共有フォルダに突然アクセスできなくなると、日々の業務に大きな支障が生じ、最悪の場合、取引先との信頼関係にも影響を及ぼす可能性があります。
特にNASサーバーやRAID環境での問題は、原因を誤認して復旧作業を行うと、取り返しのつかないデータ消失を招く危険性があります。
本記事では、共有フォルダにアクセスできなくなる主な原因を詳しく解説し、それぞれのケースに応じた具体的なデータ復旧方法をご紹介します。トラブル時の冷静な対応をサポートするため、ぜひ最後までお読みください。
目次
共有フォルダにアクセスできない原因
共有フォルダにアクセスできない原因は大きく分けて次の4つです。
ネットワークの問題
ネットワーク接続が不安定だったり、設定が正しくない場合、共有フォルダにアクセスできなくなります。例えば「ネットワークパスが見つかりません」などのメッセージが表示されて共有フォルダにアクセスできない場合、ネットワークに問題がある可能性があります。
ファイアウォールの設定
Windows Defender ファイアウォールが共有フォルダへのアクセスをブロックしている可能性があります
システムおよびデバイスの問題
システムやデバイス自体に問題がある場合も、共有フォルダにアクセスできなくなります。PCやサーバーの状態が正常であるか確認し、必要に応じて再起動を行ってください。
セキュリティおよび共有設定の問題
セキュリティ設定や設定が適切に行われていない場合、「安全でないためファイル共有には接続できません」「認証に失敗しました」などエラーメッセージが表示されます。また、共有設定が無効になっていると、アクセスできなくなります。
資格情報の問題
Windows のアップデート後に資格情報に問題が生じることがあります。格情報を削除し、再追加することで、アクセスできない問題が解決する可能性があります。
NASの故障
共有フォルダにアクセスできない原因として、NASの故障が考えられます。故障には「論理障害」と「物理障害」があり、論理障害はファイルシステムの破損やソフトウェアの不具合が原因で、物理障害はハードディスクの故障が主な要因です。
論理障害では、誤った修復操作やデータ復旧ソフトの使用によってファイルシステムがさらに破損し、重要なデータが上書きされるリスクが高まります。また、物理障害では、ハードディスクを無理に操作すると内部部品が損傷し、データの取り出しが困難になる危険があります。これらのリスクを避けるため、早めにデータ復旧の専門業者に相談することをお勧めします。
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共有フォルダにアクセスできない時の対処法
共有フォルダにアクセスできない場合、原因はさまざまですが、迅速かつ適切な対処を行うことでデータを守りながら問題を解決できます。ここでは具体的な対処法を順にご紹介します。
PCを再起動する
再起動すると問題が解消されることがあります。
なお、再起動しても問題が解決しない場合、重度のシステムエラーやストレージの物理的な破損が生じている可能性が高いため、再起動は1度きりにし、専門家であるデータ復旧業者に相談しましょう。
他のデバイスから共有フォルダにアクセスできるか確認する
ネットワークやリモートアクセスの設定を行う際に、他のデバイスからアクセスできるかどうかを確認することは重要です。他のデバイスから共有フォルダにアクセスできるかどうかを確認する手順を以下に示します。
- 共有したいフォルダを右クリック
- プロパティを選択
- 共有タブを開き、「共有」をクリックして、必要な権限を設定します。
- ネットワーク共有の確認: 別のデバイスからWindowsエクスプローラーを開き、アドレスバーに「[ホストコンピュータの名前またはIPアドレス]」を入力します。共有したフォルダが表示されれば、アクセスできる状態です。
共有フォルダにアクセスできるかどうかを確認することで、問題が共有フォルダにあるか、サーバーにあるかを確認することができます。
ネットワーク(VPN)の接続を確認する
VPN(仮想プライベートネットワーク)とは、公共のインターネット通信のセキュリティやプライバシーを向上させるために使用される技術およびサービスです。VPN接続を確認する方法は以下の通りです。
- パソコンのタスクバーのシステムトレイを見て、インストールされたVPNクライアントが正しく起動しているか確認する
- アイコンが表示されていない場合、VPNクライアントを起動する
- VPNクライアントを起動したら、正しいVPNプロファイルを選択し、接続ボタンを押して接続を確立する
- VPN接続が確立されたら、接続が正常であるかどうかを確認し、共有フォルダに再アクセスする
ネットワークの設定を「パブリックネットワーク」から「プライベートネットワーク」に変更する
共有フォルダにアクセスできない場合、ネットワークの設定が「パブリックネットワーク」になっていることが原因であることがあります。ネットワークの設定を「プライベートネットワーク」に変更する手順は次の通りです。
- パソコンの「設定」を開く。
- 「ネットワークとインターネット」のオプションを選択する。
- 「プライベートネットワーク」に切り替える。
- 「保存」をクリックする。
- 共有フォルダに再度接続する。
PCの同時接続数を確認する
共有フォルダの上限を越えて同時接続を行うと、共有ファイルに入ることができません。このとき「コンピューターへの接続数が最大値に達しているため、これ以上このリモート コンピューターに接続できません。」とエラーメッセージが表示されます。
- Windowsマークを右クリック
- 「ネットワーク接続」を選択
- 画面右側の「ネットワークと共有センター」をクリック
- 「ネットワークと共有センター」画面の左側の「共有の詳細設定の変更」をクリック
- (現在のプロファイル)と書かれた設定を開く
- 「ネットワーク探索を有効にする」をオンにする
共有フォルダの接続上限を越えている場合は、共有可能な数まで接続数を減らしてください。
LANの確認を行う
NASの共有フォルダにアクセスできない場合、LANケーブルが正しく接続されているかを確認します。次に、LANの動作状態を確認してください。
このとき、接続モード、IPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイなどを確認します。また、NAS側のネットワーク設定も確認して、NASが正しく接続されているかどうかを確認します。正しく接続されていない場合は、設定を修正してください。
パスワード設定を確認・変更する
サインイン時のパスワードを設定していない場合は、次の手順で設定を行なってください。
- Windowsメニューから設定を選択
- 「アカウント」をクリックし、「サインインオプション」をクリックする
- 「パスワード」を開き「変更」をクリックする
- パスワードを設定する
アクセス権限の設定を変更する
共有フォルダにアクセスできない場合、そもそも、共有フォルダにアクセス権限が与えられているか確認しましょう。共有フォルダにアクセス権限を与える手順は次のとおりです。
- 管理者として共有フォルダを開く
- 「プロパティ」をクリックする
- 「セキュリティ」タブをクリックする
- 「ユーザー」をクリックする
- 「新規」をクリックする
- アクセス権を付与したいユーザーを選択・入力する
- 「OK」をクリックする
- 「権限の選択」ウィンドウで、アクセス権限を設定する
- 「OK」をクリックして設定を保存する
Windows10のホームエディションは、Windowsのシステムやソフトの設定を記録しているレジストリを編集する必要があります。レジストリでゲストログオンを許可する方法は以下の通りです。
- スタートメニューの検索欄で「コマンドプロンプト」と入力する
- 「コマンドプロンプト」を「管理者として実行」で開く
- 「ipconfig」と入力してEnterキーを押す
- ツリーから「コンピューターHKEY_LOCAL_MACHINESYSTEMCurrentControlSetServicesLanmanWorkstationParameters」ファイルを探す
- 「Parameters」をクリックし、「新規」の「DWORD(32ビット)値」を選択する
- 値の名前を「AllowInsecureGuestAuth」に変更する
- 「AllowInsecureGuestAuth」をダブルクリックし、値のデータに「1」を入力
- 値のデータに「1」を入力してOKをクリックする
- PCを再起動する
以上の手順を踏むことでWindows10でゲストユーザーが共有ファイルにアクセスすることができます。
資格情報の再設定を行う
資格情報とは、ネットワーク上の機器にアクセスしたユーザーとパスワードを記憶する機能です。再設定を行う手順は以下の通りです。
- スタートメニュ―をクリックし、Windowsシステムツールから「コントロールパネル」を開く
- 「ユーザーアカウント」をクリックし、「資格情報マネージャー」の「Windows資格情報の管理」をクリックする
- 「Windows資格情報」の画面が開いたら共有フォルダのホスト名かIPアドレスをクリックする
- 「削除」を選択し、確認メッセージに「はい」を選択して資格情報を削除する
- 「Windows資格情報の追加」をクリックする
- 「共有フォルダのホスト名かIPアドレス」「ユーザー名」「パスワード」を入力すると資格情報が再登録される
ファイル共有の詳細設定を見直す
ファイル共有の詳細設定とは、ネットワーク内でファイルやフォルダを他のユーザーと共有する際に、アクセス権限やセキュリティ設定を細かく調整するための設定です。NASの共有フォルダにアクセスできない場合、ファイル共有の詳細設定を見直すことが有効です。ネットワークの詳細設定を確認する次の通りです。
- コントロールパネルを開きます。
- 「ネットワークとインターネット」を選択します。
- 「ネットワークと共有センター」をクリックします。
- 左側のメニューから「共有の詳細設定の変更」を選択します。
- プライベートネットワークの設定で、「ネットワーク検出」と「ファイルとプリンターの共有」をオンにします。
- 変更を保存するには、「保存して閉じる」をクリックします。
上記の手順は、一般的なネットワーク設定の場合です。お使いのネットワーク設定によっては、異なる手順が必要になる場合があります。ネットワーク設定を変更しても問題が解決しない場合、機器に不具合が生じている可能性が高いです。PCやNASの不具合が疑われる場合、次に紹介する専門家まで相談しましょう。
データ復旧業者に依頼する
ネットワークやPC、NASの設定を見直しても共有ファイルが開けない状況が改善されない場合には、データ復旧専門業者に一度相談しましょう。
データ復旧業者は、パソコンの修復機能やメーカーでは対応できない物理障害や論理障害からのデータ復旧が可能です。特にサーバーの場合は自力でリビルドすることと比較しても、データ復旧の失敗リスクを最小限に抑えることができます。
デジタルデータリカバリーでは、HDDの重度物理障害からの復旧に特化した技術力をもとに、多くの実績から培った技術で、お客様のデータを救出します。24時間365日相談から初期診断・お見積りまで、無料でご案内しておりますので、まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。