Macユーザーにとって、電源を入れてもアップルマークで止まってしまう状況は非常に不安なものです。この状態は、Macが正常に起動できないことを示しており、さまざまな原因が考えられます。本記事では、Macがアップルマークで止まってしまう主な原因と、具体的な対処法を紹介します。問題に対処し、重要なデータを守るために、ぜひ参考にしてください。
Macが起動できないときの全般的な原因と対処法を解説した記事はこちら
目次
Macが起動しない原因
Macがアップルマークで止まる原因には、ソフトウェアやハードウェアに関連するさまざまな問題が考えられます。以下の項目を確認してみましょう。
ソフトウェアの不具合
macOSが正常に動作していない、もしくは破損している可能性があります。最近のソフトウェアアップデートやサードパーティ製のアプリが原因で、この問題が発生することがあります。特に、macOSのファイルが損傷していると、システムが適切に起動できず、アップルマークで止まってしまうことが多いです。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、当社では経験豊富な技術者が46万件以上の相談経験(算出期間:2011年1月1日~)をもとに「初期診断」を行い、障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
ハードウェアの問題
内蔵ハードウェアに問題がある場合も、Macが起動しない原因になります。ハードドライブやSSD、メモリ、ロジックボードの不具合が考えられ、これらの部品に物理的な損傷があると、Macは正常に動作しなくなります。
NVRAM/PRAMの問題
MacにはNVRAMやPRAMという設定情報を保存するメモリがあります。これが正しく動作していない場合、起動に問題が生じることがあります。アップルマークで止まる症状は、このメモリに問題があることを示しているかもしれません。
外部デバイスの競合
外部デバイス(USBデバイス、外部ハードドライブ、プリンタなど)が接続されている場合、これらが原因で起動プロセスに問題が発生することがあります。特に古いデバイスや非純正品のデバイスが影響を及ぼすことがあります。
macOSのアップデートの不具合
macOSのアップデート後に、システムの起動に問題が生じることがあります。アップデートが適切にインストールされていなかったり、互換性のないソフトウェアが影響を及ぼしている場合、アップルマークで止まってしまうことがあります。
ストレージの破損
ハードドライブやSSDの物理的な故障がある場合、Macが起動プロセスを進められなくなることがあります。ストレージデバイスの破損は、Macにとって致命的な問題であり、この場合は自力での修復が難しいため、専門業者への依頼が推奨されます。
経年劣化や落下振動によって物理的パーツが壊れたり、データ構造が破損してアクセス不能に陥ることは決して珍しくありません。そのため、HDDの開封や修復作業には、静電気対策や防塵対策が施された「クリーンルーム」などの特殊な環境が求められます。
これは一般のユーザーでは対応が難しく、プロのデータ復旧サービスに依頼することが必要なケースがあります。もっとも、どの業者を選ぶかは目的ごとに異なります。起動を優先する場合は「修理」を、保存されたデータを優先する場合は「データ復旧」を行いましょう。
Macが起動しない場合の対処法
上記の原因に対して、さまざまな対処法が考えられます。以下の手順を試して、Macを再び正常に起動させることができるか確認してみてください。下記の対処法を試しても起動しない場合は、専門業者に依頼することを検討してください。
強制再起動を試みる
まず最も簡単な方法として、強制的にMacを再起動することを試してください。これにより、一時的なシステムエラーが解消される可能性があります。
- 電源ボタンを10秒間長押しして、Macを完全にシャットダウンさせます。
- 再度電源ボタンを押してMacを起動させます。
- アップルマークが表示され、起動するか確認します。
セーフモードで起動する
セーフモードを使って起動することで、問題を引き起こしている可能性があるサードパーティ製ソフトウェアの影響を回避し、問題を特定できることがあります。
- Macの電源を入れるか再起動します。
- すぐにShiftキーを押し続けます。
- アップルマークが表示されるまでShiftキーを押し続けてください。
- セーフモードで起動するか確認します。
NVRAM/PRAMをリセットする
NVRAMやPRAMのリセットは、ディスプレイや音量、起動ディスクなどの設定が誤っている場合に有効です。これにより、設定が初期化されます。
- Macを再起動します。
- 起動音が鳴ったらすぐにCommand + Option + P + Rキーを同時に押し続けます。
- 20秒間押し続けた後、キーを離し、通常通り起動するか確認します。
SMCをリセットする
SMC(システム管理コントローラ)のリセットは、電源関連の問題や、バッテリー、ファンの動作に影響する問題がある場合に有効です。モデルによってリセット方法が異なるため、Appleの公式ガイドラインを参照してください。
- MacBookの電源を切ります。
- Shift + Control + Optionキーを左側のキーボードで押しながら電源ボタンを10秒間押します。
- キーを離し、電源ボタンを押してMacを再起動します。
macOS復旧モードを使う
macOSの復旧モードを使用することで、ディスクの修復やmacOSの再インストールを行うことができます。これにより、ソフトウェアの不具合を修正できる場合があります。
- Macの電源を入れるか再起動します。
- Command + Rキーを押し続けます。
- 「macOSユーティリティ」画面が表示されたら、ディスクユーティリティを使用してディスクの修復を試みます。
- 修復できない場合は、「macOSを再インストール」を選択します。
外部デバイスを取り外す
外部デバイスが起動を妨げている可能性があるため、すべての外部デバイスを取り外して再起動を試みてください。
- Macの電源を切ります。
- すべての外部デバイス(USBドライブ、プリンタなど)を取り外します。
- 再度電源を入れて、正常に起動するか確認します。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
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HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。