Windows 10では、ディスクエラーのチェックと修復がシステムの安定性やデータ保護のために非常に重要です。ハードディスクやSSDにエラーが発生すると、ファイルの読み込みや書き込みが不安定になり、最悪の場合はデータが損失する可能性もあります。
以下に、Windows 10でのエラーチェックと修復方法をいくつか詳しく紹介します。
目次
①コマンドプロンプトで「CHKDSK」コマンドを使用する方法
「CHKDSK」コマンドは、Windowsのディスクチェック機能で、ハードディスクやSSDのエラーを検出して修復を試みます。
ただし修復を行う前に、重要なデータのバックアップを取っておくことをおすすめします。特に物理的な故障が疑われる場合、チェックや修復操作によって状態が悪化する可能性もあるため、バックアップは必須です。
- Windowsキーを押し、「cmd」と入力して検索します。
- 検索結果から「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択します。
- コマンドプロンプトが開いたら、「
chkdsk C: /f /r
」と入力してEnterキーを押します(C:はチェックしたいドライブのドライブレターです)。
オプションの意味
/f
:検出されたエラーを修正します。/r
:不良セクタを検出し、読み取り可能な情報を回復します。
実行後、システムドライブ(Cドライブ)をチェックする場合は、再起動が必要になることがあります。このコマンドを使用することで、ハードディスクやSSD上のエラーを効果的に検出し修復できます。
②エクスプローラーを使用してエラーチェックする方法
Windowsエクスプローラーを使用してディスクのエラーチェックを行うことも可能です。こちらはグラフィカルインターフェースでの操作が中心となり、初心者でも使いやすい方法です。
- エクスプローラーを開き、「PC」を選択します。
- チェックしたいドライブ(例:Cドライブ)を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「ツール」タブに移動し、「エラーチェック」セクションの「チェック」ボタンをクリックします。
- 「ドライブのスキャン」をクリックしてエラーチェックを開始します。エラーが検出された場合は、「このドライブを修復する」オプションが表示されるので、それをクリックして修復を行います。
この方法では、システムが自動的にエラーを検出し、必要に応じて修復を試みるため、簡単にディスクの健全性をチェックできます。
③「セキュリティとメンテナンス」からドライブの状態を確認する方法
Windows 10には「セキュリティとメンテナンス」機能もあり、ここからドライブの状態を確認することができます。システム上で問題が検出されている場合に通知が表示され、スキャンや修復が推奨されます。
- 「コントロールパネル」を開き、「セキュリティとメンテナンス」を選択します。
- 「メンテナンス」セクションでドライブの状態を確認し、エラーが報告されている場合は、指示に従ってスキャンや修復を行います。
④Windowsインストールメディアからエラーチェックを行う方法
PCが正常に起動しない場合は、Windowsのインストールメディア(USBまたはDVD)から起動してコマンドプロンプトを利用する方法もあります。
- WindowsインストールメディアをPCに挿入し、BIOS設定でブート順序を変更してインストールメディアから起動します。
- 「コンピューターを修復する」を選択し、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を選びます。
- コマンドプロンプトが開いたら、「
chkdsk C: /f /r
」を実行し、エラーチェックと修復を行います。
この方法は、通常の起動ができない場合の緊急対策として利用できます。
ハードウェア障害が発生時、自己修復を試みるのはリスクが高い
エラーチェックで問題が解決できない場合、深刻なハードウェア障害が発生している可能性が高いです。この場合、自己修復を試みるのは非常に危険です。
物理的な故障に対し、ソフトウェアツールや再起動などの一般的な手段は効果がなく、状況を悪化させるリスクがあります。例えば、ヘッドクラッシュしたHDDを無理に動かすと、プラッタが傷つき、データが完全に失われる可能性が高まります。
物理障害が疑われる場合は、すぐにデータ復旧業者に相談することが重要です。データ復旧業者は、クリーンルームでの作業や故障箇所の特定、専用機器を用いて安全にデータを救出します。迅速にプロの助けを求めることで、データ消失のリスクを最小限に抑えられます。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。