コマンドプロンプトは、Windowsの問題を解決するための強力なツールです。システムファイルの修復やディスクエラーの解決、ブート問題の修復など、さまざまなトラブルシューティングに使用できます。この記事では、初心者にもわかりやすく、具体的なコマンドの使い方を説明します。
目次
コマンドプロンプトでPCを修復する必要がある状況
コマンドプロンプトでPCを修復する必要がある状況は、通常、Windowsの動作に問題が発生した場合や、システムファイルやストレージのトラブルが疑われる場合です。
以下に、具体的な状況をいくつか挙げます。
Windowsの起動トラブル
Windowsが正常に起動しない場合、または「Operating System Not Found」や「Boot Configuration Data Missing」といったエラーメッセージが表示されることがあります。さらに、ブートループと呼ばれる再起動を繰り返す状態もこの問題に該当します。
このような場合、コマンドプロンプトでBootrec
コマンドを使用することで、マスターブートレコード(MBR)やブート構成データ(Bcd)を修復し、問題の解決を試みることができます。
システムファイルの破損
アプリケーションやWindowsの基本機能が不安定になる、またはエラーが頻発する場合、システムファイルが破損している可能性があります。
この問題を解決するには、コマンドプロンプトでSFC /scannow
を実行します。このコマンドは、破損したシステムファイルをスキャンし、自動的に修復する役割を果たします。
ディスクエラー
ファイルの読み書き失敗やエラーメッセージが表示される場合、ディスクに問題が発生している可能性があります。この際、chkdskコマンドでエラーのスキャンや修復を試みることができますが、不良セクタや物理的損傷が原因の場合、状況が悪化しデータが失われるリスクがあります。
無理な対応は避け、専門業者への相談をお勧めします。適切な対応で大切なデータを守りましょう。こうしたトラブルに直面した際は、無理に自力で対処せず、専門業者に相談することをお勧めします。適切な対応で、大切なデータを守ることができます。
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Windowsイメージの破損
Windows Updateの失敗やシステムクラッシュが頻繁に発生する場合、Windowsイメージが破損している可能性があります。
このような場合には、DISM
コマンドを使用してWindowsイメージを修復することで、システムを回復できます。このコマンドは特に、Windows Update関連の問題解決に効果的です。
マルウェア感染
システムが不審な挙動を示し、ファイルや設定が勝手に変更される場合は、ウイルスやマルウェア感染が疑われます。この場合、コマンドプロンプトでSFC
やDISM
を実行することで、感染によって損傷したシステムファイルを健全な状態に戻すことができます。
コマンドプロンプトの起動方法
コマンドプロンプトを起動する方法は、PCが正常に起動するかどうかによって異なります。以下にそれぞれの手順を説明します。
正常に起動する場合
- スタートメニューの検索ボックスに「コマンドプロンプト」と入力します。
- 表示された結果から「管理者として実行」を選択します。
起動しない場合
- Windowsインストールメディア(USBまたはDVD)を使用してPCを起動します。
- 「コンピュータを修復する」を選択します。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を選択します。
修復コマンドの実行方法
以下のコマンドを使用することで、さまざまなWindowsの問題を修復できます。
それぞれの役割と実行方法を詳しく説明します。
SFCコマンドによるシステムファイル修復
SFC(System File Checker)コマンドは、破損または欠損しているシステムファイルを検出し、自動的に修復する役割があります。これにより、Windowsの動作が安定しない場合やエラーが発生する場合に役立ちます。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
- 「sfc /scannow」と入力してEnterキーを押します。
- スキャンが完了するまで待ちます。破損が見つかった場合、自動的に修復が試みられます。
DISMコマンドによるWindowsイメージ修復
DISM(Deployment Image Servicing and Management)コマンドは、Windowsのシステムイメージを修復するために使用されます。特に、Windows Update関連の問題やシステムの健全性が損なわれている場合に役立ちます。
- 「Dism /Online /Cleanup-Image /CheckHealth」と入力し、Enterキーを押します。(イメージの健康状態を確認)
- 「Dism /Online /Cleanup-Image /ScanHealth」と入力し、Enterキーを押します。(問題をスキャン)
- 「Dism /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth」と入力し、Enterキーを押します。(問題を修復)
CHKDSKコマンドによるディスクエラー修復
CHKDSK(Check Disk)コマンドは、ディスクドライブ上のエラーや破損を検出し、自動的に修正する機能があります。ファイルの読み書きに失敗する場合や、ストレージが正常に動作しない場合に使用します。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
- 「chkdsk C: /f /r」と入力し、Enterキーを押します。(C:はドライブレター)
- スキャンが完了するまで待ちます。問題が見つかった場合、自動的に修正されます。
Bootrecコマンド(Bootrec)によるブート問題修復
Bootrec(Boot Recovery)コマンドは、起動時に発生する問題を修復するためのコマンドです。マスターブートレコード(MBR)やブート構成データ(Bcd)の修復を行い、Windowsが正常に起動しないトラブルを解決します。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
- 以下のコマンドを順番に入力し、Enterキーを押します:
- bootrec /fixmbr
- bootrec /fixboot
- bootrec /rebuildbcd
- 処理が完了するまで待ちます。
システム復元
システムを以前の状態に戻す場合、「rstrui.exe」コマンドを使用します。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
- 「rstrui.exe」と入力し、Enterキーを押します。
- 画面の指示に従って復元ポイントを選択し、システムを復元します。
これらのコマンドを実行する際は、必ず管理者権限でコマンドプロンプトを開く必要があります。また、修復作業を行う前に重要なデータのバックアップを取っておくことを強く推奨します。問題が解決しない場合は、専門のサポートを検討してください。
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この記事を書いた人
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HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。