RAIDシステムは、複数のハードディスクを組み合わせてデータの冗長性を確保するシステムですが、障害が発生した場合のデータ損失リスクを最小限に抑えるためには、日頃からの定期的なメンテナンスと予防策が不可欠です。ここでは、RAIDシステムの信頼性を保つために重要なチェックポイントとトラブル予防策について解説します。
目次
RAIDシステムのディスクチェックのポイント
RAIDシステムでは、複数のディスクが連携してデータを保持しているため、個別のディスクの状態を監視し、早期に問題を発見することが重要です。以下に、具体的なディスクチェック方法を紹介します。
定期的なチェックディスクの実施
RAID構成のディスクに対して、定期的に「チェックディスク」を行うことで、早期にディスクの破損部分や不具合を発見し、必要な修復を施すことができます。
- RAID管理ソフトウェアを使用し、対象ディスクに対して「チェックディスク」を実行する。
- チェックディスクの実行中は、HDDへのアクセスが増えるため、他の作業は避け、パソコンをシャットダウンしないよう注意する。
- 異常が発見された場合は、修復またはディスク交換を検討する。
SMARTデータの監視
SMART(Self-Monitoring, Analysis, and Reporting Technology)は、ディスクの健康状態をモニタリングするための技術で、各ディスクに内蔵されています。定期的にSMARTデータを確認することで、ディスクの劣化や障害の兆候を早期にキャッチできます。
- RAID管理ツールやディスク診断ソフト(例:CrystalDiskInfo)を使用して、SMARTデータを確認する。
- 「不良セクタ」や「代替セクタ」が増加している場合は、ディスクの交換を検討する。
- 異常が検出された場合は、障害が拡大する前に早めに対応する。
SMARTデータの異常時は物理的な破損が生じている可能性が高く、これは自力での修復が非常に難しく、専門的な設備が必要です。
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RAIDシステムのトラブル予防のポイント
RAIDシステムのトラブルを防ぎ、安定した運用を実現するためには、日常的な予防措置が大切です。以下のトラブル予防策を実践することで、RAIDシステムの信頼性を高めることができます。
バックアップの実施
RAIDシステムは冗長性を持つものの、バックアップの代替にはなりません。RAID構成内で障害が発生しても、バックアップを取っていれば安全にデータを復元できます。
- RAIDシステムとは別に、外部ストレージやクラウドへ定期的にデータをバックアップする。
- バックアップのスケジュールを決め、少なくとも週に1回以上は実施する。
- バックアップデータが正常に保存されているか、定期的にリストアテストを行う。
リビルド作業時の注意
ディスク交換が必要になった場合は、リビルド作業が求められます。リビルド中に他のディスクも故障すると、データ復旧が困難になるため、リビルド前には全ディスクの状態を確認することが重要です。
- RAID管理ツールで全ディスクの健康状態を確認し、不具合があるディスクが他にないか確認する。
- 問題のあるディスクが見つかった場合、交換するかリビルドの前にメンテナンスを行う。
- リビルド中は、他の操作やアクセスを最小限に抑え、作業が完了するまで待つ。
互換性のあるハードウェアの選定
RAID構成に使用するディスクは、互換性のあるものを選ぶことが大切です。異なるメーカーやモデルのHDDを混在させると、予期せぬトラブルが発生する可能性があります。
- RAID構成に対応しているディスクを選定する。
- 可能であれば、同じメーカーとモデルのディスクを揃えて使用する。
- ディスクの購入前に、RAID管理ソフトウェアで互換性を確認する。
電源管理の徹底
突然の電源遮断や不安定な電源供給は、RAID構成に悪影響を及ぼし、データ損失につながる可能性があります。電源管理を徹底し、安定した電源環境を確保しましょう。
- UPS(無停電電源装置)を導入し、電源供給の安定化を図る。
- 電源が不安定な場合は、安定化装置を使用する。
- 電源サージによる影響を避けるため、雷サージ保護機能のある電源タップを利用する。
これらのポイントを意識してRAIDシステムのメンテナンスと管理を行うことで、障害発生のリスクを減らし、トラブル発生時にも迅速に対応できるようになります。大切なデータの安全を守るために、定期的なチェックと管理体制の構築を徹底しましょう。
自力で解決できない場合は「データ復旧専門業者」に相談・依頼する
NASやサーバー(特にRAID構成機器)で物理的な障害や高度な論理障害が発生した場合、下記の理由から自力での対応が難しいとされています。
- RAIDの構造が非常に複雑
- 物理障害には専用の設備や専門技術が必要
- 論理障害が起こった場合でも、市販のソフトでは対応できないことが多い
また、誤った操作や処置を行うと、復旧できたはずのデータを完全に失うリスクもあるため、専門のデータ復旧業者への依頼が推奨されます。
業者選びのポイントは以下の通りです。
- 豊富な実績と高い復旧率: 実績豊富な業者は安心感があります。
- 最新の復旧設備を保有: クリーンルームなど最新設備を持つ業者が信頼できます。
- セキュリティへの配慮: ISO認証を取得し、安全を保証している業者を選びましょう。
- 透明性のある料金体系: 無料診断や成果報酬型の業者は安心です。
- 全RAIDレベルに対応: RAID0からRAID6まで対応できる技術力を持つ業者が重要です。
市販のソフトでは回復できない物理障害は、むやみに操作せず、専門業者への早急な相談を推奨します。
当社は累積46万件超のご相談実績(期間:2011年1月1日~)を持ち、RAID全レベルに対応可能な専門エンジニアが迅速にサポートいたします。他社で診断不可のNASやサーバの復旧実績も多数あり、トラブル状況をお知らせいただければ、安全にデータを取り出すお手伝いをさせていただきます。
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よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
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復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。