HDD(ハードディスクドライブ)は、データ保存に欠かせないストレージデバイスですが、その寿命には限りがあります。適切なメンテナンスを行わなければ、使用年数や保管方法によって予想外の故障が発生することがあります。本記事では、HDDの耐用年数について、通電しない期間の影響も含め、データ復旧の専門家の視点から詳しく解説します。
目次
HDDの耐用年数の目安
HDDの平均的な耐用年数は3〜5年程度とされています。
これは、一般的なデスクトップPCやノートPCで使用されるHDDの目安であり、サーバー用途やNAS(ネットワーク接続ストレージ)など24時間稼働するHDDでは、1〜3年程度で寿命が尽きることもあります。
デスクトップPC・ノートPC用HDDの耐用年数
一般的なPCに使用されるHDDの耐用年数は3〜5年が目安です。ただし、使用頻度や動作環境によって大きく変動します。たとえば、1日数時間の使用であれば、5年以上使用できる可能性がありますが、稼働時間が長くなるとその分摩耗が早くなります。
サーバー・NAS用HDDの耐用年数
24時間稼働を前提とするサーバーやNAS用HDDの耐用年数は、1〜3年程度です。これらのHDDは高負荷の環境で常に稼働するため、通常のPC用HDDよりも寿命が短くなります。そのため、予防保守として、稼働開始から2年以内に交換することが推奨されています。
寿命が近いHDDの兆候と対応方法
HDDの寿命が近づくと、以下のような兆候が見られます。これらの兆候が現れたら、早急にデータをバックアップし、必要に応じてHDDを交換する準備をしましょう。
- HDDから異音がする(カチカチ音やグラインド音)。
- ファイルの読み込みや保存が遅くなる。
- HDDがPCやNASで認識されなくなることがある。
- 不良セクターが増加し、アクセス不能なファイルが出てくる。
通電しないHDDの故障リスクとは?
HDD(ハードディスクドライブ)は、使用状況だけでなく、通電しない期間が長いことでも故障リスクが高まる可能性があります。適切に管理しないと、重要なデータが失われる恐れもあります。
リスク① 湿度や温度変化が激しい環境に保存する
通常の使用環境では、数年単位の未使用であってもデータがすぐに読み取れなくなるケースはまれです。ただし、湿度や温度変化が激しい環境に保存されると、磁気層が劣化しやすくなります。そのため、データを長期間安全に保管したい場合は、適切な環境で保管することが推奨されます。
リスク② モーターの固着
HDDのモーターには潤滑剤が使われていますが、長期間通電しない状態が続くと潤滑剤が固まったり、粘性が変化する可能性があります。これにより、モーターが回転しなくなるリスクがあります。
リスク③ ヘッドの固着
HDDのヘッドは通常、ディスクに接触せず浮いていますが、通電せず長期間保管されたHDDでは、ヘッドが「パーキングエリア」から動かなくなったり、場合によってはディスクに軽く接触した状態で固着することがあります。
また、輸送時の振動や長期間にわたる未使用状態で、ヘッドやアクチュエーターの可動部分が動きにくくなる場合もあります。
下記の通り適切な方法で保管することで、使用時の故障リスクを減らすことができます。
- 直射日光を避け、湿度の低い涼しい場所に保管する。
- 衝撃を避けるため、HDDをクッション材に包んで保管する。
- 定期的に通電し、ディスクやモーターを動かすことで固着を防ぐ。
- 長期間未使用の場合でも、年に一度はデータを確認する。
ただしHDDから異音がした場合、すぐに電源を切り、自己判断でのバックアップや分解は避け、専門家に相談することが重要です。
特に、技術力の低い業者に依頼すると、誤ってHDDを開けられ「復旧不可」とされるリスクがあります。物理的な故障には、防塵設備の整った信頼できる業者が必要です。
重要なデータを保存している/自力で対応できない場合は「データ復旧業者」に依頼する
HDDの耐用年数は、一般的に3〜5年とされますが、使用環境や運用次第で大きく変わります。また、通電しない期間も故障リスクを高めるため、適切な保管と定期的な通電が必要です。特に重要なデータを保存しているHDDについては、定期的にバックアップを取り、故障の兆候が見られた場合はデータの要不要に応じて速やかに対応することが推奨されます。
デジタルデータリカバリーでは、46万件以上(算出期間:2011年1月1日〜)の豊富な相談実績を持ち、物理的な故障や重度のデータトラブルなど、さまざまなケースにおいて正確な初期診断を行い、問題の原因を迅速かつ的確に特定します。
安心してサービスを利用できるよう初期診断を無料で提供するなど、サポート体制を整えており、電話受付も24時間365日対応しているため、いつでも困ったときにご連絡いただけます。データトラブルにお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
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弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。