PCが起動時にフリーズしてしまう問題は、業務や作業を妨げる非常に厄介なトラブルです。この記事では、原因を詳細に特定し、それに応じた具体的かつ徹底的な解決策を解説します。初心者でもわかりやすいようにステップごとに説明しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
PC起動時にフリーズする原因
PCが起動時にフリーズする場合、以下の6つの主要な原因が考えられます。それぞれの特徴と発生状況について詳しく見ていきましょう。
メモリ不足
PCの動作にはメモリ(RAM)が不可欠です。特に複数のアプリケーションを同時に使用したり、高負荷な処理(例:動画編集、ゲームなど)を行う場合、メモリ不足がフリーズを引き起こします。メモリの不足によって以下のような症状が現れることがあります。
- OSの起動が異常に遅い
- デスクトップが表示されても応答がない
- 「メモリ不足の警告」が表示される
原因としては、物理的なRAM容量が少ない場合と、起動時に大量のアプリケーションやサービスがメモリを占有している場合が挙げられます。
ハードディスク/SSDの故障または容量不足
PCのハードディスク(HDD)またはSSDが以下の状態になるとフリーズが発生します。
- 読み書き速度が著しく低下している(ディスクの劣化)
- 容量がほぼいっぱいである(空き容量不足)
- 物理的に故障している(異音や異常な熱)
特にHDDの場合、ディスクの回転部品が劣化するとデータアクセスが遅くなり、起動に大幅な時間がかかります。一方、SSDも寿命を迎えると読み書きが正常に行えなくなることがあります。
HDDやSSDの物理的な不具合によるフリーズは、自力対応が高リスク
HDDの劣化やSSDの寿命により、データアクセスが困難になると、無理な操作でさらなる損傷やデータ消失のリスクが高まります。
HDDでは、ディスクの回転部品やヘッド部分が劣化するとデータアクセス速度が極端に低下します。このような状態で無理に操作を続けると、さらなる損傷を引き起こします。
一方で、SSDは回転部品がないものの、寿命を迎えると内部のフラッシュメモリが正しく動作しなくなり、データの一部またはすべてが読み取れなくなることがあります。
これらの状況では、データが完全に失われるリスクが高いため、無理な再試行や自己修復は避けるべきです。
特に、重要なデータが保存されている場合は、データを保護するためにすぐに専門のデータ復旧サービスに相談することを強く推奨します。専門業者では、クリーンルームでの精密な診断や専用機器を使用してデータを救出することが可能です。
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過熱
PCの内部が高温になると、ハードウェアを保護するためにシステムが動作を停止し、フリーズすることがあります。以下の原因が考えられます。
- 冷却ファンが故障している
- PC内部にホコリが溜まり通気口が詰まっている
- 高温多湿の環境で使用している
過熱状態はCPUやGPUに特に影響を与え、熱暴走が起きるとシステム全体の動作が停止する可能性があります。
ドライバの不具合
ドライバはハードウェアとソフトウェアをつなぐ重要な役割を担っています。以下の状況では不具合が発生しやすくなります。
- 古いドライバがインストールされている
- 互換性のないドライバを使用している
- ドライバが破損している
これにより、PCが特定のハードウェアを正しく認識できず、フリーズやエラーを引き起こします。
ウイルス感染
ウイルスやマルウェアがシステム内に侵入すると、以下のような問題が発生する可能性があります。
- システムリソースを過剰に消費する
- 重要なシステムファイルを破損または削除する
- バックグラウンドで不要なプロセスを実行し続ける
ウイルス感染が進行すると、起動時にシステムが安定しなくなり、フリーズに至ることがあります。
システムファイルの破損
システムファイルはOSの基本動作を支える重要な構成要素です。以下の状況で破損が生じる可能性があります。
- 強制終了や突然の電源オフを繰り返した場合
- アップデートやインストール中にエラーが発生した場合
- ウイルス感染によって改ざんされた場合
破損したシステムファイルを読み込もうとする際にエラーが発生し、起動プロセスが停止することがあります。
PCが起動時にフリーズした場合の対処法
以下に、フリーズを解消するための具体的な方法を順に説明します。各手順を実行することで、問題を効率的に解決できる可能性が高まります。
セーフモードで起動する
セーフモードでは、最小限のドライバと機能のみが起動されるため、原因の特定が容易になります。
- PCの電源を入れ、起動中に「F8」キーを連打します。
- 表示されるオプションメニューから「セーフモード」を選択します。
- 問題のアプリケーションやドライバを特定し、削除または更新を行います。
メモリ診断を実行する
Windowsにはメモリの不具合を診断するツールが内蔵されています。
- スタートメニューの検索ボックスに「Windows メモリ診断」と入力します。
- 「管理者として実行」で診断ツールを起動します。
- 「今すぐ再起動して問題を確認する」を選択し、診断結果を確認します。
ドライバを更新する
ドライバの不具合が原因でフリーズが発生する場合、最新バージョンに更新することで問題が解消することがあります。
- 「スタートメニュー」を右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。
- リストから問題のあるデバイスを見つけます。例: ディスプレイアダプター。
- 該当デバイスを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーソフトウェアの検索方法を選択」画面で「自動的に更新されたドライバーソフトウェアを検索する」を選択します。
- ドライバが見つかった場合は指示に従ってインストールを完了します。
- 更新後、PCを再起動し、フリーズが解消したか確認します。
ウイルススキャンを行う
ウイルス感染によるフリーズを防ぐために、ウイルス対策ソフトを使用してシステム全体をスキャンし、問題を解決します。
- 信頼できるウイルス対策ソフトを起動します(例: Windows Defender、Norton、McAfeeなど)。
- 「フルスキャン」または「完全スキャン」を選択します。
- スキャン結果を確認し、ウイルスが検出された場合は「削除」または「隔離」を実行します。
- スキャン完了後、PCを再起動してフリーズが解消したか確認します。
システムファイルを修復する
システムファイルが破損している場合、Windowsの内蔵ツールを使用して修復を試みます。
- 「スタートメニュー」で「cmd」と入力し、検索結果の「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します:
sfc /scannow
- スキャンが完了するまで待ちます(時間がかかる場合があります)。
- 破損したファイルが修復された場合、PCを再起動します。
Windowsを再インストールする
他の対処法で解決しない場合、Windowsの再インストールを行うことで問題を解消できます。ただし、データのバックアップを事前に必ず行ってください。
- インストールメディア(USBまたはDVD)を準備します。Microsoft公式サイトで作成可能です。
- PCを再起動し、BIOS設定で起動デバイスをインストールメディアに変更します。
- インストールメディアから起動し、画面の指示に従い「Windowsをインストール」を選択します。
- 「カスタムインストール」を選び、OSを再インストールします。
- インストール完了後、バックアップからデータを復元します。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。