

このような状態を放置すると、読み取りエラーが拡大し、最終的にはドライブ全体が認識されなくなる恐れもあります。物理的な劣化が関係する場合、自力での復旧は難しく、誤った操作によって状態を悪化させてしまう可能性もあるため注意が必要です。
デジタルデータリカバリーでは、HDDの内部構造や磁気信号の状態を専用装置で診断し、劣化が進んだデータ領域に対しても、独自技術によって安全に復旧を試みます。
初期診断とお見積りは無料で、24時間365日対応しておりますので、HDDの読み取りに異常を感じたら、できるだけ早くご相談ください。
Head1故障時に取るべき対処法
このようなトラブルに直面した場合、自己流での復旧作業は極めて危険です。以下に紹介する対処法を、リスクレベルの低いものから順に実施することを推奨します。
専門業者への依頼
最も確実で安全な方法は、物理障害に対応できる専門のデータ復旧業者に相談することです。
Seagate公式のRescue Data Recovery Servicesや、物理障害専用の復旧環境(クリーンルーム)を持つ業者での作業が推奨されます。
- 電源を切り、通電を止める。
- HDDを分解せず、取り外して静電気防止袋に包む。
- データ復旧専門業者に初期診断を依頼し、見積もりを確認。
ヘッド交換作業
故障したHead1を同一型番のドナー部品により交換する方法です。高度な設備と経験が必要で、一般ユーザーによる作業は現実的ではありません。
- 同一ロット番号・ファームウェア一致のドナーHDDを用意。
- クリーンルーム内でヘッドユニットを慎重に取り出し、交換。
- 交換後はイメージ取得を最優先とし、直接読み出しは避ける。
ディスクイメージの作成
読み取り可能な領域だけでも保持するために、ディスク全体のイメージ(クローン)を作成します。これはデータ保護と解析に有効です。
- 障害ディスクを通電せずにイメージ取得可能な機器に接続。
- Disk Drillなどのツールを使い、不良セクタをスキップしてクローンを作成。
- イメージ作成後、別媒体で解析・復旧処理を行う。
ファームウェアの修復
ファームウェアに異常がある場合、専用ツールで診断・修正することで復旧するケースもあります。ただし、操作を誤ると状況が悪化するため、必ず専門家が実施すべき工程です。
- PC-3000などの専用ツールを用意し、診断モードで接続。
- 障害コードやファームテーブルの破損を確認。
- 適切なモジュールを再書き込みして、ヘッド動作を確認。
重要なデータがある場合は早めの相談が鍵
Seagate ST3000DM001は一部ロットで故障率が高いとの指摘もあり、使用年数やアクセス頻度に応じて内部劣化が進行している可能性があります。
大切なデータが含まれている場合、通電を続けたり自己流の修復を試みる前に、専門業者に相談することが、データを守るうえで最も有効な手段です。
当社では、46万件以上の復旧相談実績(期間:2011年1月以降)をもとに、Seagate製品を含む多数のHDDトラブルに対応してきました。一部復旧を含む復旧件数割合は91.5%、うち完全復旧率は57.8%(2023年10月実績)。クラス100のクリーンルームと専用ツールにより、物理障害にも迅速・安全に対応いたします。初期診断・お見積もりは無料、24時間365日体制で、いつでもご相談をお待ちしております。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み
デジタルデータリカバリーは、「データ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売り上げNo.1」の実績を持つデータ復旧業者です。データ復旧の技術力として、「データ復旧率最高値95.2%」を誇っています。
また、データ復旧業者の最後の砦と言われる所以として、「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」の実績を信頼いただいています。他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーの復旧技術であれば復旧できたという事例も多数ございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。