ハードディスク(HDD)は、ある日突然故障するように見えても、実際にはその前にさまざまな“サイン”を出していることが多くあります。
異音やアクセスエラー、動作の不安定さなど、前兆を見逃さずに対処できれば、データ損失を未然に防ぐことが可能です。この記事では、HDDが故障しつつある際に現れる代表的な症状と、それぞれの具体的な対策を解説します。
目次
HDDの異常を示す代表的な前兆
HDDが故障し始めたときに現れる「音」や「動作の変化」は、重要な警告サインです。以下に主な症状を分類して紹介します。
異音の発生
HDD内部の物理機構が劣化・損傷しているとき、「異音」が最初のサインとして現れることがあります。
- 「カチカチ」「カコンカコン」などの音:ヘッドが正常に位置決めできず、何度も着地と離陸を繰り返している状態です。ディスク表面を傷つける恐れがあります。
- 「ガガガ」「ジリジリ」などの摩擦音:モーターや内部機構が物理的に摩耗・破損している可能性が高いです。
- 焦げたような異臭:基板や回路がショートや過熱を起こしており、通電を続けると重大な破損につながります。
動作の不安定化・遅延
異音がない場合でも、動作が不安定になってきたら注意が必要です。以下のような症状は故障の予兆です。
- 起動・読み込みの遅延:HDDの読み取り速度が低下し、OS起動やファイル操作に通常より時間がかかる。
- 頻繁なフリーズやクラッシュ:不良セクタや読み込み不能な領域が増え、システム全体が不安定になります。
エラーメッセージの多発
次のようなエラーメッセージが頻繁に出る場合、HDDの信頼性が著しく低下しています。
- フォーマット要求:論理的な破損やファイルシステムエラーにより、OSがHDDを認識できなくなっている状態。
- CRCエラー:データ転送中に内容が壊れており、ケーブル不良やセクタ損傷の可能性があります。
- SMARTエラー:HDD自身が異常を検知しており、メーカーの定義したしきい値を超えた可能性があります。
ファイルの破損・文字化け
論理障害が進行すると、ファイル名の文字化けやアクセス不能といった症状が発生します。
- ファイル名やフォルダ名が文字化け:ファイルシステムの一部が破損しており、正常な読み込みができません。
- ファイルが開けない:物理的に損傷したセクタに保存されているため、読み取り不能になっています。
HDD故障の兆候と原因別の対処法
以下に紹介する各症状は、物理的または論理的な障害によってHDDが正常に動作しなくなりつつある状態を示すサインです。異常を感じたら、安易に使い続けず、早期対応を心がけましょう。
異音の発生
「カチカチ」「ガリガリ」「ガガガ」という音がする場合、HDD内部のヘッドがプラッタに接触している、もしくはモーターや回路に異常がある可能性があります。また、焦げたような異臭がする場合は、電気系統の過熱や焼損が進んでいる恐れもあります。
- すぐにPCの電源を切り、通電を停止します。
- 通電状態での無理な操作や再起動は避けてください(ディスク表面が損傷する可能性があります)。
- 専門業者へ相談し、クリーンルームでの診断や物理復旧を検討します。
動作の不安定化
起動に時間がかかる、処理が重い、頻繁にフリーズするなどの症状は、不良セクタや読み取りエラーが発生しているサインです。
- OSやアプリケーションの更新を確認し、最新の状態に保ちます。
- CrystalDiskInfoなどでSMART情報を確認し、「代替処理済セクタ数」などの異常値がないかチェックします。
- PC内部の温度上昇が原因である場合もあるため、冷却ファンの掃除やエアフロー改善も行います。
エラーメッセージの表示
「フォーマットしますか?」というダイアログや「CRCエラー」「SMART警告」などは、データの読み書きに深刻な障害が発生している兆候です。
- フォーマット要求が出ても絶対に実行せず、まずはデータ救出を優先します。
- SMART警告がある場合は、即座にバックアップを取り、HDDの使用を中止します。
- HDDメーカーの診断ツール(例:SeaTools、Data Lifeguard)で詳細チェックを行うのも有効です。
データの破損
ファイルが開けなかったり、フォルダ名が文字化けしている場合は、ファイルシステムが壊れているか、HDDの一部が読み込めなくなっている状態です。
- 壊れたファイルへのアクセスやコピーを繰り返すと、症状が悪化するため控えます。
- 別のPCやHDDにデータを移すことが可能であれば、すぐにコピーを行います。
- 復旧ソフト(TestDisk、PhotoRecなど)で読み出しを試み、それでも難しい場合は業者に相談します。
不良セクタの増加
不良セクタとは、物理的または論理的に読み書きができなくなった領域のことです。増加傾向がある場合は、HDD自体の寿命が近づいているサインといえます。
- SMART情報で「Reallocated Sectors Count」「Pending Sectors Count」などを確認します。
- これらの数値が増加していたら、HDDの交換を計画的に進めます。
- 重要データが残っている場合は、バックアップを取りながら慎重に対応しましょう。
総合的な対策と予防策
異常が出ていない場合でも、HDDの健康状態を維持するには定期的な点検とバックアップが重要です。
- 定期的に重要ファイルを外付けHDDやクラウドにバックアップします。
- CrystalDiskInfoなどでSMART情報を監視し、しきい値超過の前兆を早期に発見します。
- PC内部のホコリ除去やエアフロー確保など、温度対策を忘れずに。
- 異音や異臭を感じたときは、必ずすぐに電源を切り、通電を避けてください。
HDDは消耗品であり、必ず寿命があります。異常音、動作遅延、エラーメッセージなどは、明確な「故障のサイン」です。症状を見逃さず、早めにバックアップと対策を講じることで、大切なデータを守ることができます。
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この記事を書いた人
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HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。