NAS（ネットワーク対応ストレージ）は、ビジネスや家庭のデータ管理に広く使われています。しかし、HDDの故障、RAIDの崩壊、誤削除などでデータにアクセスできなくなることがあります。
誤った対応をすると、データ復旧が困難になるため、適切な方法でサルベージ（復旧）を試みることが重要です。
この記事では、自分でできる復旧方法と、専門業者に依頼すべきケースを詳しく解説します。

NASのデータが消失する主な原因

NASのデータが消失する原因には、主に以下のようなものがあります。

HDDの物理障害

NAS内のHDDが物理的に故障すると、データにアクセスできなくなります。異音がする、HDDが認識されない場合は物理障害の可能性が高いです。

物理障害の場合は衝撃や電源つけっぱなしなどの過熱のほかに経年劣化によっても生じます。寿命は3～5年といわれていますがあくまで目安であり、たとえ心当たりがなくとも故障が生じている可能性は十二分にあるということを理解しておく必要があります。加えて、物理的な故障からの復旧には専門的な知識と特殊な設備を要するため、原則個人での対応は不可能です。大事なデータが保存されている場合は専門業者に問い合わせることをおすすめします。

デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が46万件以上の相談実績（算出期間：2011年1月1日～）をもとに「初期診断」を行い、障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。

また、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。 まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。

RAIDの崩壊

RAIDを構成しているNASは、HDDの障害によってRAID構成が崩れることがあります。誤ったリビルド作業を行うと、データが完全に失われるリスクが高まります。

誤削除や初期化

誤ってファイルを削除したり、NASの設定を初期化してしまった場合、データが消えてしまいます。一部のNASにはゴミ箱機能があり、そこから復元できることもあります。

ファームウェアの不具合

NASのアップデートや設定変更により、ファームウェアが破損し、データにアクセスできなくなるケースがあります。

NASのデータサルベージ方法

NASのデータが消えた場合、以下の方法で復旧できる可能性があります。

NASの再起動を試す

軽度のシステムエラーであれば、NASの電源を入れ直すことで復旧することがあります。

バックアップの確認

NASのバックアップ機能を有効にしていた場合、そこからデータを復元できる可能性があります。

ゴミ箱機能をチェック

一部のNASには、削除したファイルを一時的に保存するゴミ箱機能があります。

データ復旧ソフトを使用する

論理障害によるデータ消失の場合、専用のデータ復旧ソフトを使うことでデータを取り戻せる可能性があります。

ただしデータ復元ソフトには復旧の不完全性があるため、文字化けや一部破損が生じる可能性があります。また物理的な故障には一切対応できないため、大事なデータが保存されている場合は専門業者に問い合わせることをおすすめします。