ビープ音とは、パソコンから聞こえる「ビー」「ププッ」などの電子音を指します。ビープ音は音の長短や鳴る回数によって意味が異なり、それを把握することで、PCのどこに異常があるか特定することができます。
中には個人で対処可能な場合もありますが、修理や復旧が難しいケースでは、専門業者に相談する方が適切です。この記事では、ビープ音の原因と、その対処法を詳しく解説します。
目次
ビープ音はパソコン不調のサイン
デジタルデータリカバリーでは、累計41万件以上のご相談実績(*期間:2011年1月1日以降)をもとに、他社でデータ復旧が不可能とされた機器でも、経験豊富なエンジニアが高精度な復旧を実現しています。年中無休で、365日24時間の電話受付および無料診断を行っておりますので、突然の故障にも迅速に対応可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。
PCでビープ音が鳴る主な原因
PCでビープ音が鳴る主な原因は次の通りです。
ただし、上記は一般的な原因と対処法であり、すべての状況に当てはまるわけではありません。ビープ音が鳴る場合は、PCのメーカーや型番を調べ、より具体的な情報を確認し、自信がない場合は、データの要不要に応じて専門家に対応を依頼することをおすすめします。
メモリエラー
メモリ(RAM)が正しく取り付けられていないか、故障している場合、特定のビープ音が鳴ります。メモリスロットの接触不良やメモリモジュール自体の不具合が原因です。
グラフィックカードエラー
グラフィックカードの不具合や接触不良もビープ音の原因となります。グラフィックカードが正しく取り付けられていない場合や、カード自体が故障している場合にビープ音が鳴ることがあります。
マザーボードの問題
マザーボードの不具合は、多様なビープ音を引き起こします。BIOSやチップセットのエラー、コンデンサの故障などが原因となることが多いです。特にコンデンサが膨張・破裂した場合、マザーボード上の電源回路が機能しなくなることがあります。この場合、そのため、古い電解コンデンサを交換するなどして、電源回路を保守管理する必要があります。
電源ユニットの問題
電源ユニット(PSU)が正常に動作していない場合、パソコンは必要な電力を供給できず、ビープ音が鳴ります。電源ユニットの故障や電圧不足が原因です。
CPUエラー
CPUの取り付け不良や故障もビープ音の原因となります。オーバーヒートや物理的なダメージなど、CPUに関連する問題が発生した場合に特定のビープ音が鳴ります。
- CPU破損時:ビープ音が連続して鳴るか、長いビープ音が1回以上繰り返される。CPUに問題がある場合、PCは起動プロセスを完了できず、連続したビープ音や特定のパターンでビープ音が鳴ることがあります。
- メモリ(RAM)破損時:通常は短いビープ音が繰り返し鳴るか、短いビープ音と長いビープ音の組み合わせで鳴ります。
BIOS設定が間違っている
BIOS設定が正しくない場合、ハードウェアが正常に認識されず、ビープ音が発せられることがあります。BIOSの設定を確認し、必要に応じてデフォルトにリセットすることで問題が解決することがあります。
PCのビープ音が鳴って専門業者に問い合わせるときの注意点
PCからビープ音が鳴るのはハードウェアの不調を示すサインであり、問題を特定しないまま放置すると、さらに深刻な故障やデータ損失のリスクが高まるため、専門家に相談するのが安全です。
そこでPCからビープ音が鳴って専門業者に依頼する際に注意しなければならない点があります。PCの不具合は目的に応じた専門業者を選定する必要があります。
起動を優先する場合:メーカー・修理業者に相談する
PCの起動を最優先したい場合はメーカー・修理業者に相談しましょう。ただしこれらの専門業者は、起動をすることを目的とした修理を行うことから、部品の交換を要します。そのため、基本的に内部のデータは消失してしまいます。
データ復旧業者に相談する
「PCに保存した大切なデータを取り出したい」「急なトラブルでバックアップを取っていない」といった場合は、作業を進める前に、まずデータ復旧の専門業者に相談しましょう。
特に、HDD障害の復旧実績が豊富な業者であれば、設備、技術力、そして豊富な知見を活かし、高精度なデータ復旧が可能です。
データ復旧は「一発勝負」とも呼ばれ、データ復旧ソフトやパソコンの修復機能を使った上で復旧に失敗すると、復旧難易度がさらに上がることがあります。特にPCから異音がしている場合は、データが必要であれば、できるだけ早くデータを救出することが重要です。
デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な専門アドバイザーが簡易診断を行い、今後の対応方法について24時間365日ご案内しております。パソコン専門のエンジニアが無料で初期診断を行いますので、どうぞお気軽にご相談ください。
PCのビープ音の種類と意味
PCのビープ音の長さや、回数によって、異常の原因を突き止めることができます。ただし、BIOSの種類やPCのメーカーによってビープ音の意味が変わることがあります。最初にOSを起動させるソフトウェアであるBIOS別にビープ音を紹介します。
Award BIOSのPCからビープ音がする場合
Award BIOSとはトップメニューの項目が細分化されていて、階層が浅いタイプのBIOSです。PCの起動後の画面で「DEL」キーを押すとBIOSの種類がわかります。以下は「Award BIOS」のビープ音の種類と概要です。
Award BIOSのビープ音 | 疑われる原因 |
短音1回 | 正常に起動 |
短音2回 | CMOSの設定に問題あり |
長音1回短音1回 | メインメモリの不具合 |
長音1回短音2回 | グラフィックボードとモニターの不具合 |
長音1回短音3回 | グラフィックメモリーとモニターの不具合 |
高音の長音 | PCが高温になっている |
長音の連続 | メモリーが破損/接続・装着がされていない |
短音の連続 | 電力供給不足 |
高音と低音の連続 | CPUの不具合 |
CMOS:CPUを構成するシステム回路
GPU:グラフィックにのみに特化したメモリで画面表示に関する処理を行う
AMI BIOSのPCからビープ音がする場合
AMI BIOSは種類によるビープ音が多いので、5回とそれ以上の回数と分けて説明します。
AMI BIOSのビープ音 | 疑われる原因 |
長音1回 | 正常起動 |
短音1回 | メインメモリーの不具合 |
短音2回 | メインメモリーの不具合 |
短音3回 | メインメモリーの不具合 |
短音4回 | システム内の時計の不具合 |
短音5回 | CPU・マザーボードの不具合 |
長音2回 | CMOSの設定の不具合 |
長音1回短音2回 | グラフィックボードの接続の不具合 |
AMI BIOSのビープ音が6回以上の場合
AMI BIOSはビープ音がトータル6回以上なることがあります。
AMI BIOSのビープ音 | 疑われる原因 |
短音6回 | GateA20エラー:マザーボードやメモリーなど複数で異常がある場合に鳴るビープ音です。原因も様々で、過剰な熱やショート、キーボードの不具合でも鳴ることがあります。原因の特定が難しいので、修理を検討してください。 |
短音7回 | マザーボードエラーやCPU、メモリーなどの不具合 |
短音8回 | グラフィックメモリーの不具合 |
短音9回 | BIOS ROMの不具合 |
短音10回 | 書き込み・読み込みエラーでBIOSの不具合 |
長音1回短音8回 | モニターの不具合 |
UEFIの場合
UEFIとは「Unified Extensible Firmware Interface」の略語で、BIOSの機に加えてセキュリティ機能も持つ新しいシステムです。近年のPCの多くはUEFIが採用されています。
UEFIのビープ音 | 疑われる原因 |
短音1回 | 正常に起動 |
長音3回 | メインメモリの不具合 |
長音5回 | PCのグラフィックボードの不具合 |
長音1回短音2回 | メインメモリの不具合 |
長音1回短音3回 | グラフィック機能未検出エラーが発生 |
長音の高音と低音が交互に鳴る | PC本体のオーバーヒート |
以上がBIOSごとのビープ音の種類です。ビープ音によってはメモリの差し直しなどを行うことで復旧できる場合がありますが、意図せずパソコンを分解してしまい、保証の対象外となったり、メモリを破損させてデータが失われてしまうおそれがあります。
MacOSのビープ音の場合
MacOSを利用するMacからもビープ音が発生する可能性があります。
UEFIのビープ音 | 疑われる原因 |
5秒に1回繰り返す | メモリの検出エラー |
3回鳴って5秒停止を繰り返す | メモリの不具合 |
長めに3回、短く3回鳴り、長めに3回鳴る | ファームウェアの不具合 |
ビープ音が鳴るPCには専門家でなければわからない不具合が発生している可能性もあります。重要なデータを保存している場合、自力で対処せずにデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
データ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売上No.1(※)の当社では、24時間365日、機器別の専門のエンジニアによる無料初期診断を行っております。「PCが起動しないが、安全にデータを取り出したい」という場合などで、お気軽にご相談ください。
(※)データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと。第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2020年)
PCメーカー別のビープ音の意味
次に大手PCメーカーのビープ音について見ていきましょう。自分のパソコンがどのようなトラブルを起こしているのか確認できます。
富士通製PCのビープ音
富士通製のパソコンの場合のビープ音についてです。今回は、富士通の FMV機種を例にしています。
FMV機種のビープ音は「ピッ」「ピッピッ」「ピッピッ」「ピッピッピッ」のように、1回または連続した音の組み合わせにより行われます。
ここではビープ音の回数の組み合わせを、「1-2-2-3」のように表記しています。
富士通製PCのビープ音 | 疑われる原因 |
1-2(1回目のビープ音が長く続きます) | BIOS破損・マザーボードの故障 |
1-1-1-1 1-3-3-1 1-3-3-2 1-3-4-1 1-3-4-3 1-4-1-1 4-3-4-3 |
メモリーのテストエラー |
1-1-1-…. (長めに鳴り続けます) |
グラフィックカードに電源ケーブルが未接続 |
Dell製PCのビープ音
Dell製のパソコンのビープ音についてです。Inspironデスクトップを例に紹介していきます。Dell製品にはDell Diagnostics(診断)プログラムが搭載されています。プログラムを実行することで、より問題の特定が可能です。
Dell製PCのビープ音 | 疑われる原因 |
ビープ音1回 | マザーボードやBIOS ROMの破損 |
ビープ音2回 | メモリ(RAM)の不具合 |
ビープ音3回 | Gate A20エラー チップセットエラー 時刻機構テスト障害 キーボードコントローラの障害 スーパーI/Oチップの障害 など |
ビープ音4回 | メモリ(RAM)の不具合 |
ビープ音5回 | CMOSバッテリーの障害 |
ビープ音6回 | ビデオカード・チップの障害 |
ビープ音7回 | CPUの障害 |
ASUS製PCのビープ音
ASUS製のパソコンのビープ音についてです。
ASUS製PCのビープ音 | 疑われる原因 |
短音1回 | 正常起動 |
長音1回短音2回 | メモリ機能の検出エラー |
長音1回短音3回 | グラフィックメモリーの不具合 |
長音4回 | マザーボード・CPUの不具合 |
これらのビープ音が発生した時は、そもそもPCが故障している可能性が高く、そのまま使用し続ける・自力でエラーを解消しようとすると、最悪の場合データが取り出せなくなる可能性があります。
PCからビープ音が鳴ったときの対処法
ビープ音が鳴っている際、以下の対処法5つを試してみましょう。これらで解決できればすぐにPCが使用できます。
周辺機器やケーブルを抜き放電する
長時間PCを使用していると、本体内部に不要な電気が溜まり、正常に動作しなくなることがあります。このような状況では、動作が不安定になり電源が入らなかったり、急なシャットダウン、再起動が起きてしまいます。この場合、放電作業が有効ですが、メーカーによっては、放電の手順が異なるので、ご自身で確認して作業を行ってください。
一度だけ再起動してみる
再起動を試してみましょう。ビープ音に限らずPCの不具合は、再起動で改善される場合が多いです。長時間起動し続けている、複数のアプリを立ち上げてる、複雑な操作が増えているなどが原因でPCが不調になってることがあります。
何度も再起動した場合、再起動が原因で状態が悪化する可能性があります。むやみに何度も再起動することは避けましょう。
パーツ・メモリの接触不良がないか確認する
ビープ音が鳴る原因で最も多いのが、メモリの接触不良です。PC自体に問題が無くても、メモリが正しく接続されていなければ、ビープ音が鳴ります。
キーボードやマウス、外付けHDDなどの周辺機器が原因の場合もあるので、すべて取り外し再起動をし、正常に起動するか確認しましょう。
- ケーブルや外部機器をすべて取り外す
- 静電気防止のため壁などを触り、体の静電気を逃がしておく
- パソコンのカバーを外す(外し方は取扱説明書を確認、マザーボードには触れないよう注意)
- 取扱説明書の「メモリを交換する」などの項目を参照して作業を進める
- カバーを外したら、エアダスターなどで内部を掃除する
- メモリのロックを外し、本体からメモリを外す
- 再度メモリをロックがかかるまでしっかりと差し込む
- 起動時にシステムから実装メモリの容量が表示され、ビープ音が鳴らない場合は成功です
これでもビープ音が鳴りやまない場合は、メモリ自体の破損が考えられます。
BIOSを初期化する
パソコンを起動したときにビープ音が鳴ったものの、BIOSの画面が表れただけで一向にWindows(OS)が起動しない場合は、BIOSの不調が考えられます。放電作業を行っても不具合が改善しないときは、BIOSの設定を初期化してみましょう。BIOSの初期化はパソコンのデータを削除するわけではありません。
- 電源を入れ、起動途中にF2またはDel電源を数回押す(F8、F10、ESC、Tabキーなどの場合もある)
- BIOS起動後F9キーを押す
- 「Load Optimized Defaults?」表示後、キーボードの矢印キーを使用して「Yes」を選択
- Enterキーを押し、キーボードのF10キーを押す
- 「Save configuration and reset?」表示後、キーボードの矢印キーを使用して「Yes」を選択してEnterキーを押す
- パソコン起動後、電源を入れてF2を押す
確実にデータを復旧したい場合は「データ復旧の専門業者」に依頼する
繰り返し異常な回数でビープ音が鳴る場合、ハードウェアの故障が疑われます。このような場合、修理には機器の分解や専門的な知識が必要となります。
安易に復旧作業を行おうとすると、状況がさらに悪化し、復旧の可能性が低くなる恐れがあります。不安な方は、無理をせず専門業者に依頼しましょう。
ただし、業者の技術力には大きな差があります。信頼できる業者を選ぶことが重要です。経験豊富なデータ復旧業者であれば、高度な技術と専用設備を駆使して、安全かつ効率的にデータを取り戻すことができます。適切な業者に依頼することで、データのさらなる損失を防ぎ、安心して復旧を任せることができます。
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いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
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復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。