Buffalo(バッファロー)製のNAS、LinkStationやTeraStationで「EMモード」「スタンバイモード」が発生し、起動できないトラブルが発生することがあります。
このエラーは、強制終了した後や、長期間使用していなかった場合に発生することが多く、起動に必要なファームウェアが破損していることが原因として考えられます。
ファームウェアのアップデートを行うことで修復できる場合もありますが、原因によっては個人での修復が難しい場合もあります。
この記事では、EMモードが発生する原因からデータを取り出す方法、EMモードの予防方法について解説しています。
目次
LinkStationで表示されるEMモードとは
「EMモード」とは「Emargency mode」の略称で、起動用のソフトであるファームウェアが破損してしまい、正常に起動できない、NASにアクセスできない状態です。
EMモードに入ると、LinkStationの機能が制限されるため、データへのアクセスも制限されます。
機種によっては「スタンバイモード」と表示される場合もあり、これらの表示がされている場合は、LinkStationやTeraStationにアクセスできない、データを取り出せないといったトラブルが発生します。
EMモードの表示例
EMモードの表示方法は、機種によって異なります。
LS500シリーズでの表示例
LS500シリーズでの表示例は以下の通りです。
- LinkStationなど商品のアイコンの上に緑色や黄色の「?」マークが表示される
- パワーライトが点滅し、ディスプレイに「E06」または「E30」というエラーコードが表示される
- 商品アイコンをクリックするとディスク領域部分(画面の下部分)にEMモードと表示される
- 名称やIPアドレスの他に「E04 ファームウェアが破損しています」や「EMモードを検出しました。ファームウェアアップデートを実行するか、修理センターにご連絡ください。」等のメッセージが表示される
このように、エラーメッセージなどが表示された場合、HDDやRAID構成、ファームウェアに異常が発生している可能性があります。
NASnavigator2での表示例
NASNavigator2で異常が発生している場合は、緑色の「?」マークが表示されます。
NASにカーソルを合わせてクリックすると、画面の下に「EMモード」や「スタンバイモード」が表示されます。
TeraStationの液晶パネルでの表示例
TeraStationの本体に液晶パネルがついている場合は、液晶パネルに「EMERGENCY MODE NO ARRAY INFO」と表示されます。
EMモードが発生する原因
EMモードが発生する原因として、以下のことが考えられます。
NASの筐体破損
長年使用しており、稼働時間が長い場合、本体の基板や電源部分が故障していることが原因で、EMモードが発生している可能性があります。
使用期間が短い場合でも、内部のパーツが故障している場合があるため、故障が疑われる場合は通電を避け、状態の悪化を防ぐようにしましょう。
NASを強制終了した
停電や落雷、ブレーカーが落ちたなど、強制終了したことが原因で、NASのファームウェアが破損し、EMモードが発生する場合があります。
急なシャットダウンは、電圧の急激な変化によってファームウェアが破損する可能性が高く、不具合の原因となります。
ファームウェアの不具合
ファームウェアの不具合によって、EMモードが発生し、NASが起動できていない可能性があります。
ファームウェアに不具合が発生する主な原因として、ウイルスの感染も理由の一つとして考えられます。
定期的にファームウェアのアップデートを行い、セキュリティソフトでウイルスの検知、駆除を行うようにしましょう。
NASの内蔵HDDが故障している
内蔵されているNASのHDDに、物理的な破損やシステムエラーが発生したことが原因で、NASのファームウェアが破損し、EMモードになることがあります。
HDDの故障は、大きく「論理障害」と「物理障害」の2つに分けることができます。
論理障害
システムエラーによってデータが破損している状態を「論理障害」と言います。
よくある論理障害の原因として、誤操作によるデータのフォーマットや初期化など人為的なミスが含まれます。
論理障害は、HDD/SSDを認識しない、ファイルやデータの文字化けなどの症状がありますが、異音や異臭などの判断しやすい症状がありません。より深刻な物理障害を併発しているケースもあるため、障害の自己判断は難しいのが現状です。
復旧作業を行うことによって状態が悪化する場合があるため、障害の自己判断に不安を感じる場合や、確実に取り出したいデータがある場合は、データ復旧業者に相談しましょう。
物理障害
経年劣化や強い衝撃、落雷など物理的な衝撃が原因で、HDDが物理的に破損した状態を「物理障害」と言います。
EMモードが発生するだけでなく、「異音や異臭がする」、「ファイルやフォルダが開けない」、「読み書きのスピードが遅くなる」などの症状が発生します。
物理障害は個人で機器の修復や、データの復元はほとんど不可能と言われています。
LinkStationに使用されるHDDは、ほこりや指紋が付着するだけで故障に繋がるため、機器を開封するには、クリーンルームなどの専門設備が必要になります。
自身でデータを復元する作業は機器への負荷が大きく、失敗することで状態が悪化することがほとんどです。確実に取り出したいデータがある場合は、データ復旧業者に依頼しましょう。
EMモードが発生した場合の対処法
EMモードが発生した場合、以下の対処を行うようにしましょう。
ファームウェアのアップデートを実行する
ファームウェアのアップデートを実行することで、EMモードを解消できる場合があります。
NASとパソコンをLANケーブルを接続する必要があり、パソコンで有線のLAN端子が付いていない場合「LAN接続アダプタ(USB接続型)」を別途用意する必要があります。
しかし、アップデートに失敗した場合、保存しているデータを消失する恐れがあるため、必ずバックアップを取ってから実行しましょう。
- Buffaloの公式サポートページから最新のファームウェアをダウンロード
- LinkStationにLANケーブルを接続して、ブラウザからLinkStationの管理画面にアクセスする
- ログイン画面で管理者のユーザー名とパスワードを入力し、ログインする
- メニューから「設定」→「ファームウェア更新」を選択
- 「手動でファームウェア更新」を選択し、ダウンロードしたファームウェアを選択
- アップデートが開始されたら、途中でLinkStationの電源を切らないように注意
- アップデートが完了すると、LinkStationが再起動される
リスクを伴う作業になるため、バックアップを取っていない場合は、実行を控えるようにしましょう。
NASに内蔵されているHDDを取り出してデータを復元する
内蔵されているHDDを取り出し、パソコンに接続してデータを復元する方法があります。
リビルドと呼ばれるこの方法は、一度失敗するとデータが消失してしまう可能性が非常に高くなります。
データが必要な場合は個人や社内で無理に対処しようとせずに、データ復旧の専門家であるデータ復旧業者まで相談しましょう。
データ復旧業者に依頼する
EMモードが解消しない、取り出したいデータがある場合は、データ復旧業者に相談しましょう。
間違った対処法を実行してしまうと、状態が悪化したり、故障が拡大する恐れがありますが、専門業者では正確な原因判断を行えるため、最も復旧確率が高い対処法になります。
また、HDDに障害が発生している場合、高度な技術力や専門設備、互換性のある部品を揃える必要があり、個人での対応は不可能なため、データ復旧業者への依頼が必須になります。
データ復旧業者では、個人で復元できない範囲の故障でも、復元できる可能性があるため、まずは無料初期診断で相談することをおすすめします。
EMモードを予防する方法
EMモードが発生すると、起動できなくなるため、以下の方法で事前に対策するようにしましょう。
定期的にバックアップを取る
LinkStationやTeraStationには、他のNASや外付けHDDなどに、自動的で定期的にバックアップを取る機能が標準で搭載されています。
事前に設定しておく必要がありますが、バックアップを取っておくことで、何らかの不具合が発生した場合でも、個人で対処することができます。
しかし、自動バックアップは何らかの不具合が発生し、バックアップが取れていなかったというケースも少なくありません。
バックアップが取れているか、定期的に確認するようにしましょう。
メール通知機能の活用・エラー通知を受け取る
LinkStationやTeraStationでは、トラブルが発生した際に、自動でメールやエラーを通知する機能が備わっています。
予め設定する必要がありますが、トラブルを最小限に抑えるため、設定しておくことをおすすめします。
HDDのディスクチェック(診断)を定期的に行う
標準搭載されているディスクチェックを使用することで、HDDの異常を自動で検知し、修復することができます。
軽度の論理障害であれば修復可能ですが、機器への負担が高い操作になるため、重度の障害が発生している場合、状態の悪化に繋がります。
ディスクチェックを行う際は、バックアップを取ってから実行することをおすすめします。
UPS(無停電電源装置)を導入する
EMモードの最も多い原因として、急なシャットダウンが挙げられます。
突然、停電が起きたなどの不測の問題は、UPS(無停電電源装置)を導入するという方法があります。
UPSを導入していれば、停電が発生した場合でも、電力がすぐにシャットダウンされないため、強制終了が原因によるEMモードの発生を防ぐことができます。
落雷や災害時には電源を切る
落雷によるショートが影響し、EMモードが発生することがあります。
また、落雷はHDDの物理障害に繋がる原因の1つでもあるため、災害時は機器の電源をあらかじめ切っておくようにしましょう。
データが必要な場合は、データ復旧の専門業者に相談する
NAS/サーバーの中に失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復旧業者では、復元ソフトでは対応できない物理障害や、重度の論理障害からのデータ復元・復旧が可能です。
これまでの対処方法は、ごく「軽度の論理障害」しか対応できず、「中高度の論理障害」あるいは「経年劣化を含む物理障害」には対応できませんでした。
データ復旧業者では、NAS/サーバーに発生している症状を元にエンジニアによる正確な初期診断を行い、故障原因の特定が可能です。プロが対応するため、データ復旧に失敗するリスクを抑えることができます。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで、無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
復旧~納品までの流れ
最短当日復旧!まずはご相談ください
当社では、初期診断は最短5分、ご依頼いただいた機器の約8割が48時間以内に復旧完了しています。ご相談・初期診断・お見積りまで無料でご案内しています。
また、過去41万件以上のご相談実績から算出されるデータベースを基に、機器や症状ごとに配置された専門のエンジニアが最先端設備と技術力を駆使して正確な診断と復旧作業を行います。大切なデータ、業務にかかわる重要なデータを復旧させたい場合はご気軽にご相談ください。
対応メーカー例
NAS/サーバー 復元対応メーカー表
- Buffalo
- I-O Data
- DELL
- hp
- IBM
- NEC
- FUJITSU
- Logitec
- QNAP
- HITACHI
- Lacie
- TOSHIBA
- Western Digital
- Seagate
- Apple
- corega
- Sony
- NETGEAR
- COMPAQ
- Epson Direct
- SAMSUNG
- CENTURY
- Thecus
- PROMISE
- ASUS
- Lenovo
- センチュリー
- Acer
- Epson
- CineRAID (シネレイド)
- D-RINK
- DATA TALE
- プリンストン
- asi
- G-Technology
- iomega
※その他各種メーカーにも対応しております。現状弊社で対応できないメーカーはございません。お気軽にお問い合わせください。
画像・動画・Excelファイルなど、拡張子がつくものは全て対応しております。
※その他メーカー・ファイルも対応可能です。詳しくはお電話でお問い合わせください。
データ復旧の料金について
データ復旧費用は4つの要素で決まります
-
1総ディスク容量
どれくらいの大きさか?
-
2故障箇所
どこが壊れているか?
-
3難易度
どれくらい壊れている?
-
4工程数
復旧にかかる期間は?
-
1総ディスク容量
どれくらいの大きさか?
-
2故障箇所
どこが壊れているか?
-
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-
4工程数
復旧にかかる期間は?
お電話いただければ、専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算のお見積もりと復旧期間をお電話にてお伝えいたします。その後、無料初期診断(お見積もり)のご案内を差し上げることもできますので、金額面についてもお電話にてご相談ください。
データ復旧料金の目安
500GB未満 | 5,000円〜 |
---|---|
500GB以上 | 10,000円〜 |
1TB以上 | 20,000円〜 |
2TB以上 | 30,000円〜 |
※こちらに掲載されている金額は、あくまで総ディスク容量を元にした目安の金額です。 障害内容により、金額が異なりますので、まずはお電話にてご確認ください。
当社復旧費用のおすすめポイント
復旧料金は、診断結果に基づいたプラン(成功報酬制あり)をご提示いたします
当社では、機器の障害状況を診断させていただき、プランをご提示いたします。
成功報酬制プランにおける「復旧成功の定義データ」は、お客様の希望に合わせて設定が可能です。
ご相談・初期診断・見積まで無料で承りますので、お気軽に無料診断・見積サービスをご活用ください。
※症状により、復旧の可否にかかわらず作業費を頂戴する場合がございます。作業費が発生する可能性がある障害に関しては、事前にお客様に状況をお伝えした上で、作業費を発生させて復旧作業に着手するか、そのまま復旧作業に着手せず機器をご返却するかをご判断いただきます。
弊社の独断で復旧作業を遂行し、作業費を請求する事はございませんのでご安心ください。
ご不明な点に関してはお手数ですが、都度担当までお問合せください。
復旧できたデータは全て納品
成功定義データだけでなく、復旧できたデータは追加料金無しで全てご納品いたします。
お見積もり後に追加で作業料を請求することはありません
お見積もり後に追加で作業料金を請求することはありません。復旧の度合いにより、お見積もりから減額される事はあっても高くなる事はございませんのでご安心ください。
※納品用メディアのご購入やその他追加サービスへのご加入については別途料金が発生いたします。
お客様に合った支払い方法が選択可能
クレジットカード・銀行振込・現金支払いに加え、請求書支払い・保険支払い・公費でのお支払い・商社を介してのお支払い等、対応が可能です。ご成約時にお申し出下さい。
官公庁、国立大学法人、上場企業
多くのお客様にご利用いただきました
※ 掲載の許可を得た法人様の一部を紹介させていただいております。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。