RAID-Zは、ZFSファイルシステムを使用した、珍しいRAIDです。そのため、RAID-Zサーバに異常が発生した場合、復旧できるエンジニアがいない問題が生じる可能性があります。
そこで、このページではRAID-Zのトラブル原因とその解決方法を詳しく説明します。
目次
RAID-Zとは何か
RAIDとは複数のHDDを一つのドライブのように認識、表示させる技術です。
その中でもRAID-Zは、複数のストレージ(HDDやSSD)を組み合わせ、なおかつデータをブロックサイズで分散して書き込むRAID構成となっています。
RAID-Zを導入することで、大容量のデータを扱うことができ、個々のディスクが故障してもデータの消失を防止できるというメリットがあります。
しかし、日本国内でZFSファイルシステムを導入している企業はまだ少ないため、RAID-Zが故障した際に復旧できるエンジニアがいないという問題が生じる可能性があります。
そのため、失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復旧業者では、復元ソフトでは対応できない物理障害や、重度の論理障害からのデータ復元・復旧が可能です。
RAID‐Zに異常が発生した時の症状
RAID‐Zに異常が発生している際の症状は以下の通りです。
- RAID機器が起動しない・電源が入らない
- RAIDで構築しているZFSやサーバにアクセスできない・接続できない
- 共有フォルダにアクセスできない
- 筐体のランプが赤点滅や赤点灯・橙色になっている
- エラーメッセージが表示される
- 異音が聞こえる
- 内蔵HDDを認識できない
このような症状が出た場合、ZFSドライバやサーバ本体に異常がある可能性があります。サーバ本体を操作しても状況は悪化する恐れがあるため、これら問題を修正するためには、専門の技術者に相談することが必要です。
専門の技術者であれば、破損したファイルを修復し、必要に応じて新しくRAIDを再構築することができます。
RAID-Zに異常が発生する原因
RAID-Zのトラブルに対する復旧方法は、原因によって異なります。
ここではRAID-Zにおけるトラブルの原因とその解決方法について解説します。
落雷による電力サージ・突然の停電
電力サージとは落雷などで瞬間的に高い電圧が機器にかかることを指します。特にデータの書き込み中に発生した場合、データが失われる可能性が高まります。
突然の停電によってサーバの電力供給が途絶えると、データが破損し、最悪の場合、完全に失われる可能性があります。早急に復旧作業を行いましょう。
当社では平均7,344台ものドナーHDDをはじめ、メーカーや型番ごとに復旧に必要な部品を世界中から取り寄せており、ご依頼後すぐに復旧作業への着手が可能です。
電源のトラブル
RAIDサーバでは電源の故障による電圧の不安定化が、悪影響を与えることがあります。RAID-Zを導入する場合は、電源の冗長性など、電源に関する対策が重要です。
システム異常
RAID-Zで最もよく発生するトラブルの一つは、システム異常です。
RAID-Zでは、複数のディスクを結合して1つの論理ディスクとして扱うため、1つのディスクの故障が全体に影響を及ぼす可能性があります。このような理由から、ディスクの交換を行う前に、故障したディスクの特定や、RAID-Zの状態を確認することが重要です。
なお、こうしたシステム異常には「ファイルシステム障害」と「リビルドによるシステム異常」があります。
ファイルシステム異常
ファイルシステム異常とはHDDやSSDの管理情報にバグやエラーの発生、誤操作、使用中の電源トラブル等でファイルが読み込めなくなり、アクセスができなくなります。
この異常が発生すると、最悪の場合ファイル内のデータが全て失われ、サーバが使用できなくなる可能性があります。
リビルドによるシステム破損
リビルドとは異常が発生したサーバのHDDやSSDを交換し、RAIDシステムを復旧することです。しかし、リビルドの方法が不適切だと、システム破損が発生し、最悪の場合、保存されたデータが失われてしまいます。
万が一、リビルドに失敗した際は作業を中止し、RAID-Zに詳しく技術力のあるデータ復旧業者に依頼しましょう。技術力のある業者を見分けるポイントは、復旧件数が多く、HDDの復旧技術が高い業者になります。
なお、HDDの復旧には、開封用の専門設備と、個人では対処できない物理的な障害にも対応できる技術が必要です。その点、当社では機器や症状ごとに専門エンジニアをチームで組んでおり、高度な技術と経験を活かした作業を行います。
年中無休で診断・復旧を行っているため、お客様のお急ぎの場合でも迅速に対応できます。お気軽にお問い合わせください。
RAIDカード破損
RAIDカードとはサーバやコンピュータでRAID構成を管理するカードです。データの読み取りと書き込み操作を制御し、データを分散して安全に保存する機能を持ちます。
しかし、誤操作やデータ書き込み中に電源を落とすなどの行動により、RAIDカード内のシステムが破損することがあるほか、「衝撃」「水没」「経年劣化」など物理的な破損によってデータの損失、ないしファイル・サーバにアクセスすることができなくなります。
この場合、データ復旧ソフトを使用しても状況が解決することはありません。むしろサーバへの操作を続けることで RAIDカードの破損が進行するおそれがあります。異常と感じたら専門家であるデータ復旧業者に連絡しましょう。初期診断で原因を特定し、適切な対応をとることが可能です。
当社では、経験豊富なエンジニアが、最新の設備を駆使して復旧作業を行います。諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
RAID-Zを復旧するときの注意点
RAID-Zを復旧するときの注意点には以下のものがあります
- 本体サーバを操作しない
- 自身でリビルドをしない・単体接続を試みない
- データ復元ソフトを使わない
本体サーバを操作しない
RAID-Zの本体サーバに異常を発見した場合は、本体への操作を速やかに止めてください。パソコンなど周辺機器を介したサーバの利用も止めることが理想的です。むやみに操作を行うと、状況が悪化し、復旧難易度があがる恐れがあります。
自身でリビルドをしない・単体接続を試みない
リビルドには高度な専門知識が必要になるため、サーバに関する知識がない、あるいはサーバ管理がブラックボックス化している場合、自身でリビルドをしてはいけません。
また安易に単体接続を試みると、「接続後に誤ってデータを消去する」などのトラブルにより復旧難易度が上がってしまう可能性があります。仮にリビルドに失敗した場合、サーバに保存されたデータが全て消去される恐れがあります。
データ復元ソフトを使わない
サーバにデータ復元ソフトを使うことはおすすめできません。復元ソフトが対処できるのは軽度のシステムエラーに限られ、中~重度のシステムエラーや物理的な破損には対応できないからです。
もっともRAID‐Zは特殊なファイルを使用するため、対応するデータ復元ソフトはごくわずかです。サーバに異常を発見した場合、まずは社内SEやデータ復旧業者などサーバの専門知識のある方に相談しましょう。
RAID-Zを復旧する方法
RAID-Zを復旧するには、データ復旧業者へ依頼することをおすすめします。
データ復旧業者は、データ復旧専門のエンジニアとクリーンルームと呼ばれるHDDを開封する極めて清潔な設備を有しており、サーバ内のHDDやSSDに異常が発生した時や、リビルドに失敗したサーバからデータ復旧が可能です。
しかし、データ復旧業者の間にもエンジニアの技術力の差が顕著にあります。
安全にデータ復旧ができる業者に依頼する際は、「古い機種から最新機種まで復旧経験があるか」「復旧実績は多いか」を企業サイトなどで事前に情報収集しておくとよいでしょう。
データが必要な場合は、データ復旧の専門業者に相談する
サーバの中に失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復旧業者では、復元ソフトでは対応できない物理障害や、重度の論理障害からのデータ復元・復旧が可能です。
これまでの対処方法は、ごく「軽度の論理障害」しか対応できず、「中高度の論理障害」あるいは「経年劣化を含む物理障害」には対応できませんでした。
データ復旧業者では、サーバに発生している症状を元にエンジニアによる正確な初期診断を行い、故障原因の特定が可能です。プロが対応するため、データ復旧に失敗するリスクを抑えることができます。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで、無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
復旧~納品までの流れ
最短当日復旧!まずはご相談ください
当社では、初期診断は最短5分、ご依頼いただいた機器の約8割が48時間以内に復旧完了しています。ご相談・初期診断・お見積りまで無料でご案内しています。
また、過去41万件以上のご相談実績から算出されるデータベースを基に、機器や症状ごとに配置された専門のエンジニアが最先端設備と技術力を駆使して正確な診断と復旧作業を行います。大切なデータ、業務にかかわる重要なデータを復旧させたい場合はご気軽にご相談ください。
対応メーカー例
NAS/サーバー 復元対応メーカー表
- Buffalo
- I-O Data
- DELL
- hp
- IBM
- NEC
- FUJITSU
- Logitec
- QNAP
- HITACHI
- Lacie
- TOSHIBA
- Western Digital
- Seagate
- Apple
- corega
- Sony
- NETGEAR
- COMPAQ
- Epson Direct
- SAMSUNG
- CENTURY
- Thecus
- PROMISE
- ASUS
- Lenovo
- センチュリー
- Acer
- Epson
- CineRAID (シネレイド)
- D-RINK
- DATA TALE
- プリンストン
- asi
- G-Technology
- iomega
※その他各種メーカーにも対応しております。現状弊社で対応できないメーカーはございません。お気軽にお問い合わせください。
画像・動画・Excelファイルなど、拡張子がつくものは全て対応しております。
※その他メーカー・ファイルも対応可能です。詳しくはお電話でお問い合わせください。
データ復旧の料金について
データ復旧費用は4つの要素で決まります
-
1総ディスク容量
どれくらいの大きさか?
-
2故障箇所
どこが壊れているか?
-
3難易度
どれくらい壊れている?
-
4工程数
復旧にかかる期間は?
-
1総ディスク容量
どれくらいの大きさか?
-
2故障箇所
どこが壊れているか?
-
3難易度
どれくらい壊れている?
-
4工程数
復旧にかかる期間は?
お電話いただければ、専門のアドバイザーがお客様の状況を伺い、概算のお見積もりと復旧期間をお電話にてお伝えいたします。その後、無料初期診断(お見積もり)のご案内を差し上げることもできますので、金額面についてもお電話にてご相談ください。
データ復旧料金の目安
500GB未満 | 5,000円〜 |
---|---|
500GB以上 | 10,000円〜 |
1TB以上 | 20,000円〜 |
2TB以上 | 30,000円〜 |
※こちらに掲載されている金額は、あくまで総ディスク容量を元にした目安の金額です。 障害内容により、金額が異なりますので、まずはお電話にてご確認ください。
当社復旧費用のおすすめポイント
復旧料金は、診断結果に基づいたプラン(成功報酬制あり)をご提示いたします
当社では、機器の障害状況を診断させていただき、プランをご提示いたします。
成功報酬制プランにおける「復旧成功の定義データ」は、お客様の希望に合わせて設定が可能です。
ご相談・初期診断・見積まで無料で承りますので、お気軽に無料診断・見積サービスをご活用ください。
※症状により、復旧の可否にかかわらず作業費を頂戴する場合がございます。作業費が発生する可能性がある障害に関しては、事前にお客様に状況をお伝えした上で、作業費を発生させて復旧作業に着手するか、そのまま復旧作業に着手せず機器をご返却するかをご判断いただきます。
弊社の独断で復旧作業を遂行し、作業費を請求する事はございませんのでご安心ください。
ご不明な点に関してはお手数ですが、都度担当までお問合せください。
復旧できたデータは全て納品
成功定義データだけでなく、復旧できたデータは追加料金無しで全てご納品いたします。
お見積もり後に追加で作業料を請求することはありません
お見積もり後に追加で作業料金を請求することはありません。復旧の度合いにより、お見積もりから減額される事はあっても高くなる事はございませんのでご安心ください。
※納品用メディアのご購入やその他追加サービスへのご加入については別途料金が発生いたします。
お客様に合った支払い方法が選択可能
クレジットカード・銀行振込・現金支払いに加え、請求書支払い・保険支払い・公費でのお支払い・商社を介してのお支払い等、対応が可能です。ご成約時にお申し出下さい。
官公庁、国立大学法人、上場企業
多くのお客様にご利用いただきました
※ 掲載の許可を得た法人様の一部を紹介させていただいております。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。