Western DigitalのHDD診断ツールは、HDDの健康状態を確認し、故障の兆候を把握するために便利なツールです。しかし、誤った使用方法や診断中のトラブルによって、データが失われるリスクもあります。
特に、診断前のバックアップの有無や、異常が検出された際の適切な対応が重要です。さらに、HDDが異音を発している場合や認識されない場合は、ツールの使用を避け、専門業者への相談を検討する必要があります。
本記事では、Western Digital HDD診断ツールを安全に使用するための注意点を解説し、データ損失のリスクを最小限に抑える方法をご紹介します。
目次
Western Digital HDD 診断ツールの主な機能
Western Digitalが提供するHDD診断ツールを活用することで、HDDの状態を詳細にチェックし、故障の兆候を早期に発見できます。特に、S.M.A.R.T.診断やエラーログの確認などの機能を利用することで、データ損失のリスクを最小限に抑えることが可能です。
ここでは、Western Digital HDD 診断ツールの主な機能について詳しく解説します。
S.M.A.R.T.診断(健康状態の確認)
S.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis, and Reporting Technology)は、HDDの自己診断機能です。HDDの温度やエラーレート、リード・ライトエラーの発生状況などを監視し、ディスクの寿命や障害の兆候を事前に把握することができます。
S.M.A.R.T.診断を定期的に実施することで、HDDの異常を早期に検知し、重要なデータを守るための対策を取ることが可能です。
簡易・拡張テスト
Western Digital HDD 診断ツールには、「簡易テスト」と「拡張テスト」の2種類の診断モードがあります。
- 簡易テスト:短時間でHDDの基本的な動作確認を行うテスト
- 拡張テスト:HDD全体の詳細なスキャンを実施し、異常の有無を確認するテスト
HDDの調子が悪いと感じた場合は、まず簡易テストを実施し、問題が見つかった場合に拡張テストでより詳細な診断を行うことをおすすめします。
ファームウェアのアップデート
Western DigitalのHDD診断ツールでは、HDDのファームウェア(内部プログラム)を最新バージョンに更新する機能も備えています。
ファームウェアの更新により、HDDの動作の安定性が向上し、不具合の修正が行われることがあります。ただし、アップデート中に電源が切れるとHDDが正常に動作しなくなる可能性があるため、更新作業は慎重に行う必要があります。
エラーログの確認
HDDに発生した過去のエラー履歴を確認できる「エラーログ」は、故障の兆候を見逃さないための重要な指標です。定期的にログをチェックすることで、どのような問題が発生しているのかを把握し、適切な対策を講じることができます。
特に、頻繁にエラーが記録されている場合、HDDの寿命が近づいている可能性が高く、突然のデータ消失リスクが増大します。 異常を放置すると、HDDが認識されなくなる、データにアクセスできなくなるといった深刻なトラブルに発展する恐れがあります。
万が一に備え、エラーログに異常が見られた時点で、すぐにバックアップを取り、必要に応じて専門業者へ相談することが安全な対応策となります。データを失わないためにも、HDDの状態を定期的にチェックし、リスクを最小限に抑えましょう。
HDDが認識しない、異音がする、データにアクセスできないなどのトラブルが発生した場合、無理な操作をせず、まずは専門業者に相談することが最も安全な対策です。
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Western Digital HDD 診断ツールの使い方
このツールを活用することで、HDDの不具合を特定し、適切な対応を取ることができます。
Western Digital Dashboardをインストールする
Western Digital Dashboardは、HDDの状態をリアルタイムで監視できるWD公式ツールです。
- Western Digital公式サイトからDashboardをダウンロードする。
- ダウンロードした「DashboardSetup.exe」をダブルクリックし、インストーラーを起動する。
- 画面の指示に従い、インストールを進める。
- インストール完了後、Western Digital Dashboardを起動する。
S.M.A.R.T.診断を実行する
S.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)診断を利用すると、HDDの寿命や異常の兆候を確認できます。
- Western Digital Dashboardを起動し、診断したいHDDを選択する。
- 「ツール」タブを開き、「S.M.A.R.T.」オプションを選択する。
- 「ショートテスト」または「エクステンデッドテスト」を実行し、HDDの健康状態をチェックする。
S.M.A.R.T.診断の結果、危険な兆候がある場合は、以下のような警告や異常値が表示されることがあります。
S.M.A.R.T.ステータスが「注意」または「異常」と表示される
通常、S.M.A.R.T.ステータスが「正常」と表示されていれば問題ありませんが、「注意」や「異常」と表示される場合は、HDDが故障するリスクが高まっていることを意味します。特に「異常」の場合は、すぐにバックアップを取り、HDDの交換やデータ復旧の準備を進める必要があります。
リアロケートセクター(代替処理済みセクター)が増加する
リアロケートセクター(Reallocated Sectors Count)は、HDD内で読み書きができなくなった不良セクターが、新しいセクターに置き換えられた回数を示します。この数値が増加している場合、ディスクの劣化が進行している証拠です。放置すると、最終的にHDDが完全に機能しなくなる可能性があります。
代替処理待ちセクター(Current Pending Sector Count)の増加
代替処理待ちセクターとは、現在読み書きが不安定なセクターを指します。この数値が増えている場合、HDD内にエラーが発生し始めており、近い将来データが破損する可能性が高いです。
簡易テストと拡張テストを行う
Western Digital Dashboardでは、簡易テスト(QUICK TEST)と拡張テスト(EXTENDED TEST)が利用できます。
- 「ツール」タブから「診断」オプションを開く。
- 「QUICK TEST」を実行し、HDDの基本的な動作確認を行う。
- 問題がある場合は、「EXTENDED TEST」を実行して詳細な検査を行う。
ファームウェアをアップデートする
HDDのファームウェアを最新バージョンに更新することで、不具合を修正できます。
- Western Digital Dashboardを開き、「ファームウェア」タブを選択する。
- 「ファームウェアの更新を確認」ボタンをクリックする。
- 最新のファームウェアがある場合、「更新」ボタンをクリックし、指示に従ってアップデートを実行する。
エラーログを確認する
エラーログを確認することで、HDDの異常の兆候を早期に発見できます。
- Western Digital Dashboardを起動し、「エラーログ」タブを開く。
- 直近のエラーメッセージを確認し、異常がないかチェックする。
- 異常が見つかった場合は、データのバックアップを行い、専門業者に相談する。
HDDの異常を感じたら、無理に操作せず、まずはご相談ください。適切な対応が、大切なデータを守る鍵となります。
Western Digital HDDの診断ツール使用時の注意点
Western DigitalのHDD診断ツールは、HDDの状態を確認するために便利なツールですが、使用する際にはいくつかのリスクが伴います。誤った操作をすると、データの損失やHDDの状態を悪化させる可能性があるため、以下の点に注意してください。
診断前に重要なデータをバックアップする
HDD診断ツールは、HDDの状態をチェックするためのものですが、診断中にHDDに負荷がかかり、状況が悪化する可能性もあります。
特に、経年劣化しているHDDや、すでに一部のデータにアクセスしにくくなっている場合は、ツールを実行することでさらに状態が悪化し、データの消失リスクが高まることがあります。
そのため、診断を行う前に、可能な限り重要なデータをバックアップしておくことを強く推奨します。バックアップが難しい場合や、HDDが正常に認識されない場合は、無理に診断ツールを使用せず、専門業者への相談を検討してください。
異常が見つかったら早めに対処する
HDD診断ツールを実行した結果、S.M.A.R.T.ステータスに「注意」や「異常」と表示された場合は、HDDの故障リスクが高まっています。特に、セクターエラーや書き込みエラーが頻発している場合は、放置するとデータへのアクセスができなくなる可能性があります。
このような異常が検出された場合は、速やかにデータのバックアップを行い、必要に応じてHDDの交換を検討してください。軽度のエラーであれば、ファームウェアのアップデートやディスク修復ツールで改善することもありますが、頻繁にエラーが発生する場合は、早めの対応が重要です。
S.M.A.R.T.診断で異常が出たらどうすればいい?
S.M.A.R.T.診断で「異常」や「注意」と表示された場合、HDDの故障は時間の問題です。重要なデータを外付けHDDやクラウドストレージにバックアップし、万が一のデータ損失に備えましょう。
HDDの劣化が進んでいる場合、新しいHDDやSSDに交換することをおすすめします。特にリアロケートセクター数が増えている場合は、HDDの信頼性が低下しているため、早めの交換が必要です。
異音がする、HDDが認識されない、データにアクセスできない場合は、物理的な故障の可能性が高いため、自力での復旧を試みるのは危険です。無理に通電を続けると、データが完全に消失するリスクがあるため、専門業者に相談するのが最も安全な方法です。
物理障害が疑われる場合は専門業者に相談する
HDD診断ツールを使用する際に、以下のような症状が見られる場合は、物理障害の可能性が高く、ツールの使用を中止することを推奨します。
- HDDから異音(カチカチ、ガリガリ音)がする
- HDDが認識されない、または断続的に接続が切れる
- 診断ツールがHDDを正常にスキャンできない
物理障害が発生しているHDDに対して、無理に診断ツールを使用すると、状態を悪化させてしまい、データの復旧が困難になる可能性があります。このような場合は、無理に操作をせず、データ復旧の専門業者に相談することが最も安全な方法です。
当社では、無料の初期診断を実施し、HDDの状態を正確に分析。クリーンルーム完備の専門環境でデータ復旧を行います。24時間365日対応でご相談を受け付けていますので、HDDの異常を感じたら、すぐにご相談ください。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
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よくある質問
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。