DISM(Deployment Imaging Service and Management)ツールは、Windowsのシステムイメージを修復するための強力なコマンドラインツールです。
しかし、システムやファイルの破損が原因でDISMが正常に動作しないことがあります。そこで本記事では、DISMエラーが発生した際の具体的な対処法を解説します。
目次
DISMエラーが発生する原因
DISMエラーが発生する原因は主に次の通りです。
Windows Updateの失敗
Windows Updateが途中で失敗すると、DISMが正しく動作しなくなることがあります。
システムファイルの破損
重要なシステムファイルが破損している場合、DISMツールによる修復が正常に完了しないことがあります。
ハードディスクの問題
HDDやSSDには、データを保存する「セクタ」と呼ばれる単位があります。不良セクタとは、物理的な損傷や経年劣化により正常に読み書きができなくなったセクタのことです。
不良セクタが発生する主な原因には以下が考えられます。
- ハードウェアの経年劣化
- 突然の電源断(停電や強制終了など)
- 高温や湿気による影響
- 衝撃や落下による物理的な破損
不良セクタが存在すると、DISMツールがシステムイメージのデータを正しく読み取れず、エラーが発生する場合があります。
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マルウェア感染
ウイルスやマルウェアがシステムファイルを破損させると、DISMエラーが発生することがあります。
不適切なシステム変更
手動でシステム設定を変更したり、信頼できないソフトウェアをインストールした場合にエラーが発生する可能性があります。
DISMエラーの対処法
DISMエラーの対処法は主に次の通りです。
DISMエラーは、Windowsのシステムメンテナンス中に発生することがあり、システムファイルやハードウェアの問題が原因で起こります。
まずは、DISMとSFCコマンドを使用した修復を試し、それでも解決しない場合は、手動でのファイル修復やエラーチェックを実施してください。ウイルス対策ソフトの一時的な無効化や、Windowsの再インストールも選択肢の一つです。
DISMコマンドでシステムを修復する
まず、管理者権限でコマンドプロンプトを開き、DISMツールを実行します。
- 「コマンドプロンプト」を管理者権限で開く。
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押す。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- プロセスが完了するまで待つ。
システムファイルチェッカー(SFC)を使用する
DISMの実行後に、SFCコマンドでシステムファイルをスキャンし、破損を修復します。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く。
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押す。
sfc /scannow
- スキャンが完了するまで待つ。
手動でファイルを修復する
SFCでも修復できない場合、破損したファイルを手動で修復します。
- コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行し、ファイルの所有権を取得する。
takeown /f [ファイルパス]
- 次に、管理者権限を付与する。
icacls [ファイルパス] /GRANT ADMINISTRATORS:F
- 正常なファイルで破損したファイルを上書きする。
copy [正常ファイルのパス] [破損ファイルのパス]
ハードディスクのエラーチェックを行う
ハードディスクの不良セクタが原因の場合、エラーチェックで問題を解決します。
- 「コマンドプロンプト」を管理者権限で開く。
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押す。
chkdsk /f /r
- プロセス完了後にPCを再起動する。
ウイルス対策ソフトの一時無効化
ウイルス対策ソフトがDISMツールの動作を妨げている場合、一時的に無効化して再試行します。
Windowsの再インストールを検討する
これらの方法でも問題が解決しない場合、Windowsの再インストールを検討することも一つの選択肢です。
Windowsの再インストールは、システムをリフレッシュするための有効な手段ですが、データの消失リスクが高いため、慎重な準備と判断が必要です。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。