パソコンの動作が重い、あるいは突然ストレージが認識されなくなるといったトラブルに直面したとき、早期の異常検知に役立つのが「CrystalDiskInfo」です。SSDやHDDの内部状態を可視化できるこのツールでは、「健康状態」やS.M.A.R.T.情報を通じて、記録媒体の劣化や異常を判断することができます。
本記事では、「正常・注意・異常・不明」といった表示の意味から、SSDとHDDで特に注意すべき項目、状態が悪化する原因、そして具体的な対処法までを詳細に解説します。
目次
CrystalDiskInfoで確認できる「健康状態」とは
CrystalDiskInfoは、内蔵されたSSDやHDDの状態を定期的にモニタリングできる無料ソフトで、S.M.A.R.T.情報をもとに健康状態を算出します。見た目にもわかりやすい「青・黄・赤・灰色」の色分けで、現在のストレージの良否を視覚的に把握できます。
健康状態の表示内容と意味
以下のように色分けとステータスで表現され、それぞれの状態は具体的な意味を持ちます。
- 正常(青色):問題なし。すべてのS.M.A.R.T.値が基準内。
- 注意(黄色):不良セクタや書き込み限界が近づいており、軽度の異常が見られる。
- 異常(赤色):複数のS.M.A.R.T.値がしきい値を超過。すぐにデータ退避が必要。
- 不明(灰色):S.M.A.R.T.値が取得できない状態。SSDの独自仕様や接続不良が原因の可能性も。
このようにCrystalDiskInfoによる「健康状態」の表示は、ストレージの異常を早期に察知するうえで非常に有効です。特に「注意(黄色)」や「異常(赤色)」と表示されている場合、内部で劣化や障害が進行している可能性があります。
異常のサインを放置すると生じうるリスク

異常のサインを放置すると、次のようなリスクが生じます。
- デバイスが突然認識されなくなり、データにアクセスできなくなる
- 自力での復旧や誤操作により、データの上書きや損失が進行する
- S.M.A.R.T.情報も確認できなくなり、原因特定が困難になる
こうした事態を避けるためには、早い段階で専門的な診断を受けることが重要です。
当社では、S.M.A.R.T.情報や健康状態の数値をもとに、ストレージの状態を正確に分析し、以下のようなサポートを行っています。
- 状態の可視化と障害内容の特定
- 各種エラーの進行度合いに応じた復旧プランの提案
- クリーンルームを含む専用設備での安全な復旧作業
デジタルデータリカバリーは、これまでに46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月以降)を持ち、一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(内、完全復旧57.8%。2023年10月実績)という高い成果を維持しています。
初期診断とお見積りは無料で、24時間365日いつでも対応しています。健康状態に「黄色」や「赤色」が表示されたら、すぐにご相談いただくことが、データを守る一番の近道になります。
SSDにおける健康状態と劣化の兆候
SSDの「健康状態」は、主にNANDフラッシュの書き込み寿命や、コントローラの状態に基づいて算出されています。CrystalDiskInfoではS.M.A.R.T.の特定項目を元に判断されるため、定期的なモニタリングが重要です。
SSD健康状態の主な低下要因
SSDは構造上、書き込み回数に限界があり、使用環境によって急激に寿命が縮むこともあります。以下に、健康状態が低下しやすい要因を整理しました。
高負荷な書き込み用途
動画編集や仮想マシン運用、オンラインゲームなどはSSDへの書き込み量が非常に多く、セルへの負荷が集中します。
- 一時ファイルの保存先をHDDなど別ドライブに変更
- ブラウザのキャッシュも別ドライブに移動
- 仮想環境や編集プロジェクトの作業用フォルダを分離
容量の小さいSSDの酷使
ストレージ容量が小さいと、同一セルへの書き込み頻度が上がり、寿命が早く尽きます。
- 定期的に不要ファイルを削除し空き容量を確保
- SSDの使用はOSやアプリ用に限定し、大容量データはHDDに保存
- 可能であれば容量の大きいSSDに交換
冷却不足や高温環境
高温環境ではNANDの劣化が加速し、健康状態に悪影響を及ぼします。
- PCケース内のエアフローを確認・改善
- M.2 SSDにはヒートシンクの取り付けを検討
- PC内のホコリ除去と定期清掃を実施
ファームウェアの不具合
特定メーカーのSSDでは、古いファームウェアが原因で誤検知や不具合が起きることがあります。
- メーカー公式サイトから型番を検索し、最新のファームウェアを確認
- 付属のアップデートツールを使って適用
- アップデート前に必ずバックアップを取る
HDDにおける健康状態の変化と原因
HDDはSSDと異なり、可動部を持つ精密な機械です。そのため、物理的な衝撃や長時間稼働などによる摩耗が主なトラブルの原因となります。
HDD健康状態の主な低下要因
特に不良セクタの増加や、物理的損傷による内部エラーが発生しやすく、健康状態が急速に悪化することも少なくありません。
物理的な衝撃
HDDは非常に繊細な機器です。移動中の落下や振動によって内部の磁気ディスクやヘッドが傷つき、不良セクタの原因になります。
- ノートPCを移動中に使用しない
- HDD搭載のデスクトップは防振マットの上に設置
- 持ち運び時は電源を切り、適切なケースで保護
高温環境での運用
HDD内部はモーターや軸受けなど物理部品が多く、高温になると劣化が急激に進みます。
- ケースファンやHDD専用クーラーを導入
- ケース内部の配線を整理して通気性を確保
- ホコリ掃除を月1回実施
長時間の連続使用
監視システムやファイルサーバーなどで使われるHDDは、常時稼働で摩耗が早まります。
- 電源オプションでスリープ設定を有効化
- RAID構成で冗長化し、1台の負荷を分散
- 定期的なシャットダウンで冷却時間を確保
ケーブル・接続不良
Interface CRC Error Countが増えている場合、SATAケーブルやマザーボード側の端子不良が原因の可能性があります。
- SATAケーブルを新品に交換
- 端子にホコリが詰まっていないか確認
- 別のSATAポートへ差し替え
健康状態が下がったときに取るべき行動
CrystalDiskInfoで「注意」や「異常」と表示された場合、次のような対応が重要です。放置すると取り返しがつかない事態になる恐れがあります。
- まずは全データのバックアップを優先
- S.M.A.R.T.の該当項目を確認し原因を特定
- ファームウェアや接続環境を見直す
- 劣化が進んでいるなら新しいストレージに交換
特に業務用PCや大事なデータが保存されている場合は、異常検出時点で速やかに専門業者へ相談することを強くおすすめします。
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「異常」や「注意」状態が表示された場合、データが失われる前に、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。24時間365日体制で対応しています。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
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よくある質問
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。