パソコンの起動時に「Boot Device Not Found」と表示されると、システムが起動できなくなり、重要なデータが失われる危険性に直面します。
本記事では、データ復旧の専門家として、エラーの主要な原因とその対処法について詳しく解説します。データ消失を防ぐためには、早急で正確な対応が求められます。この記事を通じて、適切な手順を理解し、対策を講じてください。
「Boot Device Not Found」エラーの主な原因
「Boot Device Not Found」エラーは、システムが起動に必要なデバイス(HDDやSSD)を認識できない状態です。このエラーが発生する原因は主に5つに分類されます。
「Boot Device Not Found」エラーの主な原因
「Boot Device Not Found」エラーが発生した場合は、まず原因を特定し、誤った修復を避けることが重要です。データ消失のリスクが高い場合には、自己対応を避け、専門業者に相談することが最善策です。
ハードウェアの接続不良
パソコン内部でHDDやSSDが正しく接続されていない場合、「Boot Device Not Found」エラーが発生します。具体的には、以下の点を確認する必要があります。
ケーブルの緩みや接触不良
内部のSATAケーブルや電源ケーブルが緩んでいたり、接触不良を起こしていると、HDDやSSDがマザーボードに正しく認識されません。ケースを開けて、ストレージデバイスとマザーボード、電源ユニットの接続を確認し、ケーブルをしっかり挿し直すことが大切です。
電源供給の問題
ストレージデバイスへの電源供給が十分でないと、デバイスが起動しないため、電源ケーブルや電源ユニット自体に問題がないかを確認します。
BIOS設定の問題
BIOSの設定ミスにより、HDDやSSDが正しく認識されないことがあります。具体的な対処方法は次の通りです。
外部デバイスが優先設定されている
USBメモリや外付けHDDが接続されている場合、これらが起動デバイスとして優先されていることがあります。BIOSにアクセスし、ブートオーダーを確認して、内部のHDDやSSDが最優先で起動するように設定します。
起動デバイスの確認
BIOSの「Boot」設定タブに移動し、正しいHDDやSSDが起動デバイスとして選択されているかを確認します。必要に応じて、優先順位を変更し、設定を保存して再起動します。
システムファイルの破損
システムファイルが破損すると、OSの起動に必要なデータが欠損し、エラーが発生します。以下が原因となることが多いです。
ウイルス感染
悪意のあるプログラムによってシステムファイルが破損することがあります。アンチウイルスソフトで感染を確認し、駆除することが必要です。
不完全なWindowsアップデート
アップデート途中で電源が切れる、またはインストールエラーが発生すると、重要なシステムファイルが破損し、システムが起動しなくなることがあります。
修復には、Windowsの「スタートアップ修復」機能や「システムの復元」を使用できます。ただし、データ消失のリスクがあるため、重要なデータがある場合はまず専門業者に相談することが推奨されます。
MBR(マスターブートレコード)の破損
MBRは、ストレージの最初のセクターに保存されている重要な情報で、OSの起動手順を管理しています。MBRが破損すると、システムが正常に起動できなくなります。主な原因は次の通りです。
ウイルス感染
MBRに感染するマルウェアは、ブート情報を破壊し、OSの起動を妨げます。
論理障害
MBRが破損した場合、Windowsのインストールディスクを使い、コマンドプロンプトで bootrec /fixmbr
コマンドを実行して修復することが可能です。ただし、修復の失敗や不完全な修復はデータ消失につながるため、専門家に相談するのが最も安全です。
ストレージデバイスの物理的故障
HDDやSSDが物理的に故障している場合、システムがデバイスを認識できず、「Boot Device Not Found」エラーが発生します。物理的故障の兆候として以下が挙げられます。
異音がする
HDDから「カチカチ」「ビープ音」などの異常音が聞こえる場合、内部で深刻な物理的障害が発生している可能性があります。この異音は、HDDのヘッドがディスク表面に接触し、データを読み取れない状態(ヘッドクラッシュ)を示していることが多く、放置するとデータが完全に失われるリスクが非常に高まります。
- カチカチ音:HDDのヘッドがディスクに正しく配置できず、繰り返し位置を確認する動作が原因です。
- ビープ音:モーターやその他の内部部品が正常に動作していない可能性があります。
こうした音が確認された時点で、直ちにパソコンの電源を切り、使用を中止してください。この状態で操作を続けると、データを取り戻すことが不可能になる場合があります。速やかにデータ復旧の専門業者に連絡し、デバイスを診断してもらうことが重要です。
落下歴がある
パソコンや外付けHDD、SSDを過去に落としたことがある場合、外見上は問題がなくても内部では物理的な損傷が進行していることがあります。特に、次のような状況では注意が必要です。
- 短期間で動作が遅くなる:落下後にパフォーマンスが急激に低下した場合、内部で部品が損傷している可能性があります。
- 時々認識しなくなる:HDDやSSDが断続的に認識されない場合、接続部分が破損しているか、内部構造がダメージを受けている可能性があります。
落下による物理的ダメージは、時間とともに進行することがあるため、たとえすぐに問題が発生しなくても、故障が進む前にデータのバックアップやデバイスの診断を早めに行い、データにアクセスできなくなった場合は、データ復旧業者に相談することをおすすめします。
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「Boot Device Not Found」エラーの対処法
このエラーが発生した場合は、次の対処法を順番に試してみてください。物理的な故障でなければ、自分で修復できる場合がありますが、原因が物理的な故障にある場合は、早急に専門業者へ相談することをおすすめします。
①HDDやSSDの接続を確認する
ストレージデバイスが認識されない原因として、物理的な接続不良がよくあります。以下の手順で接続を確認しましょう。
HDDやSSDの接続確認手順
- 静電気対策として、静電気防止マットやリストストラップで体をアースします。
- パソコンのケースを開けて内部を確認します(ノートパソコンの場合は背面のネジを外します)。
- SATAケーブルと電源ケーブルがしっかりと接続されているか確認します。
- 接続を確認したら、ケースを閉じてシステムを再起動します。
この手順で問題が解決する場合もありますが、ケーブルに異常が見られたり、接続が正しくても問題が続く場合、ハードディスクやSSD自体に物理的問題がある可能性があります。
②BIOS設定の確認・修正する
BIOS設定が誤っていると、パソコンが正しいデバイスから起動できなくなります。次の手順でBIOS設定を確認してください。
BIOS設定の確認と修正手順
- パソコンを再起動し、F2、F10、Delキーなどを押してBIOSにアクセスします。
- 「Boot」タブで正しいブートデバイスが最優先になっているか確認し、設定を変更します。
- 「Fast Boot」や「Secure Boot」機能が原因でデバイスが認識されない場合があるため、これらの設定をデフォルトに戻して再起動します。
③Windowsの「スタートアップ修復」機能を使用する
「Boot Device Not Found」エラーの原因がシステムファイルの破損にある場合、Windowsの「スタートアップ修復」機能を使って自動的に修復を試みることができます。
Windowsの「スタートアップ修復」機能を使用する手順
- パソコンの電源を強制的に数回切ることで、Windowsが「スタートアップ修復」を自動的に起動することがあります。
- 修復が成功しない場合は、「システムの復元」や「初期化」を試すことも有効です。
注意: 初期化を行うと、保存していたデータがすべて消去されるため、重要なデータがある場合は、まずデータ復旧を行うことを推奨します。
④MBR(マスターブートレコード)を修復する
MBRが破損している場合、パソコンが起動できません。以下の手順でMBRを修復します。
MBR(マスターブートレコード)の修復手順
- Windowsの「修復ディスク」または「インストールディスク」を使用し、ブートメニューからコマンドプロンプトを起動します。
- 以下のコマンドを入力してMBRを修復します。
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
この操作でブートプロセスが再構築され、MBRが正常に修復されることがあります。
⑤インストールメディアからコンピューターを修復する
PCが起動できない場合、インストールメディアを使ってシステムを修復することができます。
インストールメディアからコンピューターを修復する手順
- インストールメディア作成
USBドライブ(8GB以上)またはDVDにMicrosoft公式ツールを使用してWindowsのインストールメディアを作成します。
- BIOS設定
PCを再起動し、BIOSに入り(「Delete」キーや「F2」キーなど)、ブートオプションでUSBまたはDVDを最初の起動デバイスに設定します。
- システム修復
メディアから起動し、「コンピューターを修復する」を選択します。次に「トラブルシューティング」→「詳細オプション」から以下の修復方法を試します。
- SFC:
sfc /scannow
でシステムファイルを修復。
- CHKDSK:
chkdsk C: /f
でディスクエラーを修正。
- DISM:
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
でWindowsイメージを修復。
システム修復後にPCを再起動し、エラーが解決したか確認します。
これらの手順を実行してもエラーが解決しない場合や、物理的な故障が疑われる場合は、専門業者に相談することが最も安全で確実な対処法です。
上記の対処法で解決できない場合、データ復旧業者へ相談する
もし上記の対処法で解決できず、特にハードディスクやSSDの物理的な故障が疑われる場合は、自力での修復を避け、早急にデータ復旧の専門業者に相談することが重要です。物理的な損傷や深刻なトラブルは、専門的な技術と設備がなければ対処が難しく、無理に修理を試みると状況を悪化させる恐れがあります。
大切なデータが保存されている場合、早急な対応がデータ消失を防ぐカギとなります。時間が経つほど復旧の難易度が上がるため、故障の兆候が現れた時点で迅速に専門業者に依頼するのが最も効果的です。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。