PCを長年使っていると、突然起動しなくなったり、頻繁にフリーズするようになるといったトラブルが増えてきます。
そういった時の対処法の1つがHDDリカバリーですが、トラブルの原因によってはリカバリーの作業によってデータを全て失ってしまう可能性があります。
そのような事態を避けるため、今回の記事では、HDDのリカバリーの手順とリスク、その解決策についてご紹介します。
目次
HDDリカバリーとは?
PCに不具合が起こった時にHDDのリカバリーを試そうと考える方もいるでしょう。まずはじめに、HDDリカバリーとはそもそも何なのかを説明します。
HDDリカバリー=PC初期化のこと
HDDリカバリーとは、PCに内蔵されているHDD(ハードディスク)の中に用意されているリカバリー領域を利用して、PCを初期化する(工場出荷状態に戻す)ことです。
※NEC製のPCでは、「リカバリー領域」ではなく「再セットアップ領域」と呼ばれています。
古い型のPCにはHDDリカバリー領域がないものもあるため、付属のリカバリーディスク(光学ドライブ)を利用するか、自分でリカバリーディスクを作成する必要があります。
初期化するということは、購入後にインストールしたアプリケーションや保存データは全て消えてしまうということです。
そのため、通常リカバリを実行するときは、事前に大切なデータのバックアップをとっておく必要があります。
解決できる可能性がある症状
トラブルの原因がOSや特定のアプリケーションによるものであれば、HDDリカバリーによって問題が解決する可能性があります。
具体的には、
- OS障害によるフリーズ、動作が重い
- 特定のアプリのプログラムで動作に問題が出ている
といった症状があげられます。
ただし、OS障害やアプリが原因ではなく、HDD自体が物理的に破損して不具合が生じているなどの場合は、かえって症状が悪化してデータをすべて失ってしまうリスクがあるため注意が必要です。
故障したHDDに発生した障害ごとの適切な対処方法は下記でも詳しく解説しています。
HDDリカバリーを行うときの注意点
HDDのリカバリーを行うときの注意点は3つあります。
バックアップがないソフト・データは全て消える
HDDのリカバリーをするとPCが工場出荷状態に戻るため、バックアップをとっていないソフトやデータは全て消えてしまいます。
つまり、購入後に自分でWordソフトをインストールしてファイルを作成・保存していた場合は、個別のファイルだけでなくWordソフトそのものも全て消去されるということです
必要なソフトやデータがあれば事前にバックアップをとっておくようにしてください。
もし、急にPCが起動しなくなった・フリーズした等の理由でバックアップをとれなかった場合は、データ復旧を試すことで、データを取り出せる場合があります。
長時間かかるため余裕をもって時間確保する
HDDのリカバリーには、最低でも数時間、長ければ半日ほどかかることがあります。
その間はPCを操作することができないため、リカバリーを実行する際は時間に余裕をもって始めるようにしてください。
また、途中でPCの充電が切れてリカバリーが中断されてしまうと、より深刻なトラブルにつながる可能性があります。
そのようなリスクを避けるため、リカバリーを実行するときには必ずACアダプタを使用してください。
かえって症状が悪化する可能性がある
前述したように、HDDリカバリーによって改善できる症状は、あくまでもソフトウェアの動作不良が原因のものに限られます。
HDD自体の物理的な損傷によって不具合が起こっている場合は、PCを起動しているだけで症状が悪化してしまいます。
そのため、PCの全てのデータをスキャン・削除してOSを再インストールするHDDリカバリーを実行すれば、致命的な損傷につながる危険性もあるのです。安易にHDDリカバリーを実行するのは避け、まずは症状の原因を確認してください。
HDDリカバリーの手順
HDDのリカバリー領域を利用する方法と、リカバリーディスクを利用する方法をそれぞれ説明していきます。
HDDのリカバリー領域を利用する方法
内蔵HDDのリカバリー領域を利用する方法は、メーカー・OSによって異なります。
正確な手順は取扱説明書やメーカーのHP等を確認してください。
ここでは、代表的なWindows8/8.1/10での手順を紹介します。
■HDDリカバリー領域を利用してリカバリーする方法(Windows8/8.1/10の場合)
1.ACアダプタを接続します。アプリを全て終了します。PCの設定からインターネット接続・スクリーンセーバー・スリープ機能を全てOFFにします。外付けHDD、USB、SDカードなどは全て抜いておきます。
2.スタート画面から[設定]→[更新とセキュリティ]→[回復]をクリックします。
3.「このPCを初期状態に戻す」という項目が出てくるので、[開始する]をクリックします。
4.目的に合わせて「個人用ファイルを保持する」「すべて削除する」を選択します。
※個人用ファイルを保持する…個人用ファイル以外が初期化されます。OSやドライバー、アプリはすべて削除されますが、ユーザーアカウントや個人ファイル等は保持されます。
※すべて削除する…ほぼ完全に工場出荷状態に戻ります。OSやドライバー、アプリだけでなく、個人用ファイルも含めて全てのデータが削除されます。
リカバリーディスクを使用する方法
古い型のPCなどではHDDにリカバリー領域がないものもあります。その場合は、あらかじめ作成しておいたリカバリーディスクを利用します。
リカバリーディスクに使用できるメディアはUSB、CD-R、DVD-R、BD-Rなどがあります。オススメはUSB(32GB以上の容量があるもの)です。
USBをオススメする理由として、どの型のPCでもほぼ確実に対応しているという点があります。
CD-R、DVD-Rなどの光学ドライブは対応していないPCもありますし、USBはコンパクトに収容できるというメリットもあります。
■リカバリーディスクを使用する方法
- リカバリーディスクを接続してPCの電源を入れます。
- 「オプションの選択」という画面の[トラブルシューティング]をクリックします。
- [詳細オプション]→[このPCを初期状態に戻す]をクリックして、目的に合わせて「個人用ファイルを保持する」「すべて削除する」を選択します。
リカバリーディスクを作成するのは、PC購入後すぐが望ましいです。 なお、USBでリカバリーディスクを作成すると、保存されていた個人データは自動的に削除されてしまいます。
USB内に必要なデータがある場合は事前に他の場所に移動させてから作業を行いましょう。
■USBを利用したリカバリーディスクの作成手順
- ACアダプタを接続します。アプリを全て終了します。PCの設定からインターネット接続・スクリーンセーバー・スリープ機能を全てOFFにします。外付けHDD、USB、SDカードなどは全て抜いておきます。
- [Windowsメニュー]を開き、[コントロールパネル]を検索して開きます。
- [システムとセキュリティ]→[管理ツール]→[回復ドライブ]をクリックします。
- 「システムファイルを回復ドライブにバックアップします」という項目にチェックを入れて[次へ]をクリックします。
- PCにUSBを差し、「使用可能なドライブ」に表示されたら[次へ]をクリックします。
- しばらく待ち、「回復ドライブの準備ができました」と表示されたら[完了]をクリックします。これで作成完了です。
修理業者へ依頼する
自分で実行するのが難しい方は、修理業者へ依頼することも可能です。
メーカーの保証などを利用できることもあるので、保証範囲内かどうか確認してみるとよいでしょう。
ただし、リカバリー作業を自分で行うときと同様に、修理に出すとデータは全て消えてしまいます。中のデータを取り出したい場合は、データ復旧の専門業者へ依頼することも検討してください。
HDDリカバリーができない原因
HDDのリカバリーを実行しようとしてもできない(PCがフリーズしたまま動かない等)場合は、何かしらの障害が起こっている可能性があります。
PCが不具合を起こす原因3種類
- 筐体不良
- 論理障害
- 物理障害
このうち、リカバリーで直せるのは「論理障害」のうち、軽いソフトウェア障害などに限られます。それ以外の原因で症状が起こっている場合は、リカバリーしても直らないということが起こります。
データ取り出したいときの注意点
データを取り出したいとき、守っていただきたいのは以下の2点です。
・通電しない
・初期化しない
トラブル発生初期は簡単にデータ復旧できることが多いのですが、むやみに作業や通電を続けるとデータ障害が進行してより復旧が難しくなります。
データ復旧の成功率は障害発生後の作業時間や対処法などで大幅に変わるため、上記の2点は守るようにしてください。
PCからデータを取り出す方法
データを失ってしまっては困る方のために、データを取り出す方法について説明します。 データを取り出す方法は大きく分けて2つです。
復元ソフトを使用する
1つ目は、市販の復元ソフトを使用して自力でデータを取り出す方法です。
データ復元ソフトを使えば、軽度の論理障害の場合はご自身で手軽に復元することができます。
しかし、重度の論理障害だったり、経年劣化をふくむ物理障害が発生していた場合はデータ復元ソフトでの復元はできません。
HDDのリカバリー作業と同様、もし物理障害が発生していた場合は復元ソフトの使用で逆に症状が悪化するリスクがあるため、注意してください。
復元ソフトを使用する場合は、事前に障害の程度を見極めなければなりません。ご自身での判断が不安な場合は、ソフトの使用を控えましょう。
データ復旧業者を利用する
2つ目の方法はデータ復旧の専門業者に依頼することです。
データ復旧の専門業者は、HDDやSSDに保存されたデータを復旧する専門家です。業者であれば高度の論理障害や物理障害であっても対応してくれるので安心です。
しかし、復旧依頼前にもかかわらず初期診断・見積りの時点で、費用を請求する業者もあるため、業者選定時には注意しましょう。
デジタルデータリカバリーでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、弊社のデータ復旧アドバイザーが、簡易診断と対応方法について、無料でご案内いたします。
また、機器別の専門のエンジニアによる無料初期診断を行っているので、お気軽にご相談ください。
経験豊富なエンジニアの無料診断が受けられます
デジタルデータリカバリーでは、相談から障害の診断、復旧費用の見積まですべて無料で行っています。累計41万件以上対応しているデータ復旧のスペシャリストが豊富な経験から原因を診断させていただきます。
データ復旧対応OS
Windows
- Windows10
- Windows8.1
- Windows8
- Windows7
- WindowsVista
- WindowsXP
- Windows2000
- Microsoft Exchange Server
- Windows Server 2003
- Windows2000 Server
- WindowsNT4.0 Server
- WindowsNT3.51 Server
macOS
- macOS High Sierra
- macOS Sierra
- OS X El Capitan
- OS X Yosemite
- OS X Mavericks
- OS X Mountain Lion
- MacOS X Lion
- MacOS X 10
- MacOS 9
- MacOS 8
- MacOS X Server
Linux
おります。- Debian
- Ubuntu
- Red Hat Enterprise
- CentOS
- Fedora
- Mandriva
- Vine
- SUSE
- Solaris
- SCO
- AIX
- HP-UX
- IRIX
- BSD
- Linux
- SUSE Linux
- RedHat Enterprise Linux EL
- RedHat Enterprise Linux AS
- RedHat Linux AS
Unix
- Solaris
- AIX
- HP-UX
- SCO UnixWare
- Caldera Open Unix
- 各種BSDシリーズ
- その他UNIXシリーズ
復旧~納品までの流れ
最短当日復旧!まずはご相談ください
当社では、初期診断は最短5分、ご依頼いただいた機器の約8割が48時間以内に復旧完了しています。ご相談・初期診断・お見積りまで無料でご案内しています。
また、過去41万件以上のご相談実績から算出されるデータベースを基に、機器や症状ごとに配置された専門のエンジニアが最先端設備と技術力を駆使して正確な診断と復旧作業を行います。大切なデータ、業務にかかわる重要なデータを復旧させたい場合はご気軽にご相談ください。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
対応メーカー
BUFFALOやI-O DATAをはじめ、各種メーカーに対応
様々なHDDから復旧できる可能性があります!
ハードディスク 復旧対応メーカー表
- IBM
- Western Digital
- Samsung
- Quantem
- MAXTOR
- seagate
- 東芝
- I-O DATA
- ASKA
- アドテックス
- BUFFALO(旧称:(株)メルコ)
- LaCie(ラシー)
- Logitec(ロジテック)
- エレコム
- Silicon Power
- ADATA
- HGST
- トランセンド
- FFF SMART LIFE CONNECTED
- Apricorn
- ハギワラソリューションズ
- プリンストン
- Lenovo
- FREECOM
- SONY
- メルコシンクレッツ
- IMATION
- ASUS
- Apple
- HP
※その他各種メーカーにも対応しております。現状弊社で対応できないメーカーはございません。お気軽にお問い合わせください。
画像・動画・Excelファイルなど、拡張子がつくものは全て対応しております。
その他メーカー・ファイルも対応可能です。詳しくはお電話でお問い合わせください。
データ復旧の料金について
データ復旧費用は4つの要素で決まります
-
1総ディスク容量
どれくらいの大きさか?
-
2故障箇所
どこが壊れているか?
-
3難易度
どれくらい壊れている?
-
4工程数
復旧にかかる期間は?
-
1総ディスク容量
どれくらいの大きさか?
-
2故障箇所
どこが壊れているか?
-
3難易度
どれくらい壊れている?
-
4工程数
復旧にかかる期間は?
お電話いただければ、専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算のお見積もりと復旧期間をお電話にてお伝えいたします。その後、無料初期診断(お見積もり)のご案内を差し上げることもできますので、金額面についてもお電話にてご相談ください。
データ復旧料金の目安
500GB未満 | 5,000円〜 |
---|---|
500GB以上 | 10,000円〜 |
1TB以上 | 20,000円〜 |
2TB以上 | 30,000円〜 |
※こちらに掲載されている金額は、あくまで総ディスク容量を元にした目安の金額です。 障害内容により、金額が異なりますので、まずはお電話にてご確認ください。
当社復旧費用のおすすめポイント
復旧料金は、診断結果に基づいたプラン(成功報酬制あり)をご提示いたします
当社では、機器の障害状況を診断させていただき、プランをご提示いたします。
成功報酬制プランにおける「復旧成功の定義データ」は、お客様の希望に合わせて設定が可能です。
ご相談・初期診断・見積まで無料で承りますので、お気軽に無料診断・見積サービスをご活用ください。
※症状により、復旧の可否にかかわらず作業費を頂戴する場合がございます。作業費が発生する可能性がある障害に関しては、事前にお客様に状況をお伝えした上で、作業費を発生させて復旧作業に着手するか、そのまま復旧作業に着手せず機器をご返却するかをご判断いただきます。
弊社の独断で復旧作業を遂行し、作業費を請求する事はございませんのでご安心ください。
ご不明な点に関してはお手数ですが、都度担当までお問合せください。
復旧できたデータは全て納品
成功定義データだけでなく、復旧できたデータは追加料金無しで全てご納品いたします。
お見積もり後に追加で作業料を請求することはありません
お見積もり後に追加で作業料金を請求することはありません。復旧の度合いにより、お見積もりから減額される事はあっても高くなる事はございませんのでご安心ください。
※納品用メディアのご購入やその他追加サービスへのご加入については別途料金が発生いたします。
お客様に合った支払い方法が選択可能
クレジットカード・銀行振込・現金支払いに加え、請求書支払い・保険支払い・公費でのお支払い・商社を介してのお支払い等、対応が可能です。ご成約時にお申し出下さい。
官公庁、国立大学法人、上場企業
多くのお客様にご利用いただきました
※ 掲載の許可を得た法人様の一部を紹介させていただいております。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。