HDD(ハードディスクドライブ)は長期間データを保存するためのデバイスですが、寿命が近づくとデータ消失のリスクが高まります。
この記事では、HDDの寿命が近づいたときの予兆や、状態を確認する具体的な方法について詳しく解説します。日常的にパソコンを使用している方にとって、HDDの寿命や状態を知ることは、データ消失を未然に防ぐためにとても重要です。
目次
HDD寿命が近づいた際の兆候
HDDの寿命が近づくと、いくつかの兆候が現れます。これらの兆候を見逃さず、適切な対策を取ることでデータ消失のリスクを軽減できます。
S.M.A.R.Tエラーの発生
S.M.A.R.Tエラーは、HDDやSSDに内蔵された自己診断機能が異常を検知したときに発生します。パソコンの起動時にBIOS画面でエラーメッセージが表示される場合、これはHDDが寿命を迎える兆候です。S.M.A.R.Tエラーが表示されたら、すぐにデータのバックアップを取り、新しいHDDへの交換を検討しましょう。
動作中に異音が発生する
HDDの寿命が近づくと、「カリカリ」や「カラカラ」という異常な音が発生することがあります。これは内部の機械部品が劣化している兆候で、放っておくとデータの消失・破損につながることもあります。焦げ臭いにおいや異常な放熱がある場合も要注意です。これらの症状が現れたら、できるだけ早くバックアップを取り、新しいHDDに交換しましょう。
文字化けが発生する
寿命が近づいたHDDでは、ファイルやフォルダが文字化けして読み取れなくなることがあります。これはHDD内のデータが部分的に損傷しているためです。
こうした論理障害の場合、市販のデータ復旧ソフトでは対応が難しいため、データ復旧専門業者への相談をおすすめします。
エラーメッセージとフリーズの頻発
パソコンの動作中にエラーメッセージが頻繁に表示されたり、フリーズが増える場合も、HDDが寿命を迎える兆候です。これらの症状は、HDD内部の損傷が進んでいる可能性が高いです。エラーメッセージが表示された際には、すぐにバックアップを取り、HDDの交換を検討しましょう。
動作速度が遅くなる
HDDの寿命が近づくと、パソコンの動作が全体的に遅くなることがあります。データの読み書き速度が低下し、ファイルのコピーやプログラムの起動に時間がかかる場合、HDDの劣化が進んでいる可能性があります。
この場合も、バックアップを取り、新しいHDDへの交換をおすすめします。
HDDの寿命を確認する方法
HDDの寿命を正確に確認することは、データ消失を防ぐために非常に重要です。以下の方法でHDDの状態を確認し、適切な対応を行いましょう。
年式・メーカーから寿命を判断
HDDの寿命は、メーカーや年式によって異なります。製品ラベルに記載されている製造日やパソコンの発売日を確認し、5年以上経過している場合は交換を検討するのが良いでしょう。また、特定の型番によっては寿命が短いものもありますので、注意が必要です。
特に動作中の異音を確認し、異常音が発生している場合はすぐに対処する必要があります。異音の種類によっては、HDD内部で物理的な障害が発生している可能性があります。
デジタルデータリカバリーでは、46万件以上(2011年1月1日〜)の豊富な相談実績を持ち、物理的な故障や重度のデータトラブルなど、さまざまなケースにおいて正確な初期診断を行い、問題の原因を迅速かつ的確に特定します。電話受付も24時間365日対応しているため、データトラブルにお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
動作速度の低下を確認
HDDの寿命が近づくと、動作速度が低下することがあります。ファイルのコピーに時間がかかる、データ転送速度が遅いと感じる場合は、HDDの交換時期かもしれません。余計なデータを削除しても改善しない場合は、HDDの劣化が進んでいると考えましょう
CrystalDiskInfoを使ってHDDの寿命をチェックする
CrystalDiskInfoはハードドライブやSSDの健康状態と性能を監視するツールであり、S.M.A.R.T.情報はこれらのデバイスの自動的な監視、分析、報告を行う技術です。これにより、ドライブの温度、稼働時間などの重要な情報が提供され、将来的な障害の予兆を早期に察知し対処することができます。
HDDの状態を確認するために、無料のソフトウェアである「CrystalDiskInfo」を使用するのが一般的です。このソフトでは、HDDの総使用時間や温度、S.M.A.R.T情報を基に「正常」「注意」「異常」といった健康状態を確認することができます。
CrystalDiskInfoのダウンロードとインストール
まずは、CrystalDiskInfoをインストールしましょう。以下の手順で簡単にダウンロードとインストールができます。
- ブラウザを開き、CrystalDiskInfo公式サイトにアクセスします。
- 「ダウンロード」セクションから、最新バージョンの「Standard Edition」を選んでダウンロードします。
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックし、インストールウィザードの指示に従ってインストールを進めます。
- インストール先フォルダや追加オプションを設定し、「次へ」をクリックしてインストールを完了します。
CrystalDiskInfoの起動とHDDの選択
次に、インストールが完了したらCrystalDiskInfoを起動し、診断したいHDDを選択します。
- インストール後、自動的にCrystalDiskInfoが起動します。起動しない場合は、デスクトップやスタートメニューからソフトを開いてください。
- 起動すると、自動的に接続されているすべてのHDDやSSDが一覧で表示されます。
- 画面上部のタブまたは左上のドロップダウンメニューから、診断したいHDDを選びます。
HDDの状態と寿命の確認
選択したHDDの詳細な状態を確認してみましょう。ここでは、健康状態や使用時間、温度などの項目をチェックします。
- メイン画面の左上に表示される「健康状態」を確認します。
正常(青色) : 問題なし
注意(黄色) : 注意が必要
異常(赤色) : 重大な問題がある - 「総通電時間」の項目を確認し、HDDがこれまでに使用された時間(時間数)を確認します。
- 「温度」の項目で現在のHDD温度を確認します。通常、40℃以下が理想的です。
- 詳細なS.M.A.R.T.情報を確認します。
代替処理済セクタ数: 不良セクタの数を示します。
回復不可能セクタ数: 修復できないセクタの数です。
もし健康状態が「注意」や「異常」と表示された場合
HDDの健康状態が「注意」や「異常」と表示された際は、速やかに重要なデータを外部ストレージやクラウドにバックアップしましょう。HDDの状態がさらに悪化する前に、新しいHDDやSSDへの交換も検討してください。
しかし、データがすでに消失している、またはアクセスできない場合は、自己処理を行わずに専門のデータ復旧業者へ依頼することが、最も安全かつ確実な方法です。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
HDDが起動しないときは専門業者に相談する
HDDは精密な機械であり、耐用年数は約3~5年程度です。
経年劣化や落下振動によって物理的パーツが壊れたり、データ構造が破損してアクセス不能に陥ることは決して珍しくありません。そのため、HDDの開封や修復作業には、静電気対策や防塵対策が施された「クリーンルーム」などの特殊な環境が求められます。
これは一般のユーザーでは対応が難しく、プロのデータ復旧サービスに依頼することが必要なケースがあります。もっとも、どの業者を選ぶかは目的ごとに異なります。起動を優先する場合は「修理」を、保存されたデータを優先する場合は「データ復旧」を行いましょう。
データが不要な場合:メーカーの修理・交換サービスを利用する
お使いのHDDに不具合が発生した場合、保証期間内であれば、無償で修理交換できる場合がありますが、内部のデータは原則として失われます。
あくまで修理は、機器の動作を復旧するのが目的で、メーカー・修理業者はPCを「起動させること」を目的としています。必要なデータがある場合は、メーカーに修理依頼を出す前に、データ復旧の専門業者に依頼しましょう。
データが必要な場合:データ復旧業者を利用する
データ復旧業者では、壊れたHDDから「データを取り出すこと」を目的としています。
あくまでデータの取り出しが目的なので、HDDを正常に起動するよう修理するわけではありません。この点にご留意ください。
データ復旧の鍵を握る「初期診断」とは
データ復旧は手術と同様、何度もできるものではありません。最初の対応が復旧率を握ります。このとき「初期診断」が重要です。
初期診断は、障害の原因や種別を特定し、かつ適切な復旧方法を選ぶ工程です。豊富な経験と高い復旧率を持つ業者は初期診断の精度が高く、適切な復旧作業を行うことが出来ます。
当社では、経験豊富な技術者が機器を開けずに「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、46万件以上の相談経験(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
機器別エンジニアによる、無料の初期診断も行っていますので、お気軽にご相談ください。24時間365日体制で電話受付を行っており、今後の対応方法を無料でご案内いたします。
最短5分で無料診断!46万件超の相談実績をもとに専門家が対応します。
データが必要な場合は、データ復旧の専門業者に相談する
これまでの対処方法は、ごく「軽度の論理障害」しか対応できず、「中高度の論理障害」あるいは「経年劣化を含む物理障害」には対応できませんでした。
HDDの中に失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復旧業者では、復元ソフトでは対応できない物理障害や、重度の論理障害からのデータ復元・復旧が可能です。
データ復旧業者では、HDDに発生している症状を元にエンジニアによる正確な初期診断を行い、故障原因を特定した上で、原因ごとに専用の設備や部品を用いてデータ復旧作業を行います。プロが対応するため、データ復旧に失敗してデータが完全に消失するリスクを抑え、確実に復旧することができます。
デジタルデータリカバリーでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、簡易診断と対応方法について無料でご案内いたします。また、機器別の専門のエンジニアによる無料初期診断を行っているので、お気軽にご相談ください。
HDDの寿命を延命する方法とは
HDDを長く、安全に、快適に使うポイントは、おもに次の4点です。
外付けHDDは正しい方法で取り外す
通電中の外付けHDDのコードを抜くと、大きな負担を与えてしまいます。安全に外付けHDDを取り外すには「ハードウェアの安全な取り外し」という機能を使いましょう。
必要以上に電源をON・OFFしない
HDDの寿命は、電源の起動回数によっても左右されます。繰り返しの起動・シャットダウンは状態を悪化させやすいため、毎日のように電源を入り切りすることは控えてください。
振動・衝撃・熱を避ける
HDDは振動や衝撃に弱く、物理的に故障する最大の原因となります。高所から落としたり、転倒を防止するため、高所には置かず、バランスの悪い備え付けは控えてください。
また、熱がこもりやすい配置場所にHDDを設置していると、状態が悪化しやすいです。通気性がよく、熱がこもりにくい環境にしておきましょう。
定期的にデフラグやバックアップをとる
予防策ですが、HDDの故障に備えて、デフラグやバックアップを取っておくことも効果的です。定期的に別の媒体にデータのバックアップや整理を行い、HDDの故障に備えましょう。
「デフラグ」とは散らばったデータの配列を整理し、ファイルの断片化(フラグメンテーション)を解消すること。
官公庁、国立大学法人、上場企業
多くのお客様にご利用いただきました
※ 掲載の許可を得た法人様の一部を紹介させていただいております。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。