ORA-01157は、Oracleデータベースでデータファイルが正常に認識されない場合に発生する重大なエラーです。 このエラーは通常、関連するエラーORA-01110とともに発生し、データファイルの場所や問題の詳細が記載されています。
この記事では、ORA-01157の主な原因と、初心者でも実行できる具体的な対処法を詳しく解説します。データベース管理者だけでなく、日常的にOracleを利用するユーザーにとっても役立つ内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
目次
「ORA-01157」の原因
ORA-01157が発生する背景には、データベースの構成やストレージに関連する問題が多く含まれます。以下に考えられる原因をまとめました。
データファイルの削除や紛失
データファイルが意図的または誤って削除された場合、Oracleはそのファイルを認識できず、ORA-01157が発生します。これはシステムクラッシュやストレージ障害が原因となることが多いです。
データファイルのファイル名変更や移動
運用中にファイル名を変更したり、別のディレクトリに移動した場合、Oracleデータベースがデータファイルの場所を特定できなくなり、エラーが発生します。
ストレージのマウントに問題がある
データベースが格納されているストレージ領域がアンマウントされた場合や、アクセス不可の状態になった場合、データファイルの読み取りが失敗します。
データファイルの権限不足
データファイルに対する適切な権限が設定されていない場合、Oracleがファイルにアクセスできずエラーが発生します。特にOSの設定変更やファイルシステムの権限変更後に起こりやすい問題です。
一時ファイルの破損や不足
Oracleの一時領域が不足している、または破損している場合もエラーが発生します。これはディスク容量不足やハードウェア障害が原因となることがあります。
データファイル自体の破損
データファイルが破損している場合、Oracleがその内容を読み取れずエラーを出します。この原因はストレージデバイスの障害や不適切なデータ移行が挙げられます。
ORA-01157の対処法
このエラーに直面した場合、次の対処法を試してください。
バックアップからのデータファイルリカバリ
データファイルが削除された場合、バックアップを使用して復元する必要があります。
- バックアップソフトウェアを起動する。
- 削除されたデータファイルを選択し、復元プロセスを開始する。
- Oracleデータベースを再起動し、正常に動作するか確認する。
正しいファイル名と場所の確認
ファイル名変更や移動によるエラーの場合、以下の手順を試してください。
- OSのファイルシステムでデータファイルの現在位置を確認する。
- 正しい場所にファイルを移動またはリネームする。
- ALTER DATABASE文を使用してOracleに新しいファイルパスを通知する。
ストレージのマウント設定を確認・修正
ストレージのマウント問題を解消する手順を示します。
- OSコマンドを使用してストレージ領域の状態を確認する。
- 必要に応じてマウントを再実行する。
- データベースを再起動し、正常動作を確認する。
データファイルの権限を修正
ファイル権限を正しく設定することでエラーを解消します。
- OSのchmodコマンドを使用してファイルの権限を修正する。
- Oracleユーザーがファイルを読み書きできることを確認する。
- データベースを再起動して動作を確認する。
一時ファイルの再作成
一時ファイルが不足している場合、再作成が必要です。
- SQL*Plusに接続する。
- ALTER DATABASE TEMPFILE文を使用して一時ファイルを削除する。
- 新しい一時ファイルを追加する。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。