HDDのクローン作成中にエラーが発生すると、「クローンに失敗しました」「ディスクのアクセスが拒否されました」「ターゲットディスクが小さすぎます」などのエラーメッセージが表示されることがあります。
主な原因として、ターゲットディスクの容量不足、ブートセクタの破損、ディスクの不良セクタ、接続不良などが考えられます。
本記事では、HDDクローンエラーの主な原因とその修復方法について詳しく解説します。適切な方法を試し、スムーズにHDDのクローンを作成しましょう。
目次
HDDクローンエラーが発生する主な症状
HDDクローンエラーが発生した際の主な症状は次の通りです。
- クローン作成中に「アクセスが拒否されました」と表示される
- クローン先のディスクが認識されない
- 「ターゲットディスクが小さすぎます」というエラーメッセージが表示される
- クローン後、PCが正常に起動しない
同じ症状でも、原因はさまざまです。適切な対処法を実行しないと、状況が悪化し、最悪の場合、HDDのデータが失われる可能性があります。
正常に使用できない原因は、見た目や使用感だけでは判断できないため、自己判断では原因を見誤るケースが多いです。そのため、正確な原因を把握し、適切な対応をするには専門業者の診断が必要です。
当社では、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。ぜひ気軽にご相談ください。
【必見】対処が難しい物理障害とは
HDDクローンエラーが発生する原因として、まず懸念すべきなのが、「物理障害」です。物理障害とは以下を指します。
- 落下などの衝撃(部品破損)
- パソコンに水をこぼした(水没)
- 電源のつけっぱなしや高負荷な処理による過熱(熱暴走)
- 経年劣化によるパソコンの寿命(~5年程度)
物理障害が発生すると、ソフトウェアツールや再起動などを試しても効果がなく、むしろ損傷が拡大することもあります。
物理障害からの復旧には専門的な知識と特殊な設備が必要なため、原則自力での対応は不可能です。HDDを正常に起動させるためには、専門家に対処してもらう必要があります。
デジタルデータリカバリーは、国内最大級のデータ復旧ラボを有しており、通常の物理障害の復旧だけでなく、他社で復旧できないほど難易度の高い機器のご相談を7,300件以上（算出期間：2016年6月1日～）いただいております。お困りの際は是非ご相談ください。
HDDクローンエラーが発生する主な原因
HDDクローンエラーの主な原因として、以下の点が考えられます。
ターゲットディスクの容量不足
クローン先のディスクが元のHDDより小さいと、データを完全にコピーできずエラーが発生します。
ブートセクタのエラー
ブートセクタが正しくコピーされないと、クローン後にOSが起動しないことがあります。
ディスクの不良セクタ
ソースHDDに不良セクタがあると、クローン作成時にエラーが発生する可能性があります。
クローンソフトウェアの設定不備
クローンソフトウェアの設定によっては、ディスク全体がコピーされず、正常に動作しない場合があります。
BIOSの設定ミス
レガシー（MBR）とUEFI（GPT）の設定が一致していないと、クローン後にPCが起動しないことがあります。
HDDクローンエラーを修復する方法
HDDクローンエラーを修復するには、以下の方法を試してください。
ターゲットディスクの容量を確認し、十分な空き容量を確保する
- 「ディスクの管理」を開き、ターゲットディスクの容量を確認する。
- ターゲットディスクが元のHDDより小さい場合、より大容量のHDD/SSDを用意する。
- ソースHDDの不要なファイルを削除して、クローンのデータサイズを減らす。
ブートセクタを修復する
- Windowsのインストールメディアを使用してPCを起動する。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を開く。
- 以下のコマンドを実行する。
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd - 完了後、PCを再起動し、クローンが正常に起動するか確認する。
CHKDSKを実行してディスクエラーを修正する
ソースHDDに不良セクタがある場合、CHKDSKを実行して修復することで、クローン作成時のエラーを回避できる可能性があります。
- 「スタートメニュー」を開き、「cmd」と入力して「管理者として実行」を選択する。
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押す。
chkdsk C: /f /r
※C: の部分は、エラーが発生しているディスクのアルファベットに変更。 - 「このボリュームは別のプロセスで使用されているため、次回の起動時にチェックしますか？」と表示されたら、「Y」と入力し、Enterキーを押す。
- PCを再起動し、ディスクチェックが完了するのを待つ。
- 修復が完了したら、再度クローン作成を試す。
クローンソフトウェアの設定を最適化する
クローンソフトウェアの設定によっては、エラーが発生することがあります。特に、不良セクタがある場合やブートセクタのコピーに問題がある場合は、設定の最適化が重要です。
- 使用しているクローンソフトウェア（例：AOMEI Backupper、EaseUS Todo Backup、Macrium Reflectなど）を起動する。
- 「ディスククローン」または「システムクローン」を選択する。
- ソースディスク（コピー元）とターゲットディスク（コピー先）を選択する。
- 「高度な設定」または「クローンオプション」を開く。
- 以下の設定を有効にする：
- 「不良セクタをスキップする」
- 「SSDを最適化する（SSDへクローンする場合）」
- 「セクター単位のクローン」（必要に応じて）
- 設定を保存し、クローン作成を開始する。
BIOSの設定を確認し、適切な起動モードを選択する
クローン後にPCが起動しない場合、BIOSの起動モード（レガシー/UEFI）が適切に設定されているか確認しましょう。
- PCの電源を入れ、起動時にF2キーまたはDelキーを押してBIOS（UEFI）を開く。
- 「Boot」または「起動」メニューに移動する。
- 「起動モード（Boot Mode）」を確認し、以下の条件に適したモードに変更する：
- 元のHDDがMBRの場合 → レガシー（Legacy）を選択。
- 元のHDDがGPTの場合 → UEFIを選択。
- 変更を保存（通常はF10キー）し、BIOSを終了する。
- PCを再起動し、クローンしたHDD/SSDから正常に起動するか確認する。
これらの方法を試してもクローンエラーが解決しない場合、HDD/SSDの物理的な故障や、ソフトウェアの問題が考えられます。その場合は、データのバックアップを取り、専門家に相談することをおすすめします。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
