本記事では、HP製のパソコンが起動しない時の対処法を解説していますので、是非参考にしてください。
目次
hp製PCが起動しないときに自力で復旧する方法
①静電気を放電し、内部のホコリを掃除する
パソコンのパーツに静電気やホコリがたまると、誤作動を起こすことがあります。
この際、次の方法で放電と内部の掃除を行ってください。
- パソコンの電源を落とします
- 電源コードを抜きます
- 周辺機器をすべて取り外します
- コンピューターからバッテリを取り外します
- その状態で、電源ボタンを約15秒間押します
- エアダスターでホコリも取り除きます
- バッテリを付け直して、電源コードを差し込みます
- この際、周辺機器は外したままにして電源を入れます
ここまでの対処法を実行しても起動しない場合、機器自体が故障している可能性も考えられます。以下の記事を参考に、電源が点くか確認するようにしてください。
パソコンが真っ暗(黒い画面)で操作できない場合の対処法はこちら
②ディスプレイのバックライトが切れていないか確認する
パソコンのディスプレイが破損していると正常に起動できても、画面に何も映らない場合があります。
この場合はディスプレイ裏にあるバックライトを確認し、点滅しているか確認しましょう。バックライトが切れた場合は、別の外部ディスプレイやモニターに接続してみましょう。
③モニターをリセットする
モニターの設定に問題がある場合、操作画面が正常に表示されない場合があります。このケースだと、工場出荷時の初期設定にリセットすることで対処できることがあります。
リセットの手順はモニターごとに少しずつ異なっていますが、おおむね「メニュー」を開き「その他」や「ツール」などの項目から「リセット」「初期設定に戻す」を選ぶことで対処可能です。
④外部ディスプレイ出力を元に戻す
パソコンのディスプレイの設定が「外部ディスプレイ出力」に切り替わったままである可能性があります。外部ディスプレイ出力の設定を元に戻しましょう。
外部ディスプレイ出力を元に戻す方法は以下の3通りです。
- Windowsキーを押しながらPキーを数回押し、その後Enterキーを押す
- fnキーとf4キーを同時に押す
- Fn Key Switch機能が搭載している場合はf4キーを押す
⑤HDMI端子を別モニターに接続する
メッセージすら表示されない場合、デスクトップパソコンの場合は、ディスプレイケーブルやディスプレイの損傷が考えられます。異なるディスプレイモニターに接続し、確認してください。
また、ノートパソコンの場合、液晶パネルが故障している可能性があります。
この場合、メーカーでの修理を受けることになるため、場合によってはHDDやSSDが初期化される可能性があるので注意してください。
⑥PC本体の省電力モードを解除する
パソコン本体がスリープ状態など、省電力モードになっていると、パソコンの電源ランプはついても画面に何も映らないことがあります。
パソコン本体の省電力モードを解除するには以下の操作を加えましょう。
- パソコンのキーボードを押す
- タッチパッドを動かす
- 電源ボタンを約1秒押す
ただし、長時間省電力モードになっている場合、起動に時間がかかる場合があります。
⑦再起動を行う
パソコンが起動せず、OSが立ち上がらない場合には、再起動することで正常に起動できることがあります。
ただし、システムの更新やエラーチェックを実行している場合は、処理が完了するまで待ちましょう。次回起動した際に処理が最初からになります。
ただし再起動はパソコンやストレージに負荷がかかります。繰り返し実行すると障害が進行し、最悪の場合はパソコンが二度と起動しなくなってしまいます。
1度再起動に失敗したら、データが必要な場合はデータ復旧業者へ相談しましょう。無料で初期診断を行ってくれる業者もあります。
⑧エラーメッセージごとに対処法する
HP製のパソコンが起動しない際に表示されるエラーメッセージはこちらです。
- HP Battery Alert(バッテリーのエラー)
- 164 – Memory Size Error(メモリ変更後のエラー)
- System/CPU Fan(冷却ファンの異常を知らせるエラー)
HP Battery Alert
これはバッテリー上のエラーです。周辺環境の温度が不適切であったり、経年劣化を起こしていることで、バッテリーが正しく動作していません。バッテリーを交換するか、修理依頼を出しましょう。
164 – Memory Size Error
これはメモリの増設、あるいは取り外し後に起きるエラーメッセージです。
[F1] キーを選択すると、次回以降、このメッセージは表示されません。
System/CPU Fan
このエラーメッセージが黒い画面に表示される場合、冷却ファンが適切に動作していない可能性があります。ほこりを除去するか、通気口をふさいでいる異物を取り除き、ハードリセットを実行しましょう。
「ブートディスクを検出できない、ディスクに障害がある」と表示される場合、以下の記事を参考に対処法を実行してみてください。
HPパソコンで「ブートディスクを検出できないかまたはディスクに障害があります」と表示される場合の対処法はこちら
⑨ランプの点滅パターンから問題を切り分ける
HP製PCでは、ハードウェアに問題が起きている場合、LEDの点滅、またはビープ音で問題を発信します。ここでLEDの点滅パターンから、問題を切り分けてみましょう。
赤色ランプが2回点滅し、白色ランプが2回または4回短く点滅している場合
これはBIOSという起動プログラムが破損している可能性があります。この場合、BIOSをリセットすることで対処可能なことがあります。
赤色ランプが3回点滅し、続いて白色ランプが4回短く点滅します。
この場合、CPUに何らかの障害があると考えられます。CPUの交換を行いましょう。
赤色ランプが3回点滅し、白色ランプが2回短く点滅
この場合、メモリに何らかの障害があると考えられます。メモリの交換を行いましょう
⑩ハードウェア診断を行う
hpのロゴすら表示されない場合、ハードウェアに何らかの問題が発生しているか、BIOSが破損している可能性があります。この際、対処法は次のとおりです。
hp製のPCには「hp PC Hardware Diagnostics UEFI」という診断ツールがあり、ハードドライブに問題がないか自己診断することができます。
診断ツールの操作方法は次のとおりです。
- 電源を入れた直後に「F2」キーを押す
- BIOSリセットする・システムリセットする
- メインメニューから「コンポーネントテスト」を選択する
- メニューから「ハードドライブ」を選択する
- メニューから「ハードドライブ」を選択する
- 問題が検出されなかった場合、 「コンポーネント テスト : 合格」と表示されます
- この場合、メインメニューから「詳細テスト」を実行します
合格の場合、ストレージに大きな問題が発生していません。これとは別に、起動プログラム(BIOS)が破損しているか、モニターに互換性がないといった別の問題が考えられます。
一方で「Hard Disk Quick Test Failure」など、診断失敗のエラーメッセージが出る場合は、ストレージに深刻な障害が発生している可能性が高いとみられます。
このような状態で操作を行うと状態が悪化する恐れがありますので、これ以上はハードウェア診断を試さず、専門業者まで相談を依頼しましょう。
⑪BIOSリセットする・システムリセットする
パソコン本体は起動するが、メーカーロゴから先に進まない場合、システムやデバイスの起動にかかわる「BIOS」が破損している可能性があります。この際、BIOSをリセットすることで解決できる場合があります。
BIOSをリセットする方法は、次のとおりです。
- 「F2」キーを数回押しましょう。
- 「BIOSセットアップユーティリティ」が起動します。
- 「F9」キーを押します
- 「Load Optimized Defaults?」という、デフォルト値に関するメッセージが表示されます
- 「Yes」を選択しましょう
- 次に「F10」キーを押します
- 「Save configuration and reset?」という、設定の保存に関するメッセージが表示されます
- 「Yes」を選択しましょう
以下の記事では、画面が点かない、立ち上がらない症状についてより詳しく対処方法を解説しているので、確認してみてください。
⑫デバイスドライバを更新する
デバイスドライバとは、パソコンに接続された周辺機器をコントロールするソフトウェアです。古いデバイスドライバのままだと、ブルースクリーンにおちいることがあるため、デバイスドライバは都度更新しておきましょう。
デバイスドライバを更新する方法は以下の通りです。
- セーフモードで起動後「デバイス マネージャー」と検索欄に入力します
- デバイス一覧から、更新するデバイスをダブルクリックします
- プロパディの「ドライバータブ」から「ドライバーの更新」を選択すると完了です
⑬高速テストを行う
高速テストとはWindowsが起動しない場合に、ハードウェアに異常がないか診断できる機能です。短時間でできる
高速テストの実行方法は以下の通りです。
- 電源ボタンを押してパソコンの電源を切る
- パソコンの電源を入れ、すぐにescキーを繰り返し押してメニューを表示させる
- メニューが表示されたらF2キーを押し、「システムテスト」をクリックする
- 「高速テスト」をクリックし、1回実行するを選択したら診断が終了するまでしばらく待つ
- テストに合格したら「続行」、「1回実行する」の順番でクリックし、高速テストの「2回目のパス」を実行する
- 1回目の高速テスト、または2回目のパスのいずれかに失敗すると、24桁の障害IDが表示されるので記録する
高速テストに1度でも失敗した場合に表示される24桁のIDは障害の種類を判別するために必要な番号なので、必ず記録しましょう。
⑭詳細テストを行う
詳細テストとは高速テストを実行しても異常が発見できなかった場合に活用できるテストです。2時間以上テストが行われる場合があるため、充電切れなどに注意しましょう。
- パソコンの電源を切り、もう一度電源をつける
- パソコンの電源がついたらすぐにescキーを繰り返し押す
- メニューが表示されたらF2キーを押し、「システムテスト」、「詳細テスト」の順でクリックする
- 「Run Once」か「Loop until error」をクリックしたらテストが実行されるので、しばらく待つ
- テストに失敗した場合は障害IDが表示されるので、24桁のIDを記録する
高速テスト、あるいは詳細テストのいずれかで障害IDが表示された場合、データ不要でパソコンの起動を優先するならhpのカスタマーセンター、データが必要であればデータ復旧を専門とするDDRまでご相談ください。
⑮PCをリフレッシュする(PCを初期状態に戻す)
リフレッシュは、ファイルや設定を保持したうえで、OSの再インストールを行う方法です。システムが破損している場合、リフレッシュすることで改善を見込めます。
ただし、マイドキュメントの写真、音楽、ビデオなどの個人的なファイルは保存されますが、インストールしたアプリやドライバは削除されるので、事前にバックアップが必要です。
PCをリフレッシュする(PCを初期状態に戻す)手順は以下の通りです。
- 「Windowsメニュー」を開き、「コントロールパネル」を検索して開きます
- 「Windowsの設定」を開き、「更新とセキュリティ」を開きます
- 「回復」を開き、「このPCを初期状態に戻す」を開きます
- 「開始する」を開き、「個人用ファイルを保持する」で「リセット」に進みます
⑯PCをリカバリーする(Windowsを再インストールする)
Windowsの設定に問題があり、リフレッシュでも改善されない場合、PCのリカバリー、すなわちOSを再インストールすることで、正常に起動することがあります。
ただし、OSを再インストールすると、工場出荷時状態に戻ってしまうため、ファイルはもちろん、設定の類も完全に抹消されます。再インストールはWindowsの起動を優先する場合のみ行いましょう。
Windows10の再インストール方法は複数ありますが、事前に用意しておいたリカバリメディアを用いる方法は、次のとおりです。
- 「Windowsメニュー」を開き、「コントロールパネル」を検索して開きます。
- 「システムとセキュリティ」→「管理ツール」→「回復ドライブ」の順でクリックします
- 「システムファイルを回復ドライブにバックアップします」という項目にチェックを入れて、「次へ」をクリックします
- PCにリカバリメディアを差し、「使用可能なドライブ」に表示されたら「次へ」をクリックします。
- しばらく待ち、「回復ドライブの準備ができました」と表示されたら、「完了」をクリックして完了させる
上記の対処方法でも解決しない場合は専門業者へ
パソコンに仕事のデータやホームビデオなど、重要なデータが保存されている場合、パソコンのリフレッシュやリカバリーはおすすめできません。
もしHPのパソコンが起動せず、文字化けしたファイルや再生不能な動画などがある場合、データ復旧の専門業者ならこれらの問題をより確実に修復し、データを戻してくれる可能性があります。
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