WindowsでBitLockerを有効にしようとした際に「BitLocker を有効にできませんでした」というエラーメッセージが表示され、暗号化が開始できないことがあります。これは、ハードウェアの構成やTPMの状態、システム設定など、さまざまな原因によって発生します。
本記事では、エラーの具体的な原因と、その解決方法を丁寧に解説します。
目次
「BitLocker を有効にできませんでした」主な原因
このエラーは、PCのセキュリティ機能や構成がBitLockerの要件を満たしていない場合によく発生します。以下のような原因が考えられます。
TPMの無効化・未初期化・ドライバ不良
TPM(トラステッドプラットフォームモジュール)が無効化されている、未初期化、またはドライバに不具合があると、BitLockerが正常に動作しません。
USBドライブやスタートアップキーの認識不良
BitLockerでUSBキーを使用して暗号化を行う設定の場合、USBポートやドライブの認識不良もエラーの原因になります。
BIOS/UEFIやドライバが古い
古いBIOSやドライバでは、BitLockerとTPMの連携がうまくいかず、機能が正しく動作しない場合があります。
BitLockerサービスが無効
関連サービスである「BitLocker Drive Encryption Service」が無効の場合、BitLockerを有効にすることができません。
グループポリシーやセキュリティ設定の制限
ポリシー設定によってBitLockerが制限されていると、設定画面での有効化ができません。企業PCで多く見られます。
セキュアブートが無効
セキュアブートが無効化されていると、一部のTPM設定やBitLockerのセキュリティ機能が動作しないことがあります。
PCの構成やシステム要件の未達成
BitLockerを利用するには、適切なパーティション構成や十分なドライブ容量、そして対応するシステム構成が必要です。これらの条件を満たしていない場合、暗号化を開始できなかったり、途中でエラーが発生することがあります。
たとえば、必要なシステム予約パーティションが存在しない場合や、ドライブの空き容量が不足している場合には、BitLockerのセットアップそのものが失敗するケースがあります。また、ファームウェアやセキュリティ設定が適合していない場合にも、エラーとなり動作が停止することがあります。
こうしたエラーを繰り返すと、システムの安定性に悪影響を及ぼし、場合によってはデータへのアクセスが制限されるリスクもあります。誤った構成のまま無理に設定を進めると、暗号化の途中でトラブルが発生し、復旧が難しくなることもあるため注意が必要です。
BitLockerを安全かつ確実に運用するには、事前に構成要件を確認し、システム全体の状態を把握した上で対応することが大切です。当社では、BitLockerに関する設定やトラブルのご相談にも対応しており、専門の技術スタッフが構成チェックやトラブル診断を実施しています。
初期診断とお見積りは無料で、24時間365日いつでもご相談いただけます。エラーが出てBitLockerが設定できない場合は、早めにご相談いただくことをおすすめします。
「BitLocker を有効にできませんでした」時の対処法
以下の手順を順に試すことで、BitLockerの有効化が可能になる場合があります。
PCの構成とシステム要件を確認
BitLockerにはシステム構成の条件があります。
- システムドライブが2つ以上のパーティション(システム用・データ用)に分かれているか。
- システムパーティションが「アクティブ」としてマークされているか。
- ブートパーティションに350MB以上の空き容量があるか。
TPMの状態を確認・有効化・初期化
TPMはBitLockerにとって重要なセキュリティモジュールです。
- BIOS/UEFI設定画面で「TPM(またはIntel PTT)」を有効化。
- 「tpm.msc」でTPMの状態を確認。
- 状態が不明・未使用であれば、「TPMの初期化(クリア)」を選択。
- デバイスマネージャーからTPMドライバを更新。
BitLockerサービスの有効化
サービスが無効になっていると、BitLockerを使用できません。
- 「services.msc」を実行。
- 「BitLocker Drive Encryption Service」を探してダブルクリック。
- 「スタートアップの種類」を「自動」に設定し、「開始」をクリック。
BIOS/UEFIやドライバのアップデート
古いファームウェアやドライバはBitLockerと相性が悪いことがあります。
- マザーボードの製造元公式サイトでBIOS/UEFIの最新版を確認・更新。
- チップセット・ストレージ・TPM関連のドライバも最新版に更新。
USBドライブやポートの確認
USBキーを使用する設定時、接続不良が原因でエラーが出ることもあります。
- USBポートが正しく機能しているか。
- 別のポートやUSBドライブを試してみる。
- BIOSでUSBサポートが有効になっているかを確認。
グループポリシーの確認・修正
企業PCや制限付きの環境では、ポリシー設定によりBitLockerが無効になっていることがあります。
- 「gpedit.msc」でローカルグループポリシーエディタを開く。
- 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「BitLockerドライブ暗号化」へ進む。
- すべてのポリシーを「未構成」または「有効」に変更。
- TPMが不要な場合は「互換モードでBitLockerを有効にする」設定を有効化。
セキュアブートの有効化
セキュアブートが無効だと、TPMとの連携がうまくいかない場合があります。
- BIOS/UEFIに入り、「Secure Boot」を有効に設定。
- 「Legacy Mode」が有効な場合は「UEFIモード」に切り替える。
BitLockerを一度無効化して再度有効化
BitLockerが途中まで有効になっている状態で停止していると、再設定が必要です。
- 「コントロールパネル」→「BitLockerドライブ暗号化」を開く。
- 一度BitLockerを「無効」にして再起動。
- 再度「有効化」して暗号化をやり直す。
「BitLocker を有効にできませんでした」というエラーが出た場合は、TPMの状態、USB認識、システム構成、グループポリシー設定など、確認すべきポイントが多数あります。上記の手順を順番に試すことで、ほとんどのケースで問題を解消することが可能です。
それでも解決しない場合は、TPMの物理的故障やOSの重大な不具合も考えられます。そのようなケースでは、専門業者への相談も視野に入れてください。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。