Windowsのメモリ診断ツールは、パソコンのメモリ(RAM)に問題がないかをチェックするための重要な機能です。しかし、いざ使おうとしても「再起動しても診断が始まらない」「起動しようとしても何も起こらない」といった不具合が発生することがあります。
本記事では、Windowsのメモリ診断ツールが起動しない原因と、すべての対処法を網羅的に解説します。
目次
メモリ診断ツールが起動しない原因
Windowsのメモリ診断ツール(Windows Memory Diagnostic)は、再起動時にメモリチェックを実行する仕組みですが、何らかの問題により再起動後に診断が開始されないことがあります。以下はその主な原因です。
システムファイルの破損
Windowsの内部で、メモリ診断ツールを起動するための関連ファイル(mdsched.exe
やブート関連ファイルなど)が破損していると、診断スケジュールが正常に登録されず、再起動してもチェックが始まらないことがあります。
過去のWindowsアップデートや突然の電源断が原因となることが多く、「Windows Memory Diagnosticが何もせず終了する」といった症状が出る場合はこのケースが疑われます。
ハードウェアドライバーの問題
特にチップセットドライバーやメモリ制御に関わるドライバー(Intel Management Engine、AMD Platform Driversなど)が古かったり、破損していたりすると、再起動時の低レベル処理が正しく動作せず、診断ツールがブロックされてしまうことがあります。
また、仮想化ソフトやドライバー監視ツールとの競合も発生しやすく、意図せず診断処理がスキップされることもあります。
オーバークロックの影響
BIOS/UEFIでCPUやメモリをオーバークロックしている環境では、ハードウェアの安定性が下がり、再起動後の診断処理でシステムがフリーズ、または診断そのものが開始されないといった問題が発生します。
これは特に自作PCやゲーミングPCで見られる傾向で、診断ツールが意図的に回避されるケースもあります。
システム設定の不具合
パソコンがうまく起動しない原因は、必ずしもハードの故障とは限りません。スタートアップに登録されているセキュリティソフトやSSD管理ソフトなどの常駐プログラムが、起動や診断の流れを妨げているケースもあります。
また、レジストリの設定ミスやシステムサービスの不整合があると、再起動時に自動診断がスキップされてしまうことがあります。さらに「高速スタートアップ(Fast Boot)」機能が有効になっていると、メモリ診断が正しく動作しないといった問題も起こり得ます。
こうしたソフトウェア起因のトラブルは、見た目では判断が難しく、自己流の対応では根本的な解決に至らないことも少なくありません。
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メモリ診断ツールが起動しない場合の対処法
以下の対処法を順に試すことで、Windowsメモリ診断ツールを正常に起動させることができます。
クリーンブートの実行
スタートアッププログラムやサードパーティ製サービスがメモリ診断の妨げとなっている可能性があります。クリーンな状態で起動して診断ツールを実行してみましょう。
- 「スタート」ボタンを右クリック →「ファイル名を指定して実行」→「msconfig」と入力しEnter。
- 「サービス」タブで「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェックを入れ、「すべて無効」をクリック。
- 「スタートアップ」タブで「タスクマネージャーを開く」を選択。
- すべてのスタートアップ項目を「無効」に設定。
- 「OK」をクリックし、再起動後にメモリ診断を試します。
MemTest86を使った検査
Windowsの診断ツールが使えない場合、外部の信頼性の高いメモリ検査ツール「MemTest86」を使って確認することが可能です。
- 公式サイトからMemTest86をダウンロード。
- ツールに含まれる「作成ユーティリティ」でブート可能なUSBメモリを作成します。
- USBをPCに挿入し、再起動 → BIOSでUSB起動を優先に設定。
- MemTest86が起動し、自動的にメモリチェックが始まります。
- エラーが出た場合はメモリに物理的な問題がある可能性が高いです。
システムファイルの修復
診断ツールの起動に関わるシステムファイルが破損している場合、コマンドラインからの修復が必要です。
- 「スタート」→「cmd」と入力し、右クリック →「管理者として実行」を選択。
- 「sfc /scannow」と入力してEnterキーを押します。
- スキャンと自動修復が開始されるので、完了まで待ちます。
- 完了後、再起動してメモリ診断を試します。
オーバークロックの停止
メモリやCPUがオーバークロックされていると、診断処理が正常に動作しないことがあります。安定動作のためにBIOS設定を戻しましょう。
- PCを再起動し、起動時に「Del」または「F2」キーを押してBIOSに入ります。
- 「OC」「Overclock」などの項目を探し、設定を「Auto」または「Disabled」に変更します。
- 変更を保存してBIOSを終了し、再起動します。
- メモリ診断ツールが起動するか確認します。
Windowsの再インストール
他の方法をすべて試しても改善しない場合は、システムの深刻な問題が疑われるため、Windowsの再インストールを検討します。
- Microsoft公式サイトから「Media Creation Tool」をダウンロード。
- インストールメディア(USBまたはDVD)を作成。
- メディアを挿入し、PCを再起動。ブートメニューからインストーラを起動。
- 画面の指示に従って、Windowsをクリーンインストールします。
- 再インストール後、メモリ診断ツールが起動するか確認します。
ツールが使えない場合でもあきらめない
Windowsメモリ診断ツールが起動しないからといって、メモリの不具合を放置すると、突然のフリーズやブルースクリーン、データ消失といった重大なトラブルに繋がります。問題の切り分けと対応を早めに行うことが重要です。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。