突然アプリケーションが強制終了し、「例外コード 0xc0000005」や「ntdll.dllの障害」などのエラーが表示されて困った経験はありませんか？このエラーは、Windowsの基本的なシステムファイル「ntdll.dll」に関連するもので、多くの場合はメモリアクセス違反（Access Violation）によって発生します。放置すると、システム全体の安定性や作業効率に悪影響を与える可能性があるため、早期の対応が必要です。
本記事では、ntdll.dllに起因する「例外コード 0xc0000005」の原因を分類し、それぞれに対応するすべての対処法を、わかりやすく丁寧にご紹介します。
目次
ntdll.dll「例外コード 0xc0000005」の主な原因
このエラーは、アプリケーションやプロセスが許可されていないメモリ領域にアクセスしようとしたときに発生する「メモリアクセス違反」によるものです。以下に考えられる主な原因を示します。
ソフトウェアのバグや設計ミス
プログラム側にメモリ管理の不具合があると、不正なアドレスにアクセスし、例外が発生します。特に古いアプリや互換性のないツールを使用している場合は注意が必要です。
ntdll.dllや関連システムファイルの破損
ntdll.dll自体が破損していたり、他のWindowsの重要ファイルとの整合性が取れていない場合、システムが正常に動作せず、例外エラーを引き起こします。
ドライバーの不具合や互換性の問題
特にグラフィックドライバーやネットワークドライバーが原因で、メモリへのアクセスが不正になることがあります。アップデートの不整合も原因です。
ウイルスやマルウェアの感染
悪意あるコードがntdll.dllやアプリケーションの動作を改変し、不正な動作を誘発することで例外エラーにつながります。
Windows Updateやレジストリ設定の問題
システム更新の不具合や、誤ったレジストリ操作によってメモリ管理が正常に行えず、例外エラーが発生することもあります。
ハードウェアの故障（特にRAM）
メモリ（RAM）に物理障害があると、不正なメモリアクセスやシステムのフリーズ、予期せぬ再起動などのトラブルが発生しやすくなります。特にデータの読み書き中に問題が生じると、ファイル破損やデータ消失に繋がるリスクも高まります。
そのため、安定したシステム運用を維持するには、定期的なメモリ診断と早めの交換が欠かせません。問題が疑われる場合は、速やかな確認と対応が求められます。
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ntdll.dll「例外コード 0xc0000005」の対処法
このエラーを解消するには、ソフトウェア、システム、ハードウェアの観点から対策を講じる必要があります。以下にすべての対処法を掲載し、詳細な手順を解説します。
OS・アプリ・ドライバーのアップデート
ソフトウェア側の不具合は、最新バージョンへの更新で修正されることがあります。
- 「設定」→「Windows Update」で、最新の更新プログラムを確認しインストール。
- 使用中のアプリが最新かどうかを開発元サイトなどで確認し、必要に応じて更新。
- デバイスマネージャーから各ドライバーを右クリック→「ドライバーの更新」で確認。
システムファイルの修復
Windowsに含まれる「sfc」ツールで、破損したシステムファイルを自動修復します。
- 「スタート」→「cmd」を右クリック→「管理者として実行」。
- コマンドプロンプトで「sfc /scannow」と入力しEnter。
- スキャンと修復が終わったら、PCを再起動して問題の有無を確認。
メモリ診断ツールの実行
物理メモリの故障を検出するために、「Windowsメモリ診断」ツールを活用します。
- 「スタート」→「Windowsメモリ診断」と検索して起動。
- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認」を選択。
- 診断完了後、自動で再起動し、結果が表示されます。
アプリケーションの再インストール
特定のアプリケーションに依存して発生する場合は、そのアプリを一度削除し、再インストールすることが有効です。
- 「設定」→「アプリ」→「アプリと機能」から該当ソフトをアンインストール。
- 開発元の公式サイトなどから最新版をダウンロード。
- インストール後、再起動して正常に動作するか確認。
データ実行防止（DEP）の設定変更
データ実行防止（DEP）はメモリ内の悪意あるコード実行を防ぐWindowsのセキュリティ機能ですが、互換性のない古いアプリケーションでは、これが原因で例外エラーが発生することもあります。
- 「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「システム」→「システムの詳細設定」を開く。
- 「パフォーマンス」欄の「設定」ボタンをクリック。
- 「データ実行防止」タブを開き、「次に選択するものを除くすべてのプログラムおよびサービスについてDEPを有効にする」に変更。
- 対象アプリケーションを「追加」し、再起動して確認。
レジストリの修復
レジストリの破損や不要なエントリが原因でエラーが発生することもあります。安全に作業するためには、必ずバックアップを取ってから修正を行ってください。
- 「Windowsキー + R」で「regedit」と入力し、レジストリエディターを起動。
- 「ファイル」→「エクスポート」でレジストリ全体のバックアップを作成。
- エラーに関連するレジストリキー（例：アプリケーション名やntdll.dll関連）を慎重に確認し、異常な値があれば削除または修正。
- 修正後は再起動して動作を確認。
ウイルス・マルウェアスキャン
マルウェアがntdll.dllやアプリの挙動に干渉し、不正なコードを実行しているケースもあります。信頼できるセキュリティソフトを使ってフルスキャンを行いましょう。
- お使いのウイルス対策ソフトを開き、「フルスキャン」または「完全スキャン」を実行。
- 検出された脅威があれば隔離または削除を実行。
- スキャン完了後、PCを再起動して症状が改善されたか確認。
一時ファイルや不要ファイルの削除
ディスクに蓄積した不要ファイルやキャッシュが原因で、アプリケーションの動作に影響を及ぼすこともあります。定期的なクリーンアップをおすすめします。
- 「Windowsキー + R」で「cleanmgr」と入力して実行。
- 対象ドライブ（通常はCドライブ）を選択。
- 「一時ファイル」「システムエラーメモリダンプファイル」などにチェックを入れて「OK」をクリック。
- 削除が完了したら、PCを再起動。
イベントビューアの確認
イベントビューアには、アプリケーションクラッシュ時の詳細な情報が記録されています。原因特定の重要なヒントになるため、必ず確認しておきましょう。
- 「スタートメニュー」→「イベントビューア」を検索して起動。
- 「Windowsログ」→「アプリケーション」を選択。
- 「エラー」と表示されたログの中から、発生時刻や「ntdll.dll」が含まれるエントリを探す。
- エラーメッセージや障害モジュールの詳細を確認し、原因の特定やサポート問い合わせ時の情報収集に活用。
ここまで紹介したすべての対処法を実行しても改善しない場合は、ハードウェア障害やシステム深部の異常の可能性があります。特に業務用パソコンや大切なデータを扱っている環境では、無理な自己対応はさらなる悪化につながる恐れもあるため、専門業者への相談を検討してください。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
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HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
