パソコンの動作が遅くなり、ファイルの読み込みやデータ転送に時間がかかることは、多くのユーザーが経験する悩みです。特に、HDD(ハードディスクドライブ)の読み込み速度が急に低下した場合、原因の特定が難しく、重要なデータが失われるリスクもあります。
そこで本記事では、HDDの読み込みが遅くなる主な原因とその対処法について、具体的な手順を交えて詳しく解説します。適切な対応を行うことで、HDDのパフォーマンスを改善し、データ消失のリスクを最小限に抑えましょう。
目次
HDDの読み込み速度が遅くなる原因
以下に、HDDの読み込み速度が低下する主な原因を示します。なお、それぞれの項目は、HDDの状態や使用環境によって異なるため、複数の原因が重なっていることもあります。
空き容量不足
HDDの空き容量が不足していると、読み書き速度が低下し、ファイルの転送に時間がかかるようになります。特にWindowsやmacOSの仮想メモリは空き容量を使うため、容量不足がシステム全体のパフォーマンス低下につながります。
データの断片化
長期間使用しているHDDは、データが断片化されることで読み込み速度が遅くなることがあります。断片化されたデータはディスク全体に散らばり、アクセスに時間がかかるようになります。
USBケーブルやポートの不具合
外付けHDDの場合、ケーブルやポートの接触不良が速度低下の原因になることがあります。また、USB 2.0を使用している場合、3.0や3.1規格に比べて転送速度が遅くなるため注意が必要です。
バックグラウンドプロセスの負荷
多数のアプリケーションがバックグラウンドで動作していると、HDDのアクセスが集中し、速度低下が生じます。特に、ウイルス対策ソフトやクラウド同期ツールが影響を及ぼすことがあります。
ウイルス感染
ウイルスやマルウェアに感染すると、HDDのパフォーマンスが低下することがあります。ウイルスはHDDの空き容量を消費するだけでなく、不正なプロセスを実行し続けるため、システム全体に悪影響を与えます。
HDDの物理的劣化や損傷
HDDの寿命が近づくと、ディスク内の部品が劣化し、速度低下が発生します。また、HDDが衝撃を受けたり故障した場合、データへのアクセスが遅くなり、最悪の場合データが消失することもあります。
使用期間が長い場合や異常が見られた場合には、無理に使用を続けるのではなく、データを守るための適切な対処を行いましょう。
ただし異音がするなどHDDが物理的に故障している場合、自力での修復は困難です。物理障害によるHDDの故障は、専門の技術を持つ業者でなければ復旧が難しいため、データ復旧業者に依頼することを強くおすすめします。
弊社では安心してサービスを利用できるよう初期診断を無料で提供するなど、サポート体制を整えており、電話受付も365日24時間対応しているため、いつでも困ったときにご連絡いただけます。データトラブルにお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
HDDの読み込み速度が遅い場合の対処法
HDDのパフォーマンスを改善するためには、以下の対処法を順番に試すことが効果的です。それぞれの手順を正確に実施することで、速度低下を解消し、HDDの寿命を延ばすことができます。
不要なデータの削除
HDDのパフォーマンスが低下する主な要因のひとつが、空き容量の不足です。不要なデータが蓄積すると、システムがファイルにアクセスする際に時間がかかり、動作が重くなることがあります。こまめに使わないデータを削除することで、動作の改善が期待できます。ただし、重要なファイルを誤って削除してしまうリスクもあるため、バックアップを取ることをお勧めします。
- エクスプローラーを開き、「PC」からHDDを選択します。
- 不要なファイルやフォルダを右クリックして「削除」を選択します。
- ゴミ箱も空にして、空き容量を確保します。
デフラグの実行
長期間使用したHDDでは、データが断片化し、読み込み速度が遅くなることがあります。デフラグは、この断片化されたデータを再配置し、アクセス速度を改善するための作業です。しかし、HDDが物理的に損傷している場合、デフラグの実行が状態を悪化させることもあります。事前にHDDの状態を確認し、異常が見られる場合は専門業者への相談をお勧めします。
- Windowsの検索バーで「デフラグ」と入力します。
- 「ドライブのデフラグと最適化」を選択します。
- 対象のHDDを選び、「最適化」をクリックします。
USBケーブルやポートの変更
外付けHDDの読み込みが遅い場合、USBケーブルやポートの問題が原因であることも考えられます。接続不良や古いケーブルの使用が速度低下を招くことがあります。適切なポートやケーブルに変更することで、速度が改善する可能性があります。ただし、これで改善しない場合は、HDD自体の故障も疑われます。そうした場合には、すぐにバックアップを取り、必要であればデータ復旧業者に相談しましょう。
- 外付けHDDを別のUSBポートに接続します。
- USB 3.0対応ケーブルを使用して接続を試みます。
- 問題が解消しない場合、新しいケーブルを使用します。
常駐プログラムの停止
常駐プログラムが多数実行されていると、システム全体のパフォーマンスが低下し、HDDへのアクセス速度も遅くなります。タスクマネージャーを使って不要なプログラムを停止することで、HDDへの負荷を軽減できます。ただし、誤って重要なプログラムを停止すると、システムが不安定になるリスクもあるため、操作には慎重を期しましょう。
- タスクマネージャーを開き、「スタートアップ」タブをクリックします。
- 不要なプログラムを選択し、「無効にする」をクリックします。
- 再起動後、パフォーマンスを確認します。
ウイルススキャンと駆除
ウイルスやマルウェアに感染すると、HDDへのアクセス速度が極端に遅くなることがあります。ウイルススキャンを定期的に実行し、システムの安全を保つことが重要です。ただし、感染が疑われる場合は、ウイルス駆除の前に大事なデータのバックアップを取ることを推奨します。スキャンの実行や駆除操作を誤ると、システムが不安定になるリスクがあるため、慎重に対応しましょう。
- インストール済みのウイルス対策ソフトを起動します。
- システム全体のスキャンを開始します。
- スキャン結果で検出されたウイルスやマルウェアを削除します。
- 必要であれば、再起動して動作を確認します。
物理的損傷が疑われる場合の対応
HDDから異音がする、パソコンがHDDを認識しない、またはエラーメッセージが表示される場合、HDDが物理的に損傷している可能性があります。
こうした場合、自力での復旧は難しいため、データの安全な取り出しを最優先に考える必要があります。
- すぐにHDDの使用を中止します。電源のオンオフを繰り返すと、状況が悪化する可能性があります。
- 重要なデータがある場合は、データ復旧業者に相談しましょう。放置や誤った操作により、データが消失するリスクが高まります。
- 復旧業者に相談する際は、HDDの型番やトラブルの状況を詳細に伝えます。これにより、スムーズな初期診断が可能になります。
確実にデータ復旧を行う/自力で対応できない場合、データ復旧業者に依頼する
もしも自力での対応が難しい場合や、データの取り出しが急務な場合は、専門のデータ復旧業者に相談することが最善の選択です。特に物理障害によるHDDの故障は、専門の技術を持つ業者でなければ復旧が難しいため、早急に対応する必要があります。
データが重要な場合は、すぐにデータ復旧の専門業者にご相談ください。
当社は、46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月1日~)を持ち、経験豊富な専門アドバイザーが対応しています。手術室レベルの清潔なクリーンルームや7,000台以上のHDDドナーを活用し、迅速かつ確実なデータ復旧を行います。
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よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
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土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
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復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。