HDDから「カチカチ」「ガリガリ」などの異音が聞こえたら、それは重大な故障のサインかもしれません。原因は内部部品の劣化や基板の異常、落下・水没などさまざまです。
本記事では、異音の原因別に対処法をわかりやすく解説。自力で対応できるかどうかの判断基準や、やってはいけないNG行動、プロに相談すべきタイミングも紹介しています。
異音に気づいたら、早めの対応がデータ復旧のカギになります。正しい対処法を確認しましょう。
目次
HDDから異音が出る主な原因
HDDは、プラッタ(円盤)を高速回転させ、その上に浮かぶように配置されたヘッドでデータを読み書きする非常に精密な装置です。内部には物理的に可動する部品が多いため、異音の原因も多岐にわたります。
下記は、HDDから異音が出る代表的な原因です。音の種類により、発生しているトラブルの内容をある程度推定できます。
- ヘッドクラッシュ・ヘッド不良
- プラッタ損傷・摩耗
- モーターやベアリングの故障
- PCB(基板)や電子部品の不良
- 落下・衝撃・水没・過電流
- 経年劣化・使用過多
ヘッドクラッシュ・ヘッド不良
HDD内部の読み書きヘッドは、プラッタ表面からわずか数ナノメートル浮いた位置で高速移動しながらデータを読み取っています。このヘッドがなんらかの理由でプラッタと接触した状態を「ヘッドクラッシュ」と呼びます。
ヘッドクラッシュが発生すると、「カチカチ」「カコン」「ガリガリ」などのクリック音や擦過音が聞こえます。このとき、プラッタ表面に直接傷が入り、記録されたデータそのものが破壊されている可能性が非常に高いです。
繰り返し通電するとさらに損傷が拡大し、完全復旧が不可能になる恐れがあります。
プラッタ損傷・摩耗
HDDのプラッタは非常に繊細で、微細な摩耗や汚れ、ヘッドの繰り返し接触によって物理的損傷が生じます。
特に長年使用されたHDDでは、摩耗によってプラッタ表面の磁性体が剥がれ、ヘッドとの摩擦音として「キー」「ガリガリ」という異音が発生するケースが多く見られます。
モーターやベアリングの故障
HDDの中心部にあるスピンドルモーターは、プラッタを1分間に数千回転で回転させるための駆動源です。このモーターや軸受け(ベアリング)が劣化または故障すると、回転音が不規則になり、「ブーン」「ジー」「ウィーン」などの低音振動音が発生します。
こうした音は静かに聞こえるため見過ごされがちですが、HDDの回転が不安定になることで読み書き処理が正常に行えなくなり、最終的にデータアクセス不能になります。
PCB(基板)や電子部品の不良
HDDの裏側には、電力供給や信号制御、ファームウェア制御を担う制御基板(PCB)が搭載されています。この基板上のICチップがショートしたり、ファームウェアが破損した場合にも、HDDが認識されなくなり、「カチカチ」と一定間隔で動作を繰り返す音が出るようになります。
特に、雷による電源障害や静電気の影響を受けたHDDでよく見られる症状です。外見上は焦げ跡がなくても、電子部品の内部ではすでに故障が進行している可能性があります。
落下・衝撃・水没・過電流
ノートPCのHDDや外付けHDDを落としたり、ぶつけたりした場合、HDD内部に衝撃が加わり、ヘッドの位置ズレやクラッシュ、基板の破損が起こります。また、水濡れや静電気によるショート、電源ユニットの過電流などによっても異音が生じます。
これらの外的損傷が原因の場合、複数の箇所に障害が同時発生していることが多く、修理や復旧が非常に困難です。
経年劣化・使用過多

HDDは内部にモーターやベアリング、磁気ディスク(プラッタ)などの消耗部品を多く含んでいます。長期間の使用により、こうした部品は少しずつ劣化し、「カリカリ」「ガリガリ」「ブーン」といった異音が発生しやすくなります。
これらの音は、部品の摩耗や磁気の剥離が進んでいるサインであり、放置すれば最終的にHDDが動作不能になり、大切なデータを失う可能性があります。
デジタルデータリカバリーでは、異音が発生したHDDからでも、専門設備と技術を用いて安全にデータを取り出す対応を行っています。「まだ動いているから大丈夫」と思っていても、症状が進行すれば復旧の難易度も上がってしまいます。
異音に気づいたら、まずは通電を控え、早めに専門業者へ相談することがデータを守る第一歩です。24時間365日体制でご相談を受け付けておりますので、突然のトラブルにも安心してご依頼いただけます。
大切なデータを守るために、異常を感じたら早めのご相談をおすすめします。
HDD異音への修理・対処方法
HDDから異音が発生した場合、安易な操作や通電の継続は状態を悪化させる原因となります。ここでは、安全かつ効果的な修理・対処手順を詳しく紹介します。
ステップ1:異音の確認と切り分け
- 異音の発生源が本当にHDDかどうかを確認(ファンやCPUクーラーと混同しない)
- PCケースを開けて耳を近づけ、異音の発信源を特定
ステップ2:ケーブル・電源・接続のチェック
- 他のSATAケーブル、別のSATAポート、別の電源ユニットを使用して確認
- 外付けHDDならUSBポートやACアダプタを交換してみる
ステップ3:バックアップが可能なら速やかに実行
異音がしていても、まだデータにアクセスできる場合は、早急に重要データを別のストレージに退避してください。完全に認識しなくなる前の一度きりのチャンスです。
ステップ4:HDDの交換・廃棄を検討
異音が続き、アクセスも不安定であれば、HDDの寿命と判断して交換を検討するべきです。OSが入っている場合は、クローンソフトなどで新しいSSDやHDDにシステムを移行する方法もあります。
ステップ5:データ復旧専門業者へ依頼
異音の程度がひどい、HDDが全く認識されない、もしくは極めて重要なデータが入っている場合は、無理をせず専門のデータ復旧業者に相談してください。内部開封が必要な場合、クリーンルーム環境が必須となります。
当社では、ヘッド交換、モーター修理、基板交換、ファームウェア修復など、あらゆる物理障害に対応可能です。

HDD異音と対処方法の一覧表
HDD異音と対処方法の一覧は次の通りです。
原因 | 代表的な異音 | 推奨対応 |
---|---|---|
ヘッドクラッシュ | カチカチ、ガリガリ | 電源OFF→業者へ即相談 |
プラッタ摩耗 | キー、ガリガリ | データが重要なら業者へ |
モーター・軸受け故障 | ブーン、ジー | HDD交換または業者相談 |
基板故障・ショート | 無音、カチカチ | 専門業者による診断が必要 |
水没・衝撃 | 多様な異音 | 開封せず業者へ直送 |
使用過多・劣化 | ガリガリ、ブーン | バックアップ→交換 |
HDDの異音は“最終警告”と受け止める
HDDから異音が発生するということは、内部で機械的または電気的な異常が起きている証拠であり、もはや時間との戦いです。大切なデータを守るには、安易に再起動を繰り返さない・通電を続けない・自分で分解しないのが鉄則です。
異音の種類に応じて原因を特定し、必要に応じて速やかにプロに相談することが、データ復旧の成功率を高める最善の方法です。
当社は、復旧件数割合91.5%(完全復旧57.8%。2023年10月実績)、相談実績46万件以上(2011年1月以降)という確かな実績を誇り、クリーンルーム完備、24時間365日対応体制であらゆるHDD障害に対応可能です。初期診断・お見積もりは無料。HDDの異音でお困りの際は、まずはお気軽にご相談ください。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み
デジタルデータリカバリーは、「データ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売り上げNo.1」の実績を持つデータ復旧業者です。データ復旧の技術力として、「データ復旧率最高値95.2%」を誇っています。
また、データ復旧業者の最後の砦と言われる所以として、「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」の実績を信頼いただいています。他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーの復旧技術であれば復旧できたという事例も多数ございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。