HDDが認識されない原因は、接続や設定の問題から物理的損傷まで多岐にわたります。軽度の問題は本記事の対処法を試してください。
ただし重度の障害が疑われる場合は、専門業者に相談することが重要です。この記事では、原因と解決方法を初心者向けに解説し、専門業者の活用方法も紹介します。大切なデータを守るため、早めの対応を心がけましょう。
目次
認識されないHDDの原因
HDDが認識されない原因には、大きく分けて物理的な問題と論理的な問題があります。
これに加え、接続や設定の不備も原因となることがあります。それぞれの原因を以下で詳しく解説します。
物理的な損傷
HDDは精密機器であり、内部構造は非常に繊細です。外部からの衝撃、落下、または経年劣化による摩耗などで物理的な損傷が発生することがあります。このような場合、次のような症状が現れることが多いです。
- HDDから異音が聞こえる(クリック音やカチカチ音など)。
- 回転音がしない、または異常な音がする。
- HDDが全く起動しない。
この場合、自力での修復は非常に困難であり、無理に操作を続けると状況が悪化するリスクがあります。データ復旧の専門業者への相談が必要です。
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論理的な障害
ファイルシステムの破損やパーティションテーブルのエラーが発生すると、HDD自体は動作していても、パソコンが認識できない状態になります。次のような原因が考えられます。
- 誤った操作によるデータ削除やフォーマット。
- ウイルス感染によるファイル破損。
- 突然の電源断によるデータ不整合。
このような場合、HDD自体には物理的な問題がないため、データ復旧ソフトやWindowsの修復機能を活用して修復できる可能性があります。
ケーブルの接続不良
HDDとパソコンを接続するケーブルが正しく接続されていなかったり、断線していたりすると、HDDが認識されなくなることがあります。また、接続ポートが壊れている可能性もあります。
以下のチェックを行うことで、接続の問題を特定できます。
- ケーブルを別のものに交換する。
- USBポートやSATAポートを変更して再接続する。
- 外付けHDDの場合は、別のパソコンに接続してみる。
ドライバの不具合
HDDを認識するためには、適切なドライバが必要です。以下のような状況で問題が発生することがあります。
- ドライバが正しくインストールされていない。
- 古いバージョンのドライバを使用している。
- 他のソフトウェアとドライバが競合している。
ドライバを最新バージョンに更新することで解決できる場合があります。
BIOSの設定ミス
BIOS設定が誤っていると、HDDを認識できなくなることがあります。特に、新しいHDDを追加した場合やBIOSの設定を変更した後に発生することがあります。
以下のような設定を確認する必要があります。
- HDDが有効になっているか。
- SATAモード(AHCI、IDE)が適切に設定されているか。
- ブート順序が正しいか。
電源供給の問題
HDDが適切な電力を受け取れていない場合、動作が不安定になることがあります。特に外付けHDDの場合、次のような点を確認してください。
- ACアダプターが正しく接続されているか。
- 電源ランプが正常に点灯しているか。
- セルフパワータイプの外付けHDDの場合、USBポートが十分な電力を供給できるか。
認識されないHDDを復活させる方法
HDDが認識されない場合、以下の対処法を試すことで復旧の可能性があります。
ただし、物理的な損傷が疑われる場合は、自力での対応を避け、専門業者に相談することをおすすめします。
接続の確認と修正
最も基本的な対処法は、HDDとパソコンの接続状態を確認することです。
- HDDとパソコンを接続しているケーブルを外し、異常がないか確認する。
- 別のケーブルやポートを使用して再接続する。
- 外付けHDDの場合は、別のUSBポートに接続してみる。
- HDDが正しく動作している場合、パソコンがHDDを認識するか確認する。
Windowsのエラーチェックを実行
Windowsの「ディスクの管理」機能やサードパーティ製ソフトを使用して、HDDのエラーをチェックします。
- Windowsの検索バーに「ディスクの管理」と入力し、ディスクの管理ツールを開く。
- 認識されていないHDDを右クリックし、「プロパティ」を選択する。
- 「ツール」タブを選び、「エラーチェック」をクリックする。
- エラーチェックが完了したら、再度HDDが認識されるか確認する。
ドライバの更新または再インストール
HDDのドライバが古い場合や不具合がある場合、更新または再インストールすることで改善が期待できます。
- 「デバイスマネージャー」を開く(検索バーに「デバイスマネージャー」と入力)。
- 「ディスクドライブ」を展開し、該当するHDDを右クリックして「ドライバの更新」を選択。
- 「ドライバソフトウェアを自動検索する」を選択し、更新を試みる。
- 最新のドライバがインストールされた後、HDDが認識されるか確認する。
BIOS設定の確認と修正
BIOS設定を確認することで、HDDが認識されない問題を解決できる場合があります。
- パソコンを再起動し、起動中に「F2」キーまたは「Delete」キーを押してBIOS設定に入る。
- 「Advanced」または「Boot」メニューに移動し、HDDがリストに表示されているか確認する。
- 表示されていない場合は、「SATA設定」を確認し、正しいモード(例: AHCI)を選択する。
- 設定を保存してBIOSを終了し、パソコンを再起動する。
専門業者への依頼
上記の方法を試しても改善しない場合、HDD内部の部品やデータに問題がある可能性があります。特に物理的な損傷や重度の論理障害がある場合、自力での復旧はリスクが高いため、専門業者に依頼することを検討しましょう。
- 専門業者を検索し、実績や評判を確認する。
- HDDの状態やトラブルの経緯を詳細に伝える。
- 見積もりを確認した上で復旧作業を依頼する。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。