Crystal Disk Infoで「注意」のマークが表示されると、多くのユーザーが「データ消失のリスクがあるのでは?」と心配されることでしょう。
実際、ハードディスク(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)が劣化したり、問題を抱えている可能性があるため、このような表示が出ます。この記事では、注意マークが出る原因と、その際にどう対処すべきかをデータ復旧の専門家として詳しく解説します。
目次
Crystal Disk Infoで注意マークが出る原因
Crystal Disk Infoは、S.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis, and Reporting Technology)情報を基に、HDDやSSDの状態をリアルタイムで監視し、問題がある場合に警告を発します。
注意マークが表示された場合、それは何らかの障害が発生していることを示していますが、具体的な原因を特定することが重要です。以下では、よくある原因を紹介します。
代替処理済みセクタ数の増加
「代替処理済みセクタ」とは、HDDやSSD内で物理的に壊れたセクタを、予備のセクタに置き換える処理を指します。
通常、いくつかのセクタが壊れても予備のセクタでカバーできるのですが、この数が増えると、ドライブ全体のパフォーマンスが低下し、データの損失リスクが高まります。特に代替セクタが多い場合は、HDDやSSDが深刻なダメージを負っている可能性があるため、すぐにバックアップを取る必要があります。
ただし、こうした状況では、ドライブの動作が不安定になり、突然データにアクセスできなくなることもあります。トラブルが発生した場合には、焦らず、一つずつ対処法を試していくことが重要ですが、操作を間違えると、データが消失する可能性もあります。不安な場合は、専門家にご相談ください。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
代替処理保留中のセクタ数の増加
「代替処理保留中のセクタ」は、エラーが発生しているが、まだ代替処理が完了していないセクタです。この数が増えると、HDDやSSDが不安定な状態にあり、今後さらに悪化する可能性があります。特に、保留中のセクタが多い場合は、すぐにバックアップを実施し、ハードディスクの交換を検討する必要があります。
回復不可能セクタの存在
「回復不可能セクタ」とは、データの読み書きが不可能となったセクタを指します。
このようなセクタが存在する場合、すでにいくつかのデータが失われている可能性があります。特に重要なデータが含まれている場合は、速やかにデータ復旧業者への相談を推奨します。自力での復旧は困難なケースが多いです。
デジタルデータリカバリーでは、電話受付も24時間365日対応しているため、いつでも困ったときにご連絡いただけます。お悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
リアロケーションイベント回数の増加
リアロケーションイベント回数とは、HDDやSSD内でデータを安全なセクタに移動した回数を表します。これが多くなるということは、ドライブ内で多くのセクタに異常が発生していることを示しており、早急な対策が必要です。ドライブの寿命が近づいている可能性が高いため、バックアップを取り、交換の準備を始めましょう。
使用時間の長さ(寿命の兆候)
HDDやSSDには寿命があり、通常1万時間以上の使用で劣化が進むとされています。Crystal Disk Infoでは「使用時間」を確認できるため、もし1万時間を超えている場合は、交換時期が来ている可能性があります。寿命が近づくと、セクタエラーやパフォーマンスの低下が発生しやすくなるため、事前の対応が必要です。
その他のS.M.A.R.T.項目の異常
HDDやSSDの内部温度の上昇や電源サイクルの異常など、S.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis, and Reporting Technology)による情報に異常が出る場合があります。これらの異常は、Crystal Disk Infoを使って確認できるため、異常値が表示された場合には速やかな対処が必要です。
特に注目すべき項目として、以下のものがあります。
- リードエラーレート(ID: 01)
読み取り時のエラー頻度を示します。 - 代替処理済みセクタ数(ID: 05)
物理的に壊れたセクタが予備のセクタに置き換えられた数。 - シークエラーレート(ID: 07)
HDDのヘッドがデータを探す際に発生したエラー頻度。 - 代替処理保留中のセクタ数(ID: C5)
まだ代替処理されていない、エラーが発生したセクタの数。 - 回復不可能なセクタ数(ID: C6)
修復不可能なセクタの数。データの損失リスクが高いことを示しています。
これらの数値の現在値や最悪値が閾値を下回る場合、早急にバックアップを取り、HDDやSSDの交換を検討することが推奨されます。
特に異常値が表示され、データの読み出しが難しい場合や物理的な破損が疑われる場合は、速やかにデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
個人での対応はリスクが高く、特に物理障害の場合、自力での復旧はほぼ不可能です。プロに任せるのが最も安全な選択肢です。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
Crystal Disk Infoで注意マークが出た場合の対処法
Crystal Disk Infoで注意マークが出た場合、すぐに行動に移すことが重要です。以下に、具体的な対処法をいくつか紹介します。これらの対処法を試すことで、データの消失を防ぐことができます。
データのバックアップを最優先に行う
注意マークが出た場合、最優先すべきはデータのバックアップです。HDDやSSDが完全に故障する前に、重要なデータをすべて別のストレージデバイスにコピーしてください。バックアップの手順は以下の通りです。
- 外付けHDDやSSDを接続する。
- 「エクスプローラー」を開き、バックアップしたいファイルを選択する。
- 外付けデバイスにコピーする。
- 必要に応じてバックアップツール(例:Windowsの「ファイル履歴」)を利用して、自動バックアップ設定を行う。
ディスクチェックツールでエラーを修正する
HDDやSSDにエラーがある場合、Windowsの「チェックディスク(chkdsk)」ツールを使用して修復を試みることができます。軽度のエラーであれば、このツールで修正可能な場合があります。具体的な手順は以下の通りです。
- 「スタートメニュー」から「コマンドプロンプト(管理者として実行)」を選択。
- 「chkdsk /f」と入力し、Enterキーを押す。
- システムの再起動が求められる場合は、再起動を行い、ディスクのチェックを実施する。
ただし、chkdskが修復できるのは軽度のエラーに限られ、深刻な物理的損傷や不良セクタの増加には効果がありません。この場合、修復に成功しても信頼性が低下し、突然のデータ損失やディスク故障のリスクが残ります。データ消失を避けるためには、自己診断を試みず、専門家に相談することが重要です。
デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が46万件以上の相談経験(算出期間:2011年1月1日~)をもとに「初期診断」を行い、データベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
機器別エンジニアによる、無料の初期診断も行っていますので、お気軽にご相談ください。24時間365日体制で電話受付を行っており、今後の対応方法を無料でご案内いたします。
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ハードディスクの交換を検討する
もし代替セクタ数が多い、回復不可能セクタが増えている、または使用時間が1万時間を超えている場合は、HDDやSSDの交換を検討する必要があります。交換することで、データ消失のリスクを軽減できます。
冷却対策を行う
HDDやSSDが過熱すると、性能が低下し、故障のリスクが高まります。特にCrystal Disk Infoで温度が高い(50°C以上)と表示された場合は、冷却対策を講じる必要があります。
定期的にS.M.A.R.T.情報を監視する
Crystal Disk Infoを使い、定期的にS.M.A.R.T.情報を確認することで、問題が悪化する前に対応できます。特に代替セクタや保留中のセクタの数値が増加していないかを定期的にチェックしてください。
確実なデータ復旧は専門業者に相談する
もし、既にデータの読み出しができない、または回復不可能セクタが多いといった深刻な状況に直面している場合、自力での対応は極めて困難です。こうしたケースでは、HDDやSSDに物理的な損傷が発生している可能性が高く、一般的なソフトウェアでは修復が不可能です。
特に、「回復不可能セクタ」や「代替処理保留中のセクタ」が増加している状況では、ディスク全体が危険な状態にあることを意味します。これ以上使用を続けると、データの完全消失や、ドライブが全く認識されなくなるリスクがあります。このような場合、個人での対応ではデータの復元が困難で、最悪の場合、復旧が不可能になることもあります。
重要なデータを守るためには、迅速かつ的確な対応が不可欠です。
専門家によるデータ復旧が必要な理由
物理的な損傷が原因でデータが読み取れない場合、一般のデータ復旧ソフトでは太刀打ちできません。内部の精密機器が故障している場合、専門の設備や技術がなければ修復不可能です。さらに、物理障害を放置していると、データが完全に失われる可能性が高まるため、早急な対応が必要です。
専門のデータ復旧業者であれば、以下のような技術を駆使して物理障害や論理障害に対処することができます:
- クリーンルーム環境での分解作業:
HDDを開封して内部のパーツを修復する場合、特別な環境が必要です。クリーンルームを備えた復旧業者なら、微細なチリが原因でデータが失われるリスクを抑えられます。 - ドナー部品による修復:
HDDやSSDの内部パーツが物理的に破損している場合、同型のドライブから部品を提供する「ドナー技術」が必要です。復旧業者は膨大な数のドナーを用意しており、破損箇所を交換して一時的に動作可能な状態に戻し、データを救出します。 - 特殊なリード装置を使ったデータ抽出:
論理障害やファイルシステムのエラーで読み取れなくなったデータも、専用のリード装置を使って直接ディスクからデータを取り出すことが可能です。この技術は、通常のソフトウェアでは不可能なレベルの精密操作が求められます。
デジタルデータリカバリーでは、46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月1日~)をもとに、豊富な経験と高い技術力を持つ専門アドバイザーが対応しています。この実績に裏打ちされた高いレベルのサービスを提供すると共に、手術室レベルの清潔さを保つ「クリーンルーム」や、7,000台以上のHDDドナーを活用した迅速なデータ復旧が可能です。
24時間365日体制で電話受付や無料診断を行っていますので、突然のトラブルでも安心してご相談ください。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。